4/28 その道に入るとなんの仕事もたいへんなんだ
と、母がよく言った。
私が十年やってみようと決心したのはいくつの時だったろう?
勘さまが行司を選んでその道に入ったのはまだ十代。
昨日、この事実を知って、なんか自分の生き方に反省の気分なのだ。
十代のころはやりたい夢はたくさんあったけど
まだ何もわからず、ただ流されていた。
好きなこと、好きなものはたくさんあったはずだけど
どうして自分がそれを好きなのか、追求したことなんか
なかった。
フランスに行ってから、洗濯とか食事を作るという
日常生活の足り前のことを初めて自分でやった。
親から離れるって大変なんだと言ったら、
これを読んでいる人もひどい甘ったれと思うだろう。
引くかもしれない。
アルバイト禁の父の方針で、私が初めてのアルバイトをしたのは
さらに何年もあとなのだ。
お金って父から出てくるもんだと思っていた。
父は私のことを金食い虫って呼んでいて、それに対して
申し訳ないないとも感じたことはなかった。
今、甥や姪たちがいるけど、
一緒に楽しむことはするけど、親の立場で接触したことはない。
子供ってちょっと距離を置いて楽しむもんと思っていた。
ほとんどペット的存在。
自分の子供いなくてよかったって正直思っている。
子供たちが私のことどう思っているかまったく気にならない。
これが親でないからだと思う。
振り返るとこういう私はどこか母に似ているのだ。
でもあの人は自分のことをこんな娘と似ているなんて
思ってないと思う。