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横浜本牧の小さな小さなアメリカン・アンティーク雑貨屋ののんきな日々・・

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アメリカンカントリーコレクティブル*Vol.2 Rusty Kitchen

2016-10-02 15:21:13 | ● アンティーク物語


私たちが大好きなティンのシフターとかキャニスターなどはほとんどが1940年代に生産されたものだけど、もうちょっと古い時代に遡ってみましょうか。






そもそもティンは高価な銀製品の代用品という扱いでしかなかったようです。でもトールペイントで美しく着飾ったティンのコーヒーポットなどは19世紀の一般家庭の必需品だったようです。1880年代になって、ティンの板に直接印刷する技術が発明されて、美しいタイポグラフや彩りでデザインされた葉巻の缶や各種食料品の缶などがジェネラルストアの店頭に並ぶようになりました。パッケージとしての機能と、広告媒体としての機能を兼ねたこれらのものは、グラフィックとしてみてもとても興味深いものがあり、コレクターも多いのです。






この葉巻の缶は100年以上経っているものです。塗装されていない取手のワイヤーやふたのストッパーなどは黒光りしていて、とてもいい感じ。長い年月の間に手に擦られているうちに自然に出てきたツヤで、英語では”パティーナ”と言います。







さて、ここまで読んでくださった方はこのサビサビのシフターを見ても「きったなーぃ」とは思わないでしょう。(だといいな)1940年代の特徴的なグリーンの色、年代を証明するかのような広告文、現代にはないデザインは思わず手に取ってみたくなるでしょう。ではカントリーアンティークにおけるティンの魅力とは色とデザインだけなのでしょうか。






例えばこの農家の納屋のデザインのクリスマスツリーのオーナメントはどうでしょう。デザインのモチーフも色も大好きだけど、アンティークショップでは箱に入って売られていて、その箱から出した時にはちょっとがっかりしたものです。ペカペカしていて、素材とデザインのイメージがマッチしていないですよね。このペカペカした感じがなくなって、金属にまろみが出てきて、サビの一つでもあったらもっと味わい深いものであったでしょう。

上のグリーンのシフターは台所で長いこと働いてきて、穴があいてしまってからは流しの下の棚で隠居生活に入り、やがてサビが出てきたのでしょう。そのサビも今はすっかり個性と成っていて、堂々としているではないですか。カントリーアンティークにおけるティンの魅力とはそのサビサビにあると言い切ってしまおう。

*もう10年以上前、アメリカに住んでいたときにやっていたホームページで書いたものです。なので写真の商品はもう売れてしまってありません*






*OMAKE*


*OMAKEにいつも天国のサラがイラストで登場よ*





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