3時半に仕事をあがり、
もんのすごい雨風の中、娘と「コーラスライン」を観に行く。
浜松町の駅から劇場に着くまでに、
娘の傘も、私の傘も、壊れてしまったし、
あちこちに壊れた傘が落ちているのを見た。
本当に凄い。
ネーチャンとは、春の隣のカフェで待ち合わせ。
(メニューが変わったと思っていたら、
どうやら経営が変わったらしい)
1年2ヶ月ぶりに観る大ちゃん。
ダンスうまいし、やっぱりかわい~。
大ちゃんのマイクも初めて観る。
彼は、ラインに並んでいる時、
他の受験者が語っている最中の表情が、
芝居なのかどうか、わからないが、ものすごく素っぽいのだ。
時には興味なさそうな、
時には眠そうな、
それがかえってリアル。
望月さんのポール、あまりそれっぽくない。
もうちょっと、弱々しいうしろめたさが欲しい。
田邊さんの方が、それっぽかったと思う。
一番、ポールだったのは市村さんだけど。
「コーラスライン」には、個人的な思い入れがある。
21年半前、人生を賭けた審査の結果が出た日。
志していた喜劇の舞台に立つことを、
断念しなければならなくなった、まさにその日に、
私は「コーラスライン」を観たのだ。
同行者は、女優の鷲尾真知子さんだった。
「今日、踊れなくなったらどうする?」
というザックの台詞が響いた。
「今日、舞台に立てなくなった」と思っていたから。
もちろん、それは若さゆえの思い込みで、
舞台に立とうと思えば、いくらでも道はあったのだけれど、
その時の私には、たった1本の道しか見えていなかったのね。
オールor ナッシングだった。
しかも、審査に落ちた理由が納得しきれないものだったから、
(『去年、似たタイプを採っちゃったから』という理由で)
よけい、ただ1本の道に執着してしまった。
鷲尾さんは、
「今のKEN(♀)ちゃんには、
よけい身につまされるミュージカルだったわね」
と、おっしゃった。
鷲尾さんと別れた後、私は恋人の家へ行き、
結果を伝え、頭痛がして、吐くまで泣き続けた。
その時の恋人が、今の夫ですが。
今でも「コーラスライン」を観ると、
あの日のつらかった気持ちがよみがえるし、
若かった自分のバカさ加減に、気持ちが萎える。
でも今、隣の席で娘が一緒に観ているのだな。
この娘を得るために、私は舞台を断念した。
この娘に舞台への道筋を示すために、
私の人生はあったのかもしれない。
最近、本気でそう思う。
私には、努力を継続させる才能がなかったのだ。
閑話休題。
さて、大ちゃんだ。
役者さんはカーテンコールの時に、
高めの位置を見る方が比較的多いが、
大ちゃんは、舞台に近い席を見る癖がある。
たぶん彼の中の、手放しきれない何か、
素っぽく見せてしまう何か、羞恥心に似た何かが、
その癖につながっているような気がするの。
その妙な殻のようなもの、
大ちゃんの場合、それは一生破らない方がいいと思う。
(興奮しているので長文です)
それで、それで、
軽く20回は目が合ったな!
↑
バカです。
最後には、私の目を見たまま手を振ってくれた。
↑
こう思っている人、きっと大勢いたことでしょう。
嬉しかった。
るらるらな気分だった。
幸福だなぁ。
あの日、舞台に立てなくなったことが決まっても、
他に仕事を探して、しあわせに生きてるよ。
股関節がダメになった今でも、
自分さえやろうと思えば、
舞台に立つチャンスは、まだまだありそうよ。
(芝居をするチャンスは、どうかわからないけど)
まんざらでもない。
人生は素敵。
人生は素敵。
人生は最高。
蛇足。
「ワン」の時の手拍子、
客席の、かなり多くの人が頭打ちで手拍子している。
あれは裏打ちでしょう!
とても気持ち悪い。
若いお客さんが多いのに、なぜ宴会の手拍子になるのか。
気持ち悪いよ~。
ネットに接続できなくなりました。原因不明です。何か緊急連絡事項があったら、携帯に知らせてやってください。お願い致します。あー、せっかく今日は「コーラスライン」観て来たのにぃ!