- 松永史談会 -

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高峰博「幽霊とおばけ : 伝説心理」洛陽堂、T8

2013年08月13日 | 教養(Culture)
これはなかなかの面白い研究だ。
高峰博「幽霊とおばけ : 伝説心理」洛陽堂、T8
妖怪研究は新編妖怪叢書でおなじみの井上円了から柳田國男らに継承されるが、高峰は当時心理学叢書を出していた広文堂から出版。かれは今日妖怪研究者としては殆ど忘れられた存在だ。当時臆面もなく解剖学の教科書など出し、後年は文学雑誌に投稿するようなす吾人だったので研究者としてはやや器用貧乏に終わった感じなのかな~。真相不明だが・・・・。しかし、彼の著書を調べてみると・・・・・これがなかなかなのだ











高峰博 著「個性学」[目次]
目次
第一篇 個性硏究論 / 1
一、 個性硏究の必要 / 1
二、 個性の意義 / 2
三、 個性硏究の歷史 / 4
第二篇 個性由來論 / 21
一、 個性は何に由來するか / 21
第三篇 赤穗義士論 / 39
一、 俗謠と個性 / 39
二、 赤穗義士と我が國民性 / 40
三、 忠臣藏は個性硏究の良參考 / 42
四、 大石良雄の性格 / 43
五、 大石良金の人となり / 44
六、 淺野內匠頭の個性 / 45
七、 吉良上野介の性質 / 47
八、 其の他の義士の個性に關する物語類 / 48
第四篇 狀貌論 / 51
一、 個性の發露 / 51
二、 個性の精神活動を表はす俗語 / 53
三、 個性と職業との關係を表はす俗語 / 55
四、 職業と個性表出の俗語 / 58
五、 世俗は易斷や觀相術で個性を知らんとす / 59
六、 佛敎の三十二相八十隨形好 / 66
第五篇 兩性論 / 75
一、 男性と女性 / 75
二、 女性を發揮してゐる具體的の實例 / 77
三、 女子の個性を決定する二大特徴 / 81
四、 女子個性の短所 / 84
五、 個性の色色 / 89
第六篇 兒童個性論 / 95
一、 老少の個性と個性敎育 / 95
二、 少年の個性と老年の個性 / 96
三、 人格と個性との關係 / 97
四、 人格の定義と其の發現及び形成 / 102
五、 年齡と智能との關係 / 104
六、 未成人格と病的異常人格との比 / 107
七、 少年個性の中嶋式類分法 / 111
八、 中嶋式類分法に對する卑見 / 113
九、 余の兒童個性觀 / 120
第七篇 成人個性論(家の類分) / 133
一、 支那人の個性觀 / 133
二、 西洋の氣質說 / 137
三、 諸家の人物觀 / 143
四、 余の個性觀 / 149
第八篇 本能論 / 151
一、 本能は進化す / 151
二、 本能の三種 / 152
三、 第一次本能 / 153
四、 第二次本能及び其の第一種 / 154
五、 自覺性第二次本能 / 157
六、 自覺性第二次本能の二種類 / 160
七、 第三次本能 / 164
八、 第二次及至第三次本能及び良心等に關する定義 / 169
九、 本能、良心及至理想に關する諸學說及び其の批評 / 171
十、 以上結論 / 180
第九篇 個性類分論 / 183
一、 個性類分の二大方面 / 183
二、 本能觀的觀察 / 184
三、 第一次本能の發現 / 185
四、 第二次本能の發現 / 186
五、 第三次本能の發現 / 190
六、 以上の結論 / 192
七、 個性の觀察法及び類分法 / 193
第十篇 個性敎育論 / 195
一、 個性は本來不變のものに非す / 195
二、 敎育の種類と個性 / 197
三、 家庭及び學校のみが、個性敎育の敎場にあらず / 198
四、 家庭及び學校の敎育と父兄自身の個性並びに社會 / 199
五、 以上の結論 / 202
第十一篇 實際敎育論 / 205
一、 學校と家庭と社會 / 205
二、 敎師と醫師 / 212
三、 自動主義の上から我が小學時代の心理を囘想す / 229
四、 同一敎材と其の解釋の表裏 / 237
五、 自動敎育に必要なる精神科學的改 / 244
六、 「學、習、敎」と「子、家、師」の問題 / 254
七、 性に目醒めんとする兒童の敎育 / 274
八、 支那文明の功罪と初等敎育 / 281
九、 優性學上から結婚問題を論じ、延いて情死問題に及ぶ / 300
第十二篇 變質的個性論 / 315
第十三篇 優生學論 / 361
一、 醫學上より觀たる優境學 / 361
二、 醫學上より觀たる優性學 / 384

「国立国会図書館のデジタル化資料」より

出版元:良書普及会、刊行年月:大正10、ページ数:409p







高峰博という人物は医師(精神科)だが「夢学」、大正6年刊などなかなか面白い本を出している。
富士川游主幹の雑誌「人性」の11-14巻辺りに投降した論文をまとめて上梓したもの。
この雑誌には永井潜らも寄稿しているようだ。
フレーザーやフロイトなどの影響を受けているようだが・・・・・。













100年前の本だが、意匠がモダンというか中々の装丁だ! 本の中身は夢の精神医学と文化論的なサイエンスとアートの間の学際的な論考集だ。


こういう著書もある

高峰博 高峰ひろ子「女性心理と女性美の研究  家庭夜話2」、文教書院、大正12、1
同上「女性肉體美學」
たましい

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