1/23 博幸という夏子の恋人 第15 話 博としゃべって
警察は今のところ博幸は単なる参考人だからその日のうちに
解放した。
10時ごろ私は部屋にいて、記憶の日誌を書いていた。
スマホに電話があった。
なんと博だった。
私が恐る恐る電話に出ると
今日警察に呼ばれた。
浩司が夏っちゃんのこと危害を加えようとしたって聞いた。
そうなのって答えた。
そう言ってから幾つかの攻撃の話をした。
博はじっと聞いていた。
浩司はどこにいるの?
警察病院にいたけど、見舞いに行ったときに
私に跳びかかって来て、今は留置所のはず。
私、なんで今更あの人が私を攻撃するのかわからないと言った。
そうだねと博が言った。
博が考えているのか沈黙したので、
博、結婚おめでとうって思いきって言った。
え、と言ってから伝わっているんだと言った。
それからクックと懐かしい笑い方が聞こえた。
結婚なんかしてないよ。
うちにいた女の子さ。 よかった?
私は涙が出てくるのを感じた。
うんと私は言った。
勝手ばかりしてごめんね。
と博が言ったので私はびっくりした。
びっくりした? と博。
私はうんと言った。
今は気分的に解放されてと博が言ったので
かいほう?って聞いた。
ちょっとの沈黙の後、僕は浩司が好きだった。
浩司も僕が好きで恋人関係だったけど
僕はバイセクシュアルだからね、夏子のことも好きなんだ。
浩司は別れろって何度も言ったから、君を家に返したけど
浩司は僕の心にいる夏子が我慢できなくて
君の存在を消そうとしたみたい。
ニュースでは君の名前は出なかったからね。
事件に君が巻き込まれているなんて知らなかった。
ね、聞くけど警察に君の名前を出してもいい?
そうすれば警察にもっと話せる。
例のことは言わないよ とそっと言った。
私はうんと言った。
1/23 博幸という夏子の恋人 第16話 浩司は懲役刑に
博幸が自ら警察に行ったのか、警察が再度博幸を連れて行ったのか私は知らない。
でも博幸の話したことを兄は聞いていた。
兄はしばらく私に話しかけて来なかった。
でも数日後の夜私の部屋に来た。
それからちょっと話があると言った。
兄は私の机の横に椅子を持ってきて座ると
お前、博幸さんのこと好きかと聞いた。
その意外な質問に私はもっていたボールペンを落としてしまった。
私は兄を見てどうしてとまず言ってから
うんと言った。
お前、あの男と同棲していたんだ。
警察での聴取を聞いた。
あの容疑者も一緒に暮らしていた。
私はうなずいた。
僕はね、人間は自由に生きて、自由に愛していいと思っている。
あの男、自分でバイセクシュアルって言ったよ。
でも容疑者はあの男がお前を好きなことを許しがたかった。
兄は博が話したこと内容を取り上げては自分の視点で意見を言った。
兄が一応話し終わったのは12時近くだった。
これから裁判になるけど、お前も証人になると思うと言った。
兄はもっと何か話したいようだったけどその晩は私になにも質問しなかった。
浩司の裁判が始まった。
それは思ったより早く始まった。
病院での経験から私は兄の配慮で、私は別室でカメラの前で証言することになった。
しかし、裁判で私の声を聞いた途端、浩司は暴れだした。
浩司には手錠も腰ひももあったからすぐ取り押さえられた。
法廷は休廷になった。
私は別室で泣くこともできない状態だった。
兄が水を持ってきてくれ、
入ってきた裁判官が裁判を続けられますか?と聞いた。
裁判のことは思いだしたくない。
浩司は3回にわたる私への殺人未遂行為で
懲役22年の実刑となった。
思い出すと博も証人で出廷したそう。
私は裁判所には怖すぎて行けなかった。
でも兄が話してくれた。
博は自分がバイセクシュアルなことを裁判で言ったとか。
浩司との肉体関係も話したとか。
彼も別室から証言したそうだ。
浩司は博の声、話を聞きながら涙したとか。
私はそんなに博のこと好きだったんだと思った。
だから私が博に近づくとあんなに乱暴になったんだ。
兄の話を聞きながら
博のひざにいたとき、浩司に引きづり降ろされ、首輪されリードでソファの足につながれ
ソファに座れないようにされたことを思いだした。
兄が浩司になにされたの? って話を聞いていない私に問いかけた。
私はしゃべりそうになって、ブレーキをかけた。
私は兄に話したくないと答えた。
家では家族が私をそっとしておいてくれた。
ハエみたいな記者たちから距離を置くために
どこか安全な別なことに行く案もだされたけど
家族は一緒が一番安全と言う母の意見でそのまま暮らした。
裁判も終り、時は流れた。
うちに前の記者たちも日を追うにしたがって減少し、やがていなくなった。
私が外出できないことや、運動不足を防ぐために
父や兄が買ってきてくれたルームウォーカーとランニングマシーンで運動した。
彼らの行為を無駄にしないために、この事件で体が老化しないように
真面目に機械の上で走った。
帰宅してから、1週間ほど床についた。
疲れがどっと出て、何よりも眠りたかった。
後から聞いてそれが一週間くらい経っていたのを知った。
何気なく起きようとして私は歩けなくなっているのを知った。
私は立てなくて床を転がったのだ。
筋肉ってこんなに早くなえるの?
その件で私は体を使わない恐ろしさを思い知った。
私はまだ30ちょっとすぎたばかりだ。
老人ではない。
家の中で家事を真面目に手伝い、機械の上を走った。
思い出すに機械とは言え、初めは走るなんて不可能だった。
それから父が歩く機械を買ってくれた。
浩司が刑務所に入って私はものすごく安心した。
でも一人で散歩なんてとても、とてもできなかった。
そこへ博が電話してきた。
博は僕の思いって変わっていない、もう一度2人だけで付き合いたい。
2人だけでが気になった。
もう浩司はいないの意味なんだ。
私は返事ができなかった。
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