夏の高校野球の県予選がそろそろ終わりになって来ました。
高校ビッグ4と言われる好投手がいます。横浜・及川、 創志学園・西、星稜・奥川、大船渡・佐々木朗ですね。甲子園に行く可能性があるのは奥川君だけになったようです。プロ野球のスカウトからみれば、甲子園に行って連投と肩の酷使をハラハラしてみるより、じっくり休んで故障をしないようにして欲しい、というのが本音でしょう。ただの高校野球ファンからすれば、残念としか言えないのですが。
そこで、今話題になっているのが、佐々木君の予選決勝戦の登板回避です。結果、大船渡は敗退して甲子園の切符を逃しました。連投で体が故障する寸前であった、との理由から監督が投げさせなかったことが、賛否に分かれています。
あの野球界のご意見番(お邪魔虫の老害だと思いますが)張本さんが、「監督と佐々木君のチームではない。もっと多投している投手は大勢居る。スポーツ選手ならけがは当たり前」という趣旨で、監督を批判していました。
こういう意見は無責任です。もともとこの張本さんは、偏見と自己主張、優越感の塊のような人です。
野球に限らず、小さいころからスター選手に憧れてスポーツに励んでいる子供たちが大勢います。ただ指導者によって若い才能や努力が摘み取られてしまうことも多いのです。肩は消耗品、酷使して故障すると元には戻りません。昔、稲尾がプロ野球で連投を強いられ、若くして引退を余儀なくされたのは有名です。
ワタシの記憶している選手たちでも、江川、伊藤智仁、松坂大輔、田中将大、島袋、斎藤 佑樹など、酷使されて肩を壊した(故障した)人たちが多数います。この好投手たちは、プロになる前の肩の酷使や連投が影響していると思います。阪神の安楽や藤波、巨人辻内など、期待されながらプロで活躍できない投手も同様です。
高校野球の監督は、甲子園出場や優勝でハクが付き、いろいろな余禄もあるようです。名監督の名声の陰でつぶされた才能がどれだけあることか。
チームメイトが、投手の大黒柱が歯を食いしばって猛暑の中で投げ続けているのを見ていて、故障や痛みで登板回避したからといって、誰一人責める気にはならないでしょう。彼らは、その投手のお陰で勝ってこれたのですよ。
もう20年以上前になりますが、よく通っていた指圧マッサージ店の若者を思い出します。礼儀正しい物腰の柔らかな好青年で、店内でも中心になっていました。彼によると、高校野球から、スポーツ推薦で大学に進み、野球部にいたが故障して退部、結果、大学も中退せざるを得なかったとのことでした。
もし、野球をしないで勉強していたらと思わせるような頭の良さそうな若者が、高卒のまま、指圧の仕事をしていることが気の毒でなりませんでした。また、故障しなければ、もしかしたら社会人野球やプロの道もあったでしょうし、大卒で、一流の会社に就職できたかも、と思って複雑な気持ちになったのを今でも思い出します。
それにしても、張本さんをTVに出すのはほんとうにやめて欲しい。