ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

鶏の脱走

2007年05月31日 11時19分25秒 | 田舎暮らし

鶏小屋の主、ボス雄鶏とはいつも微妙な緊張関係が続いている。
ある一定の距離をとってお互いにそれ以上は近づかない。
ボス雄鶏は他の鶏を守ろうという使命感に燃えて、山羊や人間をとても警戒している。
けんかをしてもかなわないのにそれでも必死に跳びかかってくる。
その気持ちはわかるけどこちらだって、朝夕餌をやり水を替えているのに跳びかかられてはかなわない。
いつもはそんなことはないのだけど、ちょっと違った服装をして入るとたちまち跳びかかってくる。
こんなときはさすがに頭にくるので思い切りやっつけてやる。
するとさすがの雄鶏も逃げ回り、他の鶏も大きな声で鳴きだして鶏小屋中がすっかりパニックになる。
こうして時々雄鶏いじめをするとしばらくの間は平穏な緊張関係が続く。
このボス雄鶏の仲間を守ろうという健気な気持ちはよくわかるだけに、迷惑ではあるけどいつまでも飼っていくつもりだ。
なんせ鶏小屋の主なのだから。

というわけで昨日、虫の居所が悪かったのか突然突っかかって来たので思い切りやっつけた。
するとまたも鶏小屋中がパニックになり、少し開いてた戸からボス雄鶏と雌鳥2羽が逃げ出した。
一羽はすぐに捕まえたけど、ボス雄鶏は裏山に雌鳥1羽は反対の裏山に逃げ出していった。
こうなるともう捕まえることは出来ない。追いかけるとますます山奥に入っていくばかりだ。
ここは知らんふりするに限る。
「もうあんたたちなんか知らんからね。帰ってこなくてもいいよ。」といってさっさと鶏小屋の戸を閉めて、他の仕事を始めた。
姿は見えないけど森の奥からそれらしい気配が聞こえる。
鶏もちょっぴり心配になったらしい。
でもここで、探しに行ってはいけない。
「よその子のことなんか知らんからね」
すると、これはやばいぞと思ったのか、ボス雄鶏がまもなく姿をあらわした。
そこでそっと戸を開けて、一方から追い込む。
するとすんなり入ってくれるはずが、なかなかうまくいかない。
それどころか、小屋の山羊が外に出ようとする。
「こらぁ!」とむりやり山羊を押し込めると今度は他の鶏が外に出ようとする、あわてて戸を閉めると、せっかく入ろうとしてたボス雄鶏が逃げ出す。というわけで何度も小屋の周りをぐるぐる回った後、どうにかボス雄鶏を小屋に押し込めた。

さあ残るは一羽。もう姿も見えないし気配もしない、もうどうでもいいやと思うけどあいにくこの雌鳥はまだ若くて現役の鶏。3年経った雌鳥ならそのままほったらかしにしてもいいと思ったけど、まだまだタマゴを産んでもらわないといけない。
気になりながらも、知らんふりをして1時間が過ぎた。日は大分落ちてきた。まもなく暮れるだろう。
そのとき裏山から鳴き声が聞こえて、鶏が姿を現した。
でもすぐには近づいてこない。どうも素直な性格ではないようだ、それとも恥ずかしがりやなのだろうか。
なおも知らんふりをしているとようやく小屋に近づいてきた。
そこで戸をそっと開けて反対側から追い込んでやっと中に入れることが出来た。
勝った!と思ったけど、ぜんぜん充実感はない。疲労とともに日暮れを迎えた。
コメント
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