ネーミングって大事だと思う。BlueToothのOPPプロファイルとWi-Fiのアドホック通信の組み合わせに「AirDrop」と云う名前を付けたら、それを悪用した痴漢が登場するまでの大流行を見せるのである。ただこの場合は「目の前の相手と素早く写真をやり取りしたい」と云うニーズを汲み上げたアップルの慧眼を褒めるべきだろう。ペアリングの一手間を省いた功績は大であるが、お陰で不快な思いをする人が続出しているのも確かなので、そこら辺は今後の改善に期待したい。iPhone11にはUWBチップと云う当面エアドロ以外に使い道のないパーツが組み込まれたが、こいつは高精度な位置認識を可能にすると云う代物で、タッチレス認証・決済の大本命である。いずれガラパゴス化したFeliCaごとNFCを駆逐すると予想されているが、恐らく殆どの人にとってはそれがどんな技術で成り立っているのかは興味無いと思われるので、上手にニーズを汲み取ったナイスな名前を付けてあげるのが普及の鍵だと思うのである。
Rakuten mini欲しいなあ。電話やLINEを使う気にならない小ささだが、スマートウォレットとしてはそれが利点となるし、何より現時点で最強のコスパを誇る。4月が待ち遠しいのであるが、通信キャリアとしての楽天には期待していない。4Gでは800～900MHz帯の電波が割り当てられておらず、屋内での利用は恐らくKDDIのローミング頼りになるからである。5Gになってからが勝負だと思っているのだろうし、多分その戦略で正しいのだが、「つながんねー」と云う評価が一旦定着してしまった後に、どうやってそれを払拭していくのかが課題となるだろう。楽天Payを楽天モバイルで使うとポイントがザクザク、と云うビヨンド通信品質でお茶を濁すのも悪くはないが、それだけで既存キャリアから客を奪えるとは思わない方が良いだろう。敢えて流入を狙わず「安くしますので新規にもう一回線どうすか」と云う、総務省の思惑とは全く違う方針を行政指導を恐れず打ち出すのも、面白いと思うのである。
手洗いにうがい。21世紀になっても人類が取り得る対抗手段に何の進歩も無いのが残念である。ただ免疫システムには分からない事が多いのも事実である。迂闊に弄ると花粉症を悪化させただけと云う医学的敗北を喫する恐れもある。消費期限の怪しい食品ばかりを摂取して鍛えると云ったスパルタ方式も副作用の方が酷いので、万人向けとは言えない。そもそも私達が風邪と呼んでいる病気を引き起こすウィルスや細菌は多種多様である。そしてそれらの大半は、日常的に接している身近な存在でもある。連中がいきなり狂暴化すると云うよりは、こちらの抵抗力が弱るのが風邪の主因だと言ってもいい。生真面目な人は無理を押して働き疲労を溜めてしまうから風邪を引きやすく、だから馬鹿は風邪を引かないと云うのも案外理屈には合っているのかも知れないが、国民に向かって「無理して働くな」と注意喚起する訳にもいかず、手洗いうがいの励行に留まらざるを得ないのである。
「Origamiが買収された様だな」「ククク、奴は我々コード決済の中でも最弱…」「メルカリに吸収されるとは、コード決済四天王の面汚しよ」と云う会話があったかどうかは知らないが、潮目を見れば悪くない判断だと不遜にも思っている。それよりもメルカリと提携する信金中央金庫の方が気になる。ビジネススタイルの違いは水と油どころの騒ぎじゃないだろう。地域密着・非営利と云う縛りがある関係上、同業者との統合を含めた業務提携は色々と難しい。だったら全くの畑違いの所となら何とかなるんじゃないかなと思い切ったのかも知れないが、思い切りすぎだと不遜にも思っている。ただメルカリのメインユーザは転売ヤーではなく、家に不用品を大量に溜め込んだ中高年らしいので、案外と相性は良いのかも知れない。信金が地域の不用品仲介のプラットフォームになると云うのも面白い発想なのであるが、それでもコード決済四天王入りは無理と不遜にも思っているのである。
ファミレスが次々と24時間営業から撤退している。人手不足と云うのもあろうが、単純に儲からなくなったからだろう。「深夜に集まってダラダラと長話に耽る」場は、完全にSNSに取って代わられたと見ている。実需面でもコンビニのお弁当が劇的に美味しくなった上に、イートインコーナーが充実していたり持ち込みOKの漫画喫茶が増えていたりで、食事を提供する場と云う本来の使われ方も減っていったのだと思う。ただ昼下がりに集まってダラダラする場所としての地位は健在なので、ファミレス自体が不要となる事は無いだろう。5Gの普及によって家に居ながらにしてVR空間でダラダラ出来る様になったとしても、やっぱり顔を合わせて話をしたい時はある。これは人間が社会的動物である以上、決して無くならない行動だと思う。わざわざ深夜に集まると云うインセンティブはSNSによって薄れたとしても、居心地良くダラダラ出来る場は、今後も必要とされる様に思うのである。