先月からふと「陰陽師」夢枕獏・作を読んでいる。
なんか評判らしいので・・・
そしてもう16冊目。
なんせ短いかい会話、短い文章ごとに段落を変えているのですいすい読める。
これって枚数稼ぎじゃない?
漫画の台本にもなってるらしいからかな・・・
これが新人の作家だったら、出版社に嫌な顔をされて、
「却下!書き直し!!」
なんて言われるところだろう。
でもそこはそれ、(きっと)売れっ子作家なので出版社も何にも言えないのだろう。
でもおかげですいすい読める。
読む前は陰陽師・安倍晴明と蘆屋道満の戦いを書いた歴史小説かなと思っていたけど、そんなではなくて、晴明を中心に時々道満も登場するオリジナル短編集だった。
平安時代はなにやら魑魅魍魎が徘徊する怪しげな時代で、当時の人は本当に鬼の存在を信じていたらしい。
源氏物語や枕草子、蜻蛉日記、更級日記などを通してみる雅やかな平安貴族の暮らしではなく、今昔物語りを通して垣間見る庶民の貧しい、おどろおどろした暮らし、それが平安時代の世界なのだろう。
そこは怨霊、呪詛、鬼、そして陰陽師の世界。
今の感覚だと盗賊・強盗が蔓延るものすごく治安が悪い世界だと思えけど、
当時の人はこれを鬼のせいにしたのだろう。
でもまあそれはそれ、もう充分に楽しんだので次はもっと他の世界の旅をしよう。