【日本は創造性豊かな国】5675
明治大学教授、齋藤孝氏の心に響く言葉より…
わたしは、日本人のクリエイティブ能力は、自分たちが思っているよりずっと高いと思っています。
事実、二〇一六年にアメリカのアドビシステムズ (Adobe Systems) が行なった「クリエイティビティ(創造性)」に関する調査では、世界で最もクリエイティブな国は日本だという結果が出ているのです (Adobe Systems 「State of Create: 2016」)。
ところが、二位以下の他の国では「あなたはクリエイティブですか?」と聞かれると、多くの人がイエスと答えるのに対し、日本ではなんと四分の三の人が、自分はクリエイティビティを充分に発揮できていないと答えているのです。
日本人は「自分たちは創造的ではない」という誤った思い込みをしているということです。
日本は明治以降、西欧の文化を必死になって取り入れてきました。
そのため、いつしか外国のものは素晴らしくて、自分たちは外国の真似ばかりで創造的ではないと思い込んでしまったのかもしれません。
そろそろ、 こんな間違った思い込みは払拭しなければなりません。
その典型的な例が、新幹線の車内清掃です。
先日、アメリカのハーバード大経営大学院で、日本の新幹線の清掃が必修教材に採用されたという記事が新聞に載っていました(二〇一六年九月二日『毎日新聞』)。
実はこの清掃、海外では「奇跡の七分間」と呼ばれるほど高く評価されているのです。
わたしも、新幹線の清掃が非常に見事な手際で、あっという間に効率よく行なわれているのを見るたび、その無駄のない動きに感心していました。
海外で「奇跡」と評されるこの清掃も、その中身を見ていくと、作業の順番を少し入れ替えて効率的にしたり、道具を車内で使いやすいように加工したり、乗客に降りる際にリクライニングを元の位置に戻すようお願いするなど、小さなひと工夫を一つひとつ積み重ねたものだということがわかります。
価値を創造するというと、とても難しいことのように思うかもしれませんが、すべきことはそれほど難しいことではありません。
実際ビジネスの現場では、お客さんの前に食べ物を出すときに、ちょっと向きを変えたことや、出す順序を入れ替えたことなど、ほんの少しの工夫が大きな価値につながったということがよくあります。
つまり、「ひと工夫」の発想力でいいのです。
一つひとつは小さな工夫であっても、積み重なればその結果は大きな違いを生み出します。
たとえばコンビニ。
日本のコンビニでは、新たな商品やサービスがものすごい勢いで日々更新されています。
そのため、五年前のコンビニといまのコンビニでは、まったく別の業態と言っても過言ではありません。
いまのコンビニは、銀行や宅配便はもちろん、行政や介護などさまざまなサービスまで提供しています。
商品も多岐にわたります。
先日わたしが見て感動したのは「鯖の塩焼き」です。
なんと骨が一本残らず抜かれていたのです。
スイーツのクオリティも非常に高く、某コンビニのマンゴーアイスなど、本物のマンゴーの果肉を凍らせたものなのではないのかと思うほどの見事な出来映えでした。
わたしたちはこうした状況に慣れてしまったため見逃していますが、これらの商品が棚に並ぶまでには、数百、あるいは数千を超える工夫が積み重ねられているのです。
この過剰とも言える更新は、この先もとどまることはないでしょう。
なぜなら、この状態が当たり前になっている消費者はすっかり贅沢に慣れ、無意識のうちに、より高いレベルのサービスを常に要求しているからです。
日本人は長らく、自分たちが作るものは、しょせんは進んだ欧米文化の真似やアレンジに過ぎない、つまり、自分たちがしているのは「創造」でも「発想」でもなく、精度を高めただけだと、低い自己評価しかしてきませんでした。
でも、世界はそうは思っていませんでした。
そのアレンジの仕方こそが画期的なもので、とてもクリエイティブだと評価されているのです。
他に類を見ないトイレの進化や、ルーツは他国にあるものの、すでに日本ならではのグルメとなっているカレーやラーメン、そして漫画やアニメのキャラクターなど、日本は新たなアイデアが止まらない国として世界から認知されているのです。
《日本人は自分で思っている以上にクリエイティブ》
『「型やぶり」の発想力』祥伝社黄金文庫
https://q.bmd.jp/91/119/799/393
齋藤孝氏は、発想力を身につけるための方法として、日本で抜きんでた発想力を持つ歴史上の人物を5名、紹介している。
それが…
●能を大成した世阿弥(ぜあみ)。
●武術を極めた宮本武蔵。
●蕉風(しょうふう)俳句を創始した松尾芭蕉(ばしょう)。
●わび茶を完成させた千利休(せんのりきゅう)。
●江戸時代を代表する浮世絵師である葛飾北斎(かつしかほくさい)。
彼らはみな、新しい価値を世界的な基準で創造し、その道を極めた、日本が誇るべき「巨人」たち。
たとえば、千利休は、茶道に新しい価値観をつくり上げただけでなく、その美に対する考え方では日本の美意識まで変えてしまった巨人。
彼は「これが美というものだ」と言って、人々にそれを認めさせた。
既存の美ではなく、それまで誰も美しいと言わなかったものを美しいと思わせてしまうのだから、それはすごいことだ。
(以上、本書より)
「日本は創造性豊かな国」という言葉を胸に刻みたい。
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明治大学教授、齋藤孝氏の心に響く言葉より…
わたしは、日本人のクリエイティブ能力は、自分たちが思っているよりずっと高いと思っています。
事実、二〇一六年にアメリカのアドビシステムズ (Adobe Systems) が行なった「クリエイティビティ(創造性)」に関する調査では、世界で最もクリエイティブな国は日本だという結果が出ているのです (Adobe Systems 「State of Create: 2016」)。
ところが、二位以下の他の国では「あなたはクリエイティブですか?」と聞かれると、多くの人がイエスと答えるのに対し、日本ではなんと四分の三の人が、自分はクリエイティビティを充分に発揮できていないと答えているのです。
日本人は「自分たちは創造的ではない」という誤った思い込みをしているということです。
日本は明治以降、西欧の文化を必死になって取り入れてきました。
そのため、いつしか外国のものは素晴らしくて、自分たちは外国の真似ばかりで創造的ではないと思い込んでしまったのかもしれません。
そろそろ、 こんな間違った思い込みは払拭しなければなりません。
その典型的な例が、新幹線の車内清掃です。
先日、アメリカのハーバード大経営大学院で、日本の新幹線の清掃が必修教材に採用されたという記事が新聞に載っていました(二〇一六年九月二日『毎日新聞』)。
実はこの清掃、海外では「奇跡の七分間」と呼ばれるほど高く評価されているのです。
わたしも、新幹線の清掃が非常に見事な手際で、あっという間に効率よく行なわれているのを見るたび、その無駄のない動きに感心していました。
海外で「奇跡」と評されるこの清掃も、その中身を見ていくと、作業の順番を少し入れ替えて効率的にしたり、道具を車内で使いやすいように加工したり、乗客に降りる際にリクライニングを元の位置に戻すようお願いするなど、小さなひと工夫を一つひとつ積み重ねたものだということがわかります。
価値を創造するというと、とても難しいことのように思うかもしれませんが、すべきことはそれほど難しいことではありません。
実際ビジネスの現場では、お客さんの前に食べ物を出すときに、ちょっと向きを変えたことや、出す順序を入れ替えたことなど、ほんの少しの工夫が大きな価値につながったということがよくあります。
つまり、「ひと工夫」の発想力でいいのです。
一つひとつは小さな工夫であっても、積み重なればその結果は大きな違いを生み出します。
たとえばコンビニ。
日本のコンビニでは、新たな商品やサービスがものすごい勢いで日々更新されています。
そのため、五年前のコンビニといまのコンビニでは、まったく別の業態と言っても過言ではありません。
いまのコンビニは、銀行や宅配便はもちろん、行政や介護などさまざまなサービスまで提供しています。
商品も多岐にわたります。
先日わたしが見て感動したのは「鯖の塩焼き」です。
なんと骨が一本残らず抜かれていたのです。
スイーツのクオリティも非常に高く、某コンビニのマンゴーアイスなど、本物のマンゴーの果肉を凍らせたものなのではないのかと思うほどの見事な出来映えでした。
わたしたちはこうした状況に慣れてしまったため見逃していますが、これらの商品が棚に並ぶまでには、数百、あるいは数千を超える工夫が積み重ねられているのです。
この過剰とも言える更新は、この先もとどまることはないでしょう。
なぜなら、この状態が当たり前になっている消費者はすっかり贅沢に慣れ、無意識のうちに、より高いレベルのサービスを常に要求しているからです。
日本人は長らく、自分たちが作るものは、しょせんは進んだ欧米文化の真似やアレンジに過ぎない、つまり、自分たちがしているのは「創造」でも「発想」でもなく、精度を高めただけだと、低い自己評価しかしてきませんでした。
でも、世界はそうは思っていませんでした。
そのアレンジの仕方こそが画期的なもので、とてもクリエイティブだと評価されているのです。
他に類を見ないトイレの進化や、ルーツは他国にあるものの、すでに日本ならではのグルメとなっているカレーやラーメン、そして漫画やアニメのキャラクターなど、日本は新たなアイデアが止まらない国として世界から認知されているのです。
《日本人は自分で思っている以上にクリエイティブ》
『「型やぶり」の発想力』祥伝社黄金文庫
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齋藤孝氏は、発想力を身につけるための方法として、日本で抜きんでた発想力を持つ歴史上の人物を5名、紹介している。
それが…
●能を大成した世阿弥(ぜあみ)。
●武術を極めた宮本武蔵。
●蕉風(しょうふう)俳句を創始した松尾芭蕉(ばしょう)。
●わび茶を完成させた千利休(せんのりきゅう)。
●江戸時代を代表する浮世絵師である葛飾北斎(かつしかほくさい)。
彼らはみな、新しい価値を世界的な基準で創造し、その道を極めた、日本が誇るべき「巨人」たち。
たとえば、千利休は、茶道に新しい価値観をつくり上げただけでなく、その美に対する考え方では日本の美意識まで変えてしまった巨人。
彼は「これが美というものだ」と言って、人々にそれを認めさせた。
既存の美ではなく、それまで誰も美しいと言わなかったものを美しいと思わせてしまうのだから、それはすごいことだ。
(以上、本書より)
「日本は創造性豊かな国」という言葉を胸に刻みたい。
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