時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

「安倍礼賛者」にされた左派(⁉)リベラルは共闘が苦手(?)

2019-07-09 22:54:54 | アベノミクス批判
教養のある人間が政府の言い分を支持した時、民衆がそれを否定するのは非常に困難である
(ノーム・チョムスキー)



2015年6月10日、当サイトは
立命館大学の松尾匡教授のインタビュー記事について


①正社員の雇用者数が減少する一方で、非正規の雇用者数が増加している
②共産党は何も高齢者の支持を狙ってアベノミクスに反対しているわけではない
③金融緩和は雇用を言うほど増やさなかった

以上の3点の批判を行った。

これに対して松尾氏は自身のサイトで


①私が専門用語を誤用している
②だからこの記事を信用するな

というレスポンスを返してきた。




私が述べた3点の主張を反証せず、
一点のミスを根拠に全否定するという論法は

写真の誤用を理由に
南京事件を否定する歴史修正主義者のそれと通じるものがある。


雑考1(雇用の量)



その後、彼のコメントを読んだ人間が殺到、
いわゆる炎上状態になった。これは意図的に狙ったものだと私は思う。


少なくとも松尾の信奉者がどういう人間性を持っているかははっきりした気がする。

(なお、松尾はコメントが書けるサイトでは自分で直接、噛みついている)



雑考2(労働の質


すぐに反論することも出来たが
基本的に、炎上をしかける人間は対話が出来ないので
その場では、用語の理解不足を認め、一旦、謝罪、その数日後、反証記事をアップロードした。





海外メディア、アベノミクスの破綻を報じる


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「マスコミなどでは、「景気回復の実感はない」
と決まり文句のように言っていますけど、

そんなふうにおっしゃる人はたいてい、
もともと安定して、比較的まともな賃金の職の人なんですよね。

過去20年の「改革」不況で最も苦しんできた層の人たちの間では、
明らかに事態が動いています。
 

実感はない派の人たちは景気回復がコケて
安倍さんに失脚してほしいあまり、現実から
目をそむけているのかもしれませんが、

今後、景気回復を否定するようなことを言えば言うほど、
私たちが最も依拠すべきこうした層の人たちを、
かえって安倍さんの側に追いやる結果になるでしょう。」
 (http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__140503.html)


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松尾を語る上で見逃せないのは
彼がアベノミクスの熱烈な信者であったことだ。

彼の主張を簡潔にまとめると

①アベノミクスのおかげで正規雇用が増えた
②仮に非正規だとしても失業よりはマシだ
③景気の回復を実感する
④量的緩和を否定することは低所得者の反発を生む

の4点になる。


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そもそも、雇用が増えているのが非正社員だったとしても、
今まで職がなかった人が職にありついたならば、
「ありがたい、この職をまた逃したくない」という
気持ちが真っ先にくるのは当然ですから、

言葉の使い方を慎重にしないと、
「非正規が増えているのはいけません」的な
言い方だけしていたのでは
こうした層の人たちから反発を買う恐れがあります。


気がついたら、こうした層の人々がこぞって
自民党の支持者になって日の丸を振っていることになりかねません。

それに、「総雇用者所得」で見ると増えているとする
安倍さんの言い訳もあながち無視はできません。

消費需要につながるのは、
一人当たり賃金ではなくて、総雇用者所得だからです。

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__141215.html

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最悪の状況を引き出してそれよりもマシと語る論法は

悪夢のようだった民主党政権よりはマシだと語る

安倍晋三のそれと同じものである。



松尾本人は規制緩和には反対と話すが、

規制緩和の結果、非正規労働者が増え、
低所得者が増えて生活水準が低下することが問題なのであり、

端的に言えば矛盾している。





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「アベノミクス」は日本を損なう

~中略~

「アベノミクス」は何も新しいものではなく、金融緩和とその関連政策の総称に過ぎない。

経済の遅れた国では、紙幣の無闇な発行は、
壊滅的な悪性のインフレを引き起こす可能性が高い。


経済の発達した国では、政府が紙幣を増刷しても
財産を作り出したことにはならなず、
資源の間違った配置をもたらし、内部の危機を引き起こす。


日本は貨幣の潤沢な先進国であり、貨幣増刷によって引き起こされる
物価上昇の効果は明らかでなく、やはり厳しい問題が生まれている。

「アベノミクス」は物価の下落を恐れ、消費を奨励しており、
 民間の貯蓄は減り、政府の負債率は世界一に達している。


インフレで利益を得ているのは大企業である。

大企業は市場に障壁を形成し、小さい企業のチャンスを減らしている。

日本企業には年功序列の習慣があり、年齢の高い社員が高い地位を占め、
若い社員はなかなか昇進できず、会社の人材コストは高い。

これは労働法の保護によるものであると同時に、
インフレ政策の擁護とも関係がある。

日本人は極度に勤勉な労働なしには、
生活水準の低下を防ぐことができないのである。


だが日本の物価上昇は明らかでなく、
政府のデフレへの恐れを呼び、量的緩和の推進を促している。

生活水準がなかなか上がらないのもインフレによる悪影響である。


政府による刺激を過度に信じ、紙幣増刷によって
成長を促進できると考えたことは、日本の過去20年の最大の間違いだった。

市場化改革が大々的に進められた小泉時代にあっても、この考えは転換されなかった。

2001年に小泉純一郎が首相に就任すると、民営化と自由化の改革が始められ、
中でも難題となっていた郵政改革の実現が旗印とされた。

この改革において、
小泉首相は自らの政治生命を賭けることも厭わず、郵政系統の民営化を推進した。


通貨政策の分野では、
小泉首相とそのブレインは掛け値なしの「インフレ派」であり、
日銀に通貨政策の緩和を繰り返し求め、「デフレ」と対決しようとした。


でたらめな通貨政策は小泉改革の寿命を縮め、
いくつかの民営化改革を行ったほかは、日本に持続的な活力を与えることはできなかった。


~中略~

経済発展に対するインフレのマイナス影響は、
短期的に大きく現れるものがあるだけでなく、長期的にゆっくりと出てくるものもある。

その道理は多くの経済学者の古くからの関心となってきた。
ハイエクはかつて、インフレは、政府が紙幣を増刷し過ぎた時だけに起こるもので、
それ以外にはあり得ないと指摘している。

インフレの危害は、オーストリア学派の経済学者によって
とうの昔に研究されていたのである。

それにもかかわらず今日の日本政府が(そのほかの多くの国の政府も)
デフレへの対決姿勢を崩さず、インフレを頑強に追求しているのには、ため息を禁じ得ない。

http://j.people.com.cn/n/2015/0915/c94476-8950183-2.html
(中国のニュースサイト『人民網』から引用)

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2015年9月の時点で、他国から見れば
経済政策の失敗は明確なものだったことが伺える。


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日本政府がよりどころとする「アベノミクス」が登場してから3年以上が経ったが、
徐々に効果が薄れているだけでなく、企業界から上がる不評の声はますます大きくなり、
世論の肯定感は低下こそすれ上昇することはない。


復興の不振ぶりをみても、
たびたび先送りされるインフレ目標の達成時期をみても、
政策上の矛盾に満ちたアベノミクスが日本経済の「病状」に対して
ほとんど治療効果をもたないだけでなく、効果が予想と
大きく隔たっていることがありありとうかがえる。新華社が伝えた。



▽矛盾1:企業の分化とアンバランスが加速


アベノミクスの核心の1つは、金融緩和政策によって円高を引き起こし、
ひいては輸出を促進し株式市場を振興させ、最終的には企業業績を改善し、
経済全体を引き上げて成長させるという目的を達成することにある。


だが現実はそうはいかず、
こうした考え方は理想に過ぎ、幻想だとさえ言える。

年初以来の円高の加速、東京証券取引所の暴落といった
「思いがけない出来事」の衝撃は言うまでもない。


2012年から15年の期間でみたとしても、
アベノミクスの恩恵は日本の多くの企業には行き渡っておらず、
かえって中小企業に大きな苦しみを与えている。

円安や株価上昇で大きな恩恵を受けた大手輸出企業に比べ、
日本経済の根幹を支える中小企業は円安により
輸入する原材料コストが高騰し、苦しみにあえいでいる。



日本の帝国データバンクがまとめたデータによれば、
昨年12月末現在、卸売産業の原材料コストが前年同期比52.9%増加し、
衣類・繊維製造業のコストはさらに増加して同71.4%の増加となった。

このような非常に苦しい経営環境の中にあって、
中小企業の倒産件数が産業全体に占める割合が上昇を続けている。

15年は全倒産件数8517件のうち、
円安による倒産が352件に上り、2年続けて増加したという。


16年3月に日本の企業界がアベノミクスに与えた評価は、
ギリギリ合格の60.3点で、前年同期より3.9点低かった。


▽矛盾2:企業の投資の伸びに力無し

アベノミクスでは、金融緩和政策を通じて企業の利益を増加させ、
企業の投資拡大を喚起し、ひいては経済の好循環を実現するという構想を描く。


だが構想は現実によって
「砂上の楼閣」に過ぎないことが証明された。


13年にアベノミクスが登場すると、
日本銀行(中央銀行)は市場から驚きの声をもって
迎えられた金融政策とマネタリーベース拡大措置を次々に打ち出した。

これを土台として、今年はマイナス金利政策をうち出し、
預金金利をマイナス0.1%に引き下げた。

こうした措置を打ち出した主な狙いは、
企業向けに良好な金融政策環境を創出し、貸出の規模を拡大し、
生産設備や向上などの固定資産への投資を増やし、
企業の経営範囲を一層拡大し、より多くの利益を達成することにあった。


だが実際には、15年第4四半期(10-12月)に
日本の大手企業の投資は限りなくゼロ成長に近づいた。

それだけでなく、同期の大企業の短期貸出は同2.5%減少し、
長期貸出はわずか同3.6%増加にとどまった。

これと対照的に、同期の大手企業の手元にある現金は
同3.7%増加し、有価証券も同4%増加した。


次のようなデータもある。
10年前に比べ、15年度(15年4月~16年3月)に
日本の大手企業の手元の現金は前年度比32.4%増加したが、
固定資産投資額は同16.3%増加で、
アベノミクス実施前の12年度に比べて4.3%の増加にとどまった。

これはつまり、日本の大手企業の利益は
アベノミクスという護送船団に守られて増加したが、
企業は現金を使いたがらず、投資にうかつに手を出さなくなった、
ということを意味する。



▽矛盾3:経済復興の実感が低下

日本の街頭で取材したところ、
中産階級の女性が日本経済に対する悲観的な見方を語ってくれた。

その女性によると、日本社会は少子高齢化がますます深刻になり、
年金を納める人が減り、将来、年金がもらえるかどうかわからなくなっている。

退職後の老後の暮らしが心配で、
できるだけ貯金してお金を使わないようにしているという。


ニッセイ基礎研究所社会研究部の土堤内昭雄主任研究員は、
「現在の日本社会の構造をみると、アベノミクスは中産階級にとって脅威になる。
こうした状態を炭坑地域にたとえてみると、
前方には常にリスクが横たわり、思いがけない出来事が発生すれば、
あっという間に無一物になるような状態だといえる」と話す。

日本社会の構造的な問題だけではない。

アベノミクスの企業業績の向上をよりどころとして、
賃金を増やし、国内消費を拡大させるという夢は
徐々に泡と消えようとしている。

今年の春季労使交渉(春闘)で、
日本企業はさかんに賃金上昇を口にする日本政府に一撃を食らわせた。

自動車メーカーのトヨタは
基本給を月額1500円(約90元)引き上げることに同意しただけだった。

自動車産業だけでなく、電子メーカーも誠意ある回答を行わず、
パナソニックも基本給の1500円引き上げに同意するにとどまった。

業績不振のシャープなどは定期的な賃金引き上げを行うと決定しただけだった。

共同通信社が3月に行った調査では、回答者の81.4%が
「アベノミクスが経済復興を促進しているという実感がない」と答え、
64.6%が「日本政府が17年4月に消費税率を再び10%に引き上げるのに明確に反対する」とした。


それだけではない。

日本国民はさきにヤフージャパンのニュースサイトが
行った世論調査で、「アベノミクスは有名無実」との評価を下している。

中小企業と中産階級の犠牲を代償として
支払うアベノミクスには数々の破綻がある。
重要なエンジンは期待したような効果を上げず、
マイナス影響ばかりが次々現れる。


今年の金融環境と外部環境の不振の中、
日本の大手企業は業績予想を次々に引き下げ、
日本経済の前途をさらに暗澹とさせている。(編集KS)

「人民網日本語版」2016年5月31日
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大体、2016年の時点で
アベノミクスの総括は完了したと言えよう。



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アベノミクスを否定すると
野党の支持率が減るかのように語る人間もいるが、
現実では、アベノミクスに効果があるのではないかという期待が支持率を支えている。

(特に株高はそれを如実に示したものだろう)


とするならば、「アベノミクスは正しいのだ、効果があるのだ」と喧伝した
一部のメディアや経済学者の言葉こそ、
安倍政権を下から支えてきたとは言えないだろうか?


少なくとも、私からすれば
自分の暮らしを良くしてくれるのであれば、
自民党だろうと民主党だろうと投票するし、

実際、2009年の衆院選で民主党が自民党に大勝したのは、
景気回復への期待が込められていたからだ。


経済政策が正しいのであれば、
好き好んで共産党や社民党に投票する人間がどこにいるだろう?


あれほど露骨な軍拡を目論みながら支持率は4割を下回ろうとしない。

それは、少なくともアベノミクスが効いているという
信仰があるからではないだろうか?

(ほとんどの人間は、これ以上の経済が悪化しないことを望んでいるのである)


松尾教授が今年の6月に開いた講演会のパンフレットには
「「アベノミクス破綻」に最後の希望をつなぐ人を見るたびに、暗澹たる気持ちがいたします。
 2016/7衆参同時選挙、自民単独2/3確保し、改憲に王手をかけるために
 安倍は緻密な計画と信念を持ってやっており、2016/7頃に
 景気が良くなるように着実に手を打っています。
」と予言している。

https://blog.goo.ne.jp/minamihikaru1853/e/cbad3fa50f777b271af360287af35a0f
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2015年6月の時点で松尾は
「安倍は緻密な計画と信念を持ってやっており、2016/7頃に
 景気が良くなるように着実に手を打っています」と主張していた。





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一方、新自由主義政策の“ご本尊”だった自民党は、
第2次安倍政権発足後から「アベノミクス」などという言葉の目くらましを使って
かたちだけの方針転換を演出し、景気刺激を展開した。これが功を奏して民衆の支持を集めた。


しかも、自民党の場合は本来、批判勢力となるはずの“極右”を取り込んでしまっているため、
「右」からの異議申し立てが起きない構造になっている。

さらに、欧米と違って「左」からの批判の声もほとんど聞かれない。



だが、アベノミクスは見かけだけの「反緊縮」だから、化けの皮が剥がれるのも早かった。
政権側は「アベノミクスは道半ば」などと詭弁を弄して失政を取り繕った。


一方、有権者の側もアベノミクスの有効性に疑問を覚えつつも他に有効な選択肢がないから、
ダラダラと支持を続けている。これが、現在の「1強」の正体なのだ。

https://lite-ra.com/2017/01/post-2830.html
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これはニュースサイト『リテラ』の
松尾絶賛記事から引用したものだが、

どういうわけだか松尾が
他の誰よりもアベノミクスの成功を確信していたことには一切、触れていない。




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教養のある人間が政府の言い分を支持した時、
民衆がそれを否定するのは非常に困難である



アベノミクスは正しいのだ、効果があるのだと喧伝した
一部のメディアや経済学者の言葉こそ、
安倍政権を下から支えてきたとは言えないだろうか?


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①アベノミクスを神聖視し
②アベノミクスを批判する市民のサイトに攻撃を仕掛け
③失敗とわかりきや、それまでの行為を忘却する

こういう態度を取る人物が跋扈することは
社会にとって害悪だとしか言いようがない



少なくとも彼と意見が違うと言うだけで
被害を受けた人間としては松尾は弱者の味方には見えない。


自身の過去の言動の反省をせず、
リテラや岩波のようなメディアを抱き込み、
ただひたすらに左派を攻撃する。


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首脳会談の最中において、
北朝鮮は経済、国民の生活に支障をきたす項目に限り
制裁を解除することを引き換えに核物質生産施設の破壊を提案した。


今回、アメリカは北朝鮮の提案をける形で交渉を切ったが、
どのみち、条件に従わざるを得ないだろう。


北朝鮮にとっては、また開発を再開すればいいだけの話であり、
それを行う頃には今よりも国力を上げている。


シリアやベネズエラに対する圧迫的な政策を思えば、
皮肉な話だが、北朝鮮の核開発は結果的には功を奏したと言える。


メディアは相変わらず北朝鮮を悪魔化した報道を流してきたが
その間に北朝鮮は着実に露中米韓と関係を修復させてきた。

他方で去年から北朝鮮は日本を糾弾する主張を
以前より多く行うようになっている。


北朝鮮の孤立化を目指した結果、日本の方が孤立していた
などという事態はありえなくもないし、現に去年は蚊帳の外にされたし、今もそうである。

アメリカに歩調をあわせているつもりで
見当はずれの行動を取る前に、もう少し冷静に状況を分析するべきではないだろうか?


北朝鮮に経済制裁は効くのか

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主流左翼に異見を唱えている点では私も同類だが、
それは左派が北朝鮮を悪魔化し、あたかも理解不能の国家であるかのように
喧伝するのが、結果的に判断を誤り、国益を損なうことにつながっているからである。


上の記事で私は、朝鮮半島の問題で

①北朝鮮に対して経済制裁は通用しないこと、

②主導権が握っているのはアメリカではなく北朝鮮であること、

②アメリカが反発するなら核開発の再開を匂わせれば良いだけのこと、

③どのみち、北朝鮮の望むように対話をせざるを得ないこと、

④そのことに気づかない日本政府や日本メディアは
 アメリカに歩調を合わせているつもりで見当はずれの行動を取る恐れがあること、

を指摘したが、大阪サミットで日本政府が北朝鮮への
けん制を世界に呼びかけた直後に米朝会談が行われたのは
周知の事実である。


この間、日本のメディアは
やれ「交渉が決裂した」、「関係が悪化した」と騒いでいたが
実際には水面下で更なる雪解けに向けてのシナリオが書かれていたのである。


なぜ私の予測が的中して、松尾の主張は外れたのか?




それは私が朝鮮中央通信のような
左派にプロパガンダと評価される資料も軽視せず、
可能な限り拾い上げて結論を導いたのに対して


松尾は「反緊縮で景気は回復する」という結論を導くために
先述した人民網の記事のような
自分にとって都合の悪い意見を無視して話を作り上げたからではないだろうか?


順序が逆転しているのである。

だから、こんな被害者面をすることも出来る(上の画像を参照)。

松尾が批判を受けているのは彼が私のような一市民が書いている
小さなブログにまで目を光らせて意見を修正するよう攻撃していたからである。


その他にも、過去の言動に責任を取らないこと、
そのくせ、メディアを手懐けて自分を正当化すること、

何よりも彼の発言が右翼と大差ないこと、

要するに彼の人間性が信じられなくて
非難されていることが原因であることに気づいてもらいたいものである。



本来なら、こんな小物を相手にあーだこーだ言いたくなかったのだが
お友達の朝日新聞に弁護させる記事を書かせたのを見て心底呆れてしまい、

彼の被害を受けた人間として
私は絶対に忘れないし許さないぞという気持ちを込めて本記事を書いたつもりである。


自分たちの態度が悪い癖に被害者側に責任をなすりつける点も
慰安婦問題における日本政府を思いだして本当に嫌になる。

はっきり言うが、左派が連帯できないのは
左派を自称しながらその実、右派と大差ない意見を述べる連中が
攻撃を執拗に仕掛けてくるからである。

この男がアベノミクスを礼賛する一方で
批判派を執拗に攻撃していた事実は変わらない。

安倍を礼賛していると誤解されていると主張しているが、
少なくとも私はそんな解釈をしたことはない。

私は、アベノミクスを支持するために
自分と意を異にする人間を攻撃し、しかもそれを無かったことにする
一連の行為はネトウヨ以上に性質が悪いと怒っているのである。


本当に彼が連帯を目指したいなら
まず、自分の過去の言動に対する猛省から始めるべきだろう。

北朝鮮に経済制裁は効くのか

2019-03-05 00:12:03 | 北朝鮮
先日、ベトナムにて開かれた米朝首脳会談について
マスメディアは交渉が「決裂した」と報じている。

この点についての反論は後日述べるとして、
今回は北朝鮮が対話路線に変更したのは経済制裁が効いたからだという説を
論ばくしようと思う。


①北朝鮮は何を主張していたのか

まず、
北朝鮮は一貫して
米韓合同軍事演習の中止と引き換えの核実験停止
を主張してきた

ということを確認したい。


日米韓の北朝鮮ミサイル実験に対する茶番

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米国と韓国が軍事演習を停止すれば北朝鮮は核実験を停止する。
北朝鮮外相イ・スヨン氏が述べた。AP通信が土曜報じた。


「朝鮮半島での核軍事演習を停止してほしい。
 そうすれば私たちも核実験を停止する」という。

国には抑止手段としての核兵器を持つ権利があり、それが制裁に左右されることはない、
と大臣は強調。核兵器の開発は米国に促されたことだ、と改めて述べた。

これは西側メディアが北朝鮮の閣僚に行った最初のインタビューであるという。


http://jp.sputniknews.com/world/20160424/2017820.html


何のことはない。米韓合同軍事演習を中止してくれれば、
核実験を停止すると北朝鮮のほうから提案されていたのである。一週間も前から。

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この記事で私は
「北朝鮮の条件自体は10年以上前から何度も提示されているものだ。
 その都度、韓国とアメリカは北朝鮮の無条件の非核化を要求し、拒絶している。


 要するに、非核化に向けての協議は今すぐ始められるのに、
 それを毎回、「信用ならない」と言って、話すら聞こうとせず、
 軍事威嚇と経済制裁を続けているのはどこの国だということだ。」

と述べている。


なお、米韓合同軍事演習については
私が過去に書いた以下の記事を紹介したい。

米韓合同軍事演習とは何か1

北朝鮮はなぜ核を持とうとするのか



②2018年~2019年初頭に何が起きたのか?


以上の予備知識を得た上で、去年からの動向を追ってみよう。
ParsTodayの記事を列挙する。

朝鮮半島で米韓合同軍事演習

アメリカが北朝鮮に譲歩

アメリカが、韓国との合同軍事演習を当面中止

米韓合同軍事演習「フリーダム・ガーディアン」が中止


簡潔に述べれば

①北朝鮮からの苦言に応える形で

②米韓合同軍事演習が停止され

③同時に北朝鮮も核開発を中断している


のだが、これが北朝鮮の要求をほぼ丸呑みしたものとなっている
ことは、これまでに紹介した記事をもとに読めば明白だろう。


ここで考えてほしいのが

経済制裁が真に有効ならば
なぜアメリカ側の要求である核の完全撤廃がなされず、
代わりに北朝鮮の条件に従う形で軍事演習が停止されるのだろう


という問いである。


加えて、今回の対談直後に以下のニュースが流れたことも見逃せない。


米韓、大規模合同軍事演習を中止の意向

仮に米韓の関係が悪化したのであれば、北朝鮮の長年の悲願である
「キー・リゾルブ」、「フォール・イーグル」合同軍事演習の中止を
なぜ敢行しようとするのかについて解が得られない。


ましてや経済制裁が効いているのであれば、
わざわざ軍事的な威圧を解除する意味もない。


北朝鮮の筋書き通りに動く必要は全くない。



③今後の動きについて

本記事では、要するにアメリカが北朝鮮の要求を
ほぼ受け入れる形で交渉を行って「いる」こと

それこそが経済制裁が効かない何よりの証左だと主張してきた。


ちなみに、制裁下で北朝鮮がどのように経済を発展させてきたかについては
以下の過去記事が参考になるはずだ。


北朝鮮問題で池上彰氏が伝えないこと



結局のところ、アメリカが譲歩しない限り、北朝鮮の核が撤廃されることはない。

逆に軍事演習を停止し、平和条約を結び、
かつ北朝鮮をアメリカと同格の相手だとみなして交渉を続ければ
簡単に問題は解決される。


以上のことを私は2018年以前から何度も主張してきたつもりだが、
実際にそのように事態が動いているので、若干、後悔もしている。

つまり、もっと出版社やジャーナリストに売り込めば
2018年以降の雪解けを的中させた人物として本の一冊でも書けた

・・・はずがない。この1年のメディアの不変ぶりを観察する限りにおいては。

首脳会談の最中において、
北朝鮮は経済、国民の生活に支障をきたす項目に限り
制裁を解除することを引き換えに核物質生産施設の破壊を提案した。



北朝鮮、核・ミサイル実験中止に関する合意に署名する用意がある


今回、アメリカは北朝鮮の提案をける形で交渉を切ったが、
どのみち、条件に従わざるを得ないだろう。


北朝鮮にとっては、また開発を再開すればいいだけの話であり、
それを行う頃には今よりも国力を上げている。


シリアやベネズエラに対する圧迫的な政策を思えば、
皮肉な話だが、北朝鮮の核開発は結果的には功を奏したと言える。


メディアは相変わらず北朝鮮を悪魔化した報道を流してきたが
その間に北朝鮮は着実に露中米韓と関係を修復させてきた。

他方で去年から北朝鮮は日本を糾弾する主張を
以前より多く行うようになっている。


北朝鮮の孤立化を目指した結果、日本の方が孤立していた
などという事態はありえなくもないし、現に去年は蚊帳の外にされたし、今もそうである。

アメリカに歩調をあわせているつもりで
見当はずれの行動を取る前に、もう少し冷静に状況を分析するべきではないだろうか?


池上彰氏のぶっとび解説に仰天

2019-02-23 23:09:57 | マスコミ批判

前々から筆者は、池上彰氏のニュース解説番組は

①肝心な事実を伏せて大雑把に説明をするため、

②中立を謳いながら、結果的には政府にとって
 まこと都合の良い理解のされかたを誘導しており

③この番組のメインの視聴者であるだろう
 時事問題に関心のある親子から判断力を奪っている


ということを断続的に指摘してきたと思う。


今日(2月23日土曜)の番組では
統計不正問題が起きた原因は「統計に携わる職員数が激減したから」だという
ぶっとび解説がされていて、池上もとうとうここまで来たかと仰天してしまった。


統計不正で新たに「官邸関係者」明記の圧力メールが発覚!

「いったん戻れ」の理由はこれだったのか


(https://lite-ra.com/2019/02/post-4563.html)

おそらく、同番組は録画のものだと思われるが政府の関与が明白になった今、これを視聴すると
本当に、つくづく、骨の髄まで政権べったりのトークをするものだと驚き呆れてしまう。



これに限らず、番組では月100時間未満の残業を認めた
(過労死と認定されるラインは80~100時間が一般的)働き方改革を

「時間外労働に規制をかけた」法案として紹介していたし、


派遣業規制緩和についても
人件費を削減するためといった大雑把な解説がされており、

当時緩和を誘導していた竹中平蔵氏が
その後、人材派遣企業の会長に就任したのが典型的な例だが、

この改革が一部の人間や企業が利益を貪るために
成り立たせたものだという肝心な点については触れようともしていなかった。


このような政府(歴代政権)の責任を問わない時事解説は
結果的には「自民党にまかせれば安心」という神話を信じさせる
遠因になってはいないだろうか
・・・と私には思えてならない。


池上氏は働き方改革が可決される直前にも
裁量労働制を取り上げ、一部、すでに実施済みの企業を取材し、
前よりも自由に帰宅できるようになったというレポートを流していた

捏造の次はデータ隠し!
厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という“不都合なデータ”を隠蔽


(https://lite-ra.com/2018/02/post-3819_2.html)

これに関しても、後々、
実は裁量労働制のデータも恣意的に作られたものであり、
実際には逆に社員の負担が増していたことが発覚した。


要するに、池上氏の言い分の逆が正解になっている。

普通、ジャーナリストというものは
政府の言い分が正しいか否かをチェックして、
間違っていた場合はそれを正すものだが、どうも氏の場合、

政府の言い分を追認するような映像を流すのが
ジャーナリズムのあるべき姿だと勘違いしているらしい。

正直、半年以上放置していたブログの
久々の記事をこの御仁に関する内容にするのは嫌であったが、

あからさまなヘイト番組よりも
このような良心的であるように虚飾した番組のほうが
はるかに恐ろしいと感じたので、ここであえてその間違いを指摘するに至った。


去年、5月に雪解けが本格的に開始され、
緊張を含みながらも、お互いどこまで譲歩できるかを
朝・米・韓が話し合うようになったが、いまだに日本の北朝鮮報道は
どこまでも爆撃する側からの視点で語られており、正確なものだとは思えない。

そういう視点は、本来、そのような意見に対抗するべき
共産党をはじめとした左翼も共有しており、

そのような視点からシリアやベネズエラ、イエメンの惨状まで語られている。

こうした似非平和主義こそが
結果的に国際情勢を多角的に見る姿勢を放棄させる原因であり、

その独善的な態度は極右論者のそれと大差ない。


・・・ということは常々感じていたのだが、
それを指摘することから半年以上、放棄していた。

理由は多々あるが、まずは
トラックバックを送信する機能をGooブログが外してしまったこと、
次にスマホに対応したレイアウトを作成するのが困難であること、
最後に個人的に仕事で多忙だったということが挙げられる。

池上氏のように仕事=ジャーナリストだったら
毎日でも記事をアップするのだが、それもままならなかった。


とはいえ、ベネズエラならいざ知らず、
北朝鮮の情勢について、当サイトのような意見を吐くところは
本当に稀有(というか見たことがない。あるいはすでに閉鎖している)なので
多分に読みづらいだろうが、これからも少しずつ記事を更新していこうと思う。


米朝首脳会談中止の背景

2018-05-27 00:55:12 | 北朝鮮
Pars Todayの記事より。


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アメリカ大統領が再び北朝鮮指導者との約束を反故に


北朝鮮が核実験場を閉鎖したにもかかわらず、
アメリカのトランプ大統領は来月に予定されていた北朝鮮との首脳会談を中止しました。

CNNによりますと、トランプ大統領は、24日木曜、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長に宛てた書簡の中で、
6月12日に予定されていた両国の首脳会談を断念するとしました。


また、この書簡の中で、中止の理由は、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長の
最近のメッセージによる「明らかな敵意と大きな怒り」だとしました。

さらに、この書簡で、自国の核能力を北朝鮮に対して誇示しました。


北朝鮮は公約どおり
外国人記者が参加する中で数回の爆発により、
プンゲリの核実験場を破壊しました。


一部の西側メディアは、
誠意ある行動として、この北朝鮮の行動を歓迎しました。

プンゲリの核実験場の破壊は、
南北朝鮮の首脳会談による成果の一つです。



双方は共同宣言により、朝鮮半島地域の核兵器廃絶、
朝鮮戦争の休戦の平和協定への返還、敵対的行動の中止
といった事柄に合意しました。


http://parstoday.com/ja/news/world-i44340
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会談中止の背景として以下の理由が挙げられると

ロシアアジア戦略センター所長ゲオルギー・トロラヤ氏
および吉林大学東北アジア研究院所長、巴殿君氏は語る。


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トランプ米大統領が会談を中止したのは
「熟慮されない突発的な反応」だとしてトロラヤ氏は次のように述べた。



「米国の内政要因が働いた可能性もある。
 譲歩しないようトランプ氏に圧力がかかり、
 そのため彼は金正恩氏が悪意ある発言を行ったと非難した。

 実際には正恩氏からの敵対的な発言は一切ないのだが。



シンガポールでの会談の準備をすすめるはずだった
米国側のメンバーが発表されたあと、
トロラヤ氏は会談実施の可能性を10%だと見積もっていた。


巴氏はまた、トランプ氏のチームが会談中止の一因だと述べた。


「双方は非常に短時間で両者を満足させる合意に
 こぎつけることを期待していたが、これは難しい。

 会談実施のために急いで作られた代表団が
 完全に『タカ派』からなっていた
米政権にとってはとりわけそうだ。


 この代表団は米国に存在する政治の方向性を全く1つにせず、
 会談への関心を示さなかったため、代表団には非常に多くの議論の余地があった。


 さらに、近ごろではトランプ氏が
 金正恩氏との会談中止を検討しているとの情報が漏れていた。

 彼は、北朝鮮による核実験場の施設爆破を待ち、そのあとに決定を発表した。」 



決定発表には「かなり意外な」タイミングが選ばれたとトロラヤ氏は述べる。


これは、北朝鮮が海外からの記者団を引き入れて
豊渓里(プンゲリ)の核実験場を盛大に閉鎖した日だった。


つまり、みなが北朝鮮に
核・ミサイル実験の凍結を呼びかけていた1年前に
楽観主義者が期待できた状態より一歩進んだことが行われたのだ。


しかも北朝鮮は
核実験を単に凍結したのではなく、
実質的に完全な中止を発表した。



つまり事実上、核実験禁止条約に加盟したのだ。
なお、米国は今に至るまでこの条約に加盟しておらず、するつもりもない。



同日、韓国の文在寅大統領は米国に訪問中だった。
トランプ氏の発表は「同盟国への平手打ち」であり、
米国は韓国の国益を考慮していないことを示した。

なぜなら、文大統領こそが
多くの点でこの会談の開催を促進してきたのだから。


巴氏は一方、双方は予定されていた会談の妨げとなった
障害を乗り越える必要があるとして、その障害について分析した。



「核兵器放棄の問題で
 北朝鮮と米国のアプローチを合わせることは非常に難しい。

 北朝鮮にとって重要なことは、段階的で均衡であることだ。
 米国は一方、北朝鮮に不可逆的で完全な放棄を求めている。

 トランプ氏の正恩氏に対する冒険的な行為が原因で、
 双方の深刻な政治的不信感が最近形成された。


 彼らの相互的な戦略的かつ外交的な動きは政治的不信感から、
 お互いにダメージを与える戦略形成に進化した。

 この政治への不信感は新たな危機の拡大につながりかねない。」

https://jp.sputniknews.com/opinion/201805254917442/
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ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センター
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員も次のように語る。



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北朝鮮が望んでいるのは正真正銘の対話であり、
自らに対する一方的な圧力ではないと、

ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センターの
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員は考えている。


「トランプ大統領は一度ならず、もし何かが自分の気に入らなければ、
 拳でテーブルを叩いて立ち去ると述べてきた。北朝鮮にも同じような権利がある。

 北朝鮮はこれまで、善意のジェスチャーを文字通り次々に示していた。

 その一方で米国側からは、
 制裁がさらに長期間続いていくとの声明が出されている。

 恐らく、北朝鮮指導部の忍耐力にとって最後の打撃となったのは、
 開始された米韓軍事訓練だった。

 ここでは、奇妙なことだが、
 平壌への爆撃の訓練が再び行われている
」。

トランプ大統領との6月の会談が北朝鮮の指導者によって中止されれば、
最近の南北首脳会談で最も顕著に表れることになった、
南北関係の前向きな傾向も最小限に抑えられてしまう可能性がある。


しかし、トランプ大統領は依然として、
金正恩朝鮮労働党委員長と「偉大な取引」を結ぶことを期待している。

だが、これが米国にとって外交的大失敗で終わることにはならないだろうか。


https://jp.sputniknews.com/opinion/201805184892083/
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ここ数日、北朝鮮はアメリカに対して
強い語気で批判を行っていた。



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朝鮮中央通信は16日、
南朝鮮が米国と連合空中戦闘訓練「マックスサンダー」
を行っていることを「板門店宣言に対する露骨な挑戦であり、
良好に発展する朝鮮半島情勢の流れに逆行する意図的な軍事挑発だ」
と非難する報道を発表。

同日に予定されていた北南高位級会談について
「中止する措置を講じざるを得なくなった」と明らかにした。



11日に始まった連合空中戦闘訓練には、
ステルス戦闘機F22ラプターなど、100余機の各種戦闘機が動員され、
25日まで行われる。当初、戦略爆撃機B52も動員される予定であったが、
北南高位級会談中止に関する報道が発表されるや、急きょ取りやめになった。



板門店宣言第2項では
「北と南は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、
戦争の危険を実質的に解消するため共同で努力する」と合意されており、
米国もまた、これを支持した。




通信は、
「南朝鮮当局と米国は、歴史的な4.27宣言のインクが乾く前に
 わが国に反対する大規模の連合空中訓練を行うことで、
 これまでわれわれが示した平和愛好的な全ての努力と善意に無礼、
 非道な挑発で応え、宣言の履行を望む全同胞と国際社会に大きな懸念と失望を与えている」と非難。


「善意を施すにも程があり、機会を与えることにも限界がある」としながら、

「歴史的な板門店宣言は、どちらか一方の努力では履行することができず、
 双方が履行のための有利な条件と環境を、力を合わせてつくっていってこそ、
 はじめて良い結実につながる」と板門店宣言履行のための双方の努力について強調した。



通信は、今回の北南高位級会談の中断と、
北南関係に難関と障害がもたらされたすべての責任は、
無分別に振る舞う南朝鮮当局にあると非難した。また、米国に対しては、

「南朝鮮当局と行っている挑発的な軍事的騒動の局面をもって、
 日程に上がっている朝米首脳対面の運命について熟考すべきだ」と警告。

「われわれは、米国と南朝鮮当局の今後の態度を鋭意注視している」と強調した。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr201804517-1/
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一方的核放棄強要なら、朝米首脳会談考慮/
朝鮮外務省 金桂官第1次官の談話


米の敵視政策と核威嚇の終結が先決条件



朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省の金桂官第1次官は16日、
談話を発表し、ボルトン米ホワイトハウス補佐官らが
来月の朝米首脳会談を前に、朝鮮に対して「先核放棄、後補償」
「リビア式核放棄」を主張していることを批判。


「トランプ政権が一方的な核放棄を強要するなら、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」
と表明した。


談話は、金正恩委員長の崇高な志に応えて、
トランプ大統領が歴史的根源の深い敵対関係を清算し、
朝米関係を改善しようとする立場を表明したことについて肯定的に評価し、
朝米首脳会談が朝鮮半島の情勢緩和を促し、素晴らしい未来を
建設するための大きな歩みになるだろうと期待していたと前置きしながら、
米国において対話相手を甚だしく刺激する妄言が吐かれていることに失望感をあらわにした。



談話は、米国の「リビア式核放棄」
「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」
「核、ミサイル、化学兵器の完全廃棄」などの主張について

「対話を通じて問題を解決するのでなく、
大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアやイラクの運命を
わが国に強要する不遜な企図の現れだ」と非難。


「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
米国が果たして健全な対話と協議を通じて
朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」と指摘した。



談話は、朝鮮が既に朝鮮半島非核化の用意を表明し、
このためには、米国の対朝鮮敵視政策と核の威嚇を終結させることが
先決条件になると何度も宣明したことを想起させながら、

「米国は、われわれが核を放棄すれば経済的補償と恩恵を与えると言うが、
われわれは1度も米国に期待を掛けて経済建設を行ったことがなく、
今後もそのような取引を絶対にしない」と強調した。


談話は、
「トランプ政権が朝米関係改善のために誠意を持って
朝米首脳会談に出てくる場合、われわれの相応の呼応を受けることになるが、
われわれを隅に追いやって一方的な核放棄だけを強要するなら、
われわれはそのような対話に興味を持たないし、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」と表明した。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180517-2/
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先ほど放送されていた『新情報News7Days』では

明治大学の講師が大声で
首脳会談が中止になったのは
北朝鮮が揺さぶりをかけすぎたからだと説明していた。

①平壌攻撃を想定した
 マックスサンダー作戦への非難 

(ステルス戦闘機F22ラプターは
 斬首作戦に最も適した機体との見解もある)

②リビア式の一方的な核放棄に対する非難

「対話を通じて問題を解決するのでなく、
 大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアや
 イラクの運命をわが国に強要する不遜な企図の現れだ」

「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
 米国が果たして健全な対話と協議を通じて
 朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」

これらの発言が「揺さぶり」に該当するのだそうだ。

核施設の爆破についても
海外メディアが注視するなか、大々的に行われたものだったが、
これについても「専門家を呼ぶ約束を破った」と非難、
暗に破壊したのかどうか疑わしいという見解を示した。

(専門家を招く約束が本当にあったかは不明。
 少なくともこの講師以外にそのような取り決めが
 あったとはニュースサイトを調べた限り、見受けられなかった。
 全くの嘘だとは言わないが、出所を示して欲しいとも思う)


客観的にみれば、

北朝鮮は、韓国と協調しつつ対話路線を呼びかけ、
核実験施設を爆破し、軍事的示威行動を行わない方向へ転身したのに対して、

アメリカは、軍事演習を続行し、経済制裁を解く気配もなく、
一方的な核放棄を求め、先制攻撃、爆撃も辞さないという態度。


これに対して非難することが「ゆさぶり」になるらしい。


こうした見解は、おおよそ
北朝鮮のやることは信用ならないという
先入観に基づいたものだと言えるだろう。


すでに日本では、
実験施設の爆破は政治ショーだと評価する専門家も少なくない。

だが、考えてほしい。

仮に北朝鮮が爆破を中止したならば、
それはそれで約束を反故にしたと激怒するのではないだろうか?


アメリカの北朝鮮に対する不実な姿勢に対して
全く非難しないのも奇妙である。


少なくとも番組内に登場した明治大講師は
マックス・サンダー作戦やペンス氏の発言については
一切、取り上げなかったし、番組自体も
なぜかこの箇所をカットして朝鮮中央通信の記事を紹介していた。



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朝鮮中央通信によると、朝鮮の崔善姫外務次官は24日、
米国のペンス副大統領がFOXニュースとのインタビュー(21日)で
朝鮮の核問題で軍事的対応の排除を否定し、「リビアのように終わるだろう」
などと発言し、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を
主張したことを非難する談話を発表した。



崔次官は、ボルトン国家安全保障担当補佐官に続き、
ペンス副大統領までもが朝鮮に対し、
リビアの轍を踏むだろうと力説したことについて、


「われわれは、リビアの轍を踏まないために高い代価を払って自分自身を守り、
 朝鮮半島と地域の平和と安全を守ることのできる強力で頼もしい力を育てた」と指摘。

「この現実をいまだに分からず、
 われわれを悲劇的な末路を歩んだリビアと比べるのは、
 米国の高位政治家が朝鮮をあまりにも知らない」と非難した。


崔次官は
「米国が先に対話を請託したにもかかわらず、
 われわれが要請したかのように世論をミスリードする底意が何なのか、
 果たして米国がここから何を得ようと打算しているのか分からない」としながら、


「われわれは米国に対話を哀願しないし、
 米国がわれわれと対座しないというなら、あえて引き止めない」と強調した。


そして、
「米国がわれわれと会談場で会うのか、
 核対核の対決場で会うのかは全的に米国の決心と行動に懸かっている」としながら、

「米国がわれわれの善意を冒涜し、非道に振る舞う場合、
 朝米首脳会談を再考する問題を最高指導部に提起する」と表明した。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180524-1/
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上の記事から
最後の「われわれは米国に対話を~引き止めない」だけが
抜き出され、その前の北朝鮮への攻撃を示唆するアメリカの発言はカットしていたのである。


つまり、アメリカは北朝鮮の行き過ぎた揺さぶりについて対処したにすぎない
というのが日本メディアの見解だった。


このアメリカ完全無罪論を前提とした解説に私は唖然としてしまった。


軍事演習の継続にリビア式の解決方法の示唆。
これは揺さぶりや挑発というものにならないのだろうか。


アメリカはどれだけ挑発的な発言をしても許され、
北朝鮮は実験施設を爆破しても疑われる。


これが日本のメディアやエキスパートの姿勢なら
確かに日本がこの問題で蚊帳の外にされたのも納得がいく。


現在、森友問題や加計問題で顕著なのが、
証拠や証言が出てきても「これはこういう意味なのだ、あれはそういう意味なのだ」
と都合の良い解釈をして、現実を直視しようとしない政治家の態度だが、

実のところ、これは専門家やジャーナリストを含む
日本の北朝鮮に対する姿勢にも通じるものではないだろうか?


確かに池上彰はウクライナ問題で嘘をついている

2018-05-24 00:16:31 | ロシア・ウクライナ
池上彰さんを脅迫容疑、無職男を逮捕 
「抹殺しなければならない」とメール



合法詐欺師の池上彰氏に殺害予告のメールを
送った男性が逮捕されたようである。


殺害予告という行為自体は噴飯物だが、
池上氏が嘘をついていることは間違いではない。


映像でチラリ(1~2秒くらい?)と見えたのだが
どうもウクライナ情勢についての同氏の説明が不服だったらしい。





https://www.mainichi.jp/feature/maisho/etc/about/pdf/ikegami.pdf

2014年3月27日付の毎日小学生新聞に掲載された
池上氏の記事を見ながら検討してみよう。


この記事の冒頭では

住民がロシアへの帰属を宣言、
これをロシアが承認「してしまった」と説明されているが






記事の最後では
「ロシアが派兵して併合した」と別のことが語られている。



この時点ですでに
同氏の説明が矛盾していることがわかるが、
気になる点を以下、3点挙げてみたい。




①クリミア半島→× クリミア自治共和国→〇


まず気になるのが記事では一貫して
「クリミア半島」と説明されており、


冷戦終結後から存在する
クリミア自治共和国という小国家について一切、触れていないことだ。


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ロシアもこれを支援する構えを見せたが、
当時ロシアはチェチェンの独立を阻止するために 軍事弾圧をしていたのに、
ウクライナからのクリミア独立をそそのかすのでは立場が矛盾すると非難され、
結局この時もクリミア共和国を正式に承認することはせず、
95年3月にウクライナはクリミアへの武力介入を構えを見せつつ、
大統領と独自憲法を廃止させ、クリミアはウクライナの統治下に戻った。


クリミアはウクライナ国内の自治共和国となり、
98年12月にウクライナ政府の承認で新たな憲法が制定された。



ロシアがクリミアに関心を示すのは、
なにも「ロシア人が多いから」ではない。


クリミアには
地中海に睨みを利かせる黒海艦隊の母港が存在するからだ。


ソ連解体で黒海艦隊は
ウクライナ海軍とロシア海軍で分割することになったが、
その具体的な条件についてはなかなかまとまらず、交渉が続いていた。


結局、クリミア半島の海軍基地はロシアが20年間使用できることになり、
基地使用料や艦隊分割にあたってウクライナから艦船を購入する費用は、
ロシア がウクライナへ供給した天然ガスの債務で帳消しとなった。

つまりロシアは現金を払わずに
クリミアの基地と艦隊を手にすることができたわけだが、
クリミア独立にロシアが支援をちらつかせることは、
交渉を有利に進めるためのカードになった。


~中略~

94年の大統領選に敗れたバハロフは、
政界を引退して本業の地理学教授として大学の学長などを務めている。

一方で大統領を失職させられたメシコフは、
その後ロシアへ渡りモスクワで大学教授をしていたが、
2011年にクリミアへ戻り、
独立憲法復活のための住民投票の実施を呼び掛けたところ、
ウクライナ政府から強制退去を命じられている。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/syometsu/crimea.html

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出来れば全文を読んでもらいたいが、

要所だけ抜き出して説明すると
冷戦終結直後から同地域では独立運動が続いており、
14年のウクライナからの離脱もこの流れに沿ったものであった。



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2013年11月、首都キエフで、所謂「マイダン」が始まり、
クリミアは、これに抗議の反応を示した。



セヴァストーポリでは実際すぐに、EUへの統合に反対し、
関税同盟に賛成する「69番書簡」が現れ、町を代表する人々がこれに署名した。
その後、組織されたのが社会運動体「レスプーブリカ(共和国)」である。


2014年2月、キエフで国家クーデターが起こった。
セヴァストーポリとクリミアは、
そうしたできた自称ウクライナ当局の合法性を認めなかった。


セヴァストーポリの中心広場、
ナヒーモフ提督広場では2月23日(ロシアにおける祖国防衛者の日)、
集会が開かれ、自分達の市長としてアレクセイ・チャルィ氏を選出した。

同じく23日の夕方、義勇軍の組織が開始され、
クリミア北部境界線防衛のために、セヴァストーポリの特務部隊「ベルクート」が前面に出た。
彼らは前日「民族主義のウイルス」が蔓延したキエフから戻ったばかりだった。

こうして、まさに「祖国防衛者の日」、クリミアではロシアの春が始まったのだ。


ウクライナ軍は、サバイバルを図り,
軍人達は、参謀本部やセヴァストーポリ郊外のベリベク軍事飛行場に立てこもった。
キエフからは、武装したナショナリストで満員の「友情列車」を送るとの脅迫があった。


集会に参加していた一般の人々は日一日と増えて行ったが、
ロシアが今後どういった措置をとるのか、
知らなかったし確信を持って知ることはできなかった。しかし彼らは信じていた。

セヴァストーポリに続き、シンフェローポリでも26日、集会が開かれた。
そして27日、クリミア最高会議の建物に、ロシアの三色旗が翻ったのだった。

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2015_03_17/283374969/


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以上のようにクリミア自治共和国の離反は
EUへの統合の動きを巡る数か月間の対立を背景に
引き起こされたもので、通常なら「内戦」と表現されるものである。


ウクライナ本国が推し進める
公共料金の値上げ、社会福祉の縮小、
国内炭鉱の閉山および外国産石炭の輸入といった
新自由主義的な中央政府の政策を否とはねつけるものだった。


池上氏の記述ではこの点に関する説明が一切ない。



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ウクライナ南東諸地域党の党大会がハリコフで行われ、
議員たちは、キエフに憲法秩序が回復されない間は、
クリミア自治共和国およびセヴァストーポリが全権力を握る、
との提案を支持した。

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_02_22/129049289/

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カナダからのケベック独立。

スペインにおけるカタルーニャ独立運動。

イギリスのウェールズ分離運動。

中国と台湾との相克。


ウクライナとクリミアも
このような本国と国家内国家との対立として
描かれるはずのものだが、なぜか同氏はこの点は無視する。


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ウクライナのクリミア自治共和国議会は、
同自治共和国の今後を決める全クリミア住民投票を実施することを決めた。



クリミア議会議長団の住民向けメッセージには次のように記されている。

「ウクライナは完全なるカオス、専制、経済的崩壊に落ち込もうとしている。
 こうした状況を受け、クリミア最高議会は、クリミアの命運について全責任を引き受ける」


「全クリミア国民投票の実施によって自治共和国のステータスを向上させ、
 その権力を増大させることによってのみ、自治共和国は外部からの圧力や指導なしに、
 自らの力によって、自治共和国の命運を定めることが出来ると確信している」

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_02_27/129237633/

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このようにクリミア自治共和国の独立は
地方政府による公式の宣言だった。

池上氏が説明するような形のない世論ではない。


よって、通常ならば

クリミア自治共和国議会が独立を宣言したが、
これをロシア連邦が承認した

と書くべきところである。


池上氏は、あたかも自治共和国など
存在しないかのように説明をするので、


この問題が
元々はロシア帝国の領土であり、
スラブ系民族が多く暮らすクリミア自治共和国が
ウクライナとロシア、どちらの国家に属するかを巡って
起きた争いだとは気づかないのではないだろうか?






②国民の反対運動→× 武装組織の蜂起→〇


池上氏は「国民の反対運動」の結果、
反ロシア政権が誕生したと説明しているが、


実際には、上のような国粋主義者を先頭にした
武相組織の蜂起によって政権は崩壊した。

この時点では大統領職は空位であり、
「新政権」であるポロシェンコ政権は5月に誕生することになる。


この暫定政権は選挙によるものでもなかったし、
住民投票によって承認もされていない。


つまり、武力革命あるいはクーデターと呼ばれるものだったのだが、
池上氏はなぜか国民の総意による民主的な運動であったかのように
ぼかして表現している。


そのため、この時点で国内が
政治的に分裂状態だったことが読者には伝わってこない。





ウクライナの一般的国民のファッション(池上視点)


③そもそもロシアは軍を派遣していない


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2月26日、ロシア大統領および最高指揮官である
ウラジーミル・プーチンの命令により、
西部軍管区および中央軍管区では黒海地域での大規模軍事演習が始まった。


ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、
「大規模な抜き打ち演習である。」としており、
約15万人の将兵、90機の航空機、120機以上のヘリコプター、
約880台の戦車、80隻の艦艇が参加している。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_02_27/129219105/

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ロシア上院におけるロシア大統領公式代表である
グリゴリイ・カラスィン外務次官は、マスコミ取材に対し

「ウクライナでロシア連邦軍を利用する事に上院は同意したが、
これは、大統領によってすぐにその権利が行使されるであろうことを
意味するものではない」と伝えた。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_03_01/129306849/

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時系列順に並べると


クリミア自治共和国、ウクライナからの独立を決意
住民投票の実施を宣言



ロシア政府、自軍の派遣を決定


となっており、
池上の「軍を送って占領した」という説は時間的に成り立たない。


このロシア軍の占領という妄想はどこから来たのだろうか。


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クリミアは、黒海に突き出た半島部に位置する
ウクライナの余り大きくない一地域で、現在、革命的な暴力の波の渦中にある。

現地の秩序を維持しているのは住民達自身で、
警察が、住民らによる自衛団を援助している。


最高会議の建物の前には、再び何千もの人々が集まり、
男性達は、自衛団への入団署名を行っている。


一方議会では、議員達が、新たな政府を準備中だ。
こうしたすべての事は、ウクライナの首都キエフで
権力を奪取した勢力の側からの強力な圧力という条件下で生じており、
クリミア議会のほぼすべての議員達、そして彼らの子供達にまで、脅迫電話がかけられた。


暴力によるシナリオを許さないため、自衛団は、
クリミア最高会議を自らのコントロール下に置き、内部に立てこもった。

現在中に入れるのは、議員達のみである。


シンフェローポリ空港も昨夜、
どこの所属か明らかでない軍服を着た人々によりコントロール下に置かれた。

おそらく彼らも、クリミア自衛団のメンバーであると思われる。

彼らは、自分達の目的は、
外部からの戦闘員のクリミア入りを防ぐ事にあるとしている。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_03_01/129286472/

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シンフェローポリ、セヴァストーポリ、ケリチ、
エフパトリヤの住民たちは、ロシア国旗やロシアのアンドレイ海軍旗を掲げ、
クリミア半島のステータスをめぐる住民投票の実施を要求している。


多くの人々が、クリミアのロシアへの編入、
ないしは独立への願いを、公言している。


「マイダン」のシンパを公言する人の姿は、クリミアには見つけることが出来ない。
一方、マイダンによって退位させられたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領も、
人気を得ているとはいえない。


クリミアでは公然と、彼は裏切り者であると非難されている。

民衆はすでに新たな指導者の擁立に動いている。
中でも特に著名な人物は、セヴァストーポリ新市長アレクセイ・チャールィイ氏だ。


同時並行で、新たな自治機構の創設も進められている。
自衛部隊、「ロシア・ブロック」というグループ、
その他の組織がミーティングに参加し、治安の維持にあたりつつ、
重要拠点への通路を閉鎖している。そうした勢力のひとつに、
上に述べた「礼儀正しい人々」も含まれる。


クリミア自衛部隊および地元「ベルクート」は、
<「マイダン」政府>内務省のアヴァコフ大臣の解散命令に従わず、
右翼セクター武闘派その他ウルトラナショナリストらの攻撃に備え、
クリミアの防備に当たっている。

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_03_01/129292066/

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恐らく、2月末にクリミアに出現した武装集団のことを指しているらしい。

この武装集団がロシア軍だという証拠はないし、
ベルクート部隊という特務部隊と共にキエフから来たらしいから
軍あるいは警察から流れてきた過激派ではないかと私は考えている。

繰り返すが、この時点でロシアは軍を派遣していないし、
半島内に前から駐屯していたロシア軍も軍事演習こそしているが、
直接、ウクライナ軍に対して何らかの攻撃をしていない。


池上氏の説は、武装集団はロシアの覆面兵に違いない、
ロシア軍が各地を占領したに違いないという思い込みを
前提にしたもので、妄想の範疇を越えないと言えるだろう。




以上、検討を行ってみたが、

端的に言えば、彼の記事は、通常なら内戦として書くべきものを
占領として描いているので矛盾や間違い、妄想が非常に多い。


例えば、記事ではプーチン大統領が
軍事的懸念から占領したのだと説明されているが、
そのような思惑をいったい、どうやって知りえたのだろうか?

公式の場では独立を支援する形を取っているし、
ロシア軍の派遣を決定した際にも地元住民の安全確保のため
と語っている。


どこぞの評論家や新聞記事の「意見」を
「事実」として歪めて書いている印象を受ける。 


軍事的思惑から干渉した「に違いない」が
軍事的思惑から干渉したとすり替えて説明がされている。

武装集団も同様で

ロシア軍「と思わしき」武装集団が「各施設」を「占拠」ではなくて
ロシア軍が各地を「占領」したのだと説明をする。


このように自己の主張を通すために事実をねつ造する人物が
これから時事問題を勉強しようとする純真無垢な児童に
ニュースを解説して聞かせるのは甚だ恐怖ではないだろうか?


今回紹介した記事がその辺の新聞記事あるいは
Wikipediaの内容をパッチワークして書いたのかどうか私は知らない。


だが、少なくとも彼が以前からクリミアでは激しい独立運動が展開されていた
という歴史に対して無知であることは確かだろう。



このようなジャーナリストの風上にもおけない人間に
義憤を覚えたのであれば、殺害予告などせずに
徹底的に言論を通じて、彼の間違いを暴露すべきだった。


問題の男性は2ちゃんねるにも書き込みをしていて
それらを読む限りではふざけているようにしか見えなかった。



なぜキエフの武装蜂起は「国民の反対運動」と表現され、
クリミアの独立運動は「ロシア軍の占領」と書かれるのか。

この疑問を叩きつけるだけでも意義はあるはずだ。



(私は池上がこのような的外れで
 結果的に出鱈目な内容を書いてしまうのは

 ①ウクライナ中央政府・日本政府の見解をなぞっただけだから

 ②ロシアの侵略戦争だという認識を前提に論を展開しているから

 ③国家内の対立を国家間の争いとして
  無理やり解釈する悪癖があるから

 ではないかと考えている。

 そういう意味では、
 沖縄の基地反対運動を中国や北朝鮮の工作員による
 日本政府転覆運動と解釈するネトウヨと大差ないレベルである。

 つまり、陰謀論以上の何物でもない)



蚊帳の外なのは左翼も同じ①―南北朝鮮の歴史的な対談について―

2018-05-03 23:32:30 | 北朝鮮

南北朝鮮の歴史的な和解のセレモニーが開かれ、数日が経つ。

この間、何かコメントを書こうとしてきたが、
またしても多忙を理由に記事に上げるのを躊躇してきた。


手前みそだが、
当サイトの過去に挙げた記事を読めば
北朝鮮を巡る政治情勢が如何に日本のメディア(と大多数の知識人)
の言い分と食い違うか自ずと知れるはずである。

わざわざ書かなくても
もう一度読めば、伝わるはずだと甘えていたのかもしれない。



話を元に戻そう。



左翼・自称リベラルは、この対談を呑気に歓迎しているが、
私はどうも楽観視することができない。



それは、この対談(雪解けの動き)が
日本の平和主義者が参加しない形で進められたからだ。




①北朝鮮の脅威など存在しない
②平和条約の締結と合わせた核廃棄を北朝鮮は当初から提案し続けている
③一方的な武装解除を求めて経済的軍事的圧迫をかけても効果はない


以上、3点を4~5年前から繰り返し具体的に説明してきたのだが、
この考えが日本の政治家や知識人の間に浸透するよりも先に
米韓の政治家のほうが動いた。


これは換言すれば、日本の左派が継続的に
アメリカや日本、韓国の軍事的経済的包囲網に
異議を唱えてきた苦労が報われたというよりは、

平和の旗を振りながらも、いざ北朝鮮が相手となると
途端に政府と一緒に北朝鮮を悪魔化してきた過程で
ふと湧いてきたにすぎないと言えよう。


実際、大半の平和主義者は核のことには言及しても
さらに踏み込んで経済制裁の完全撤廃、ならびに
朝鮮半島からの米軍撤退を主張してはいない。


北朝鮮が核を捨てるか否か。

ただ、それだけが彼らの関心事であり、
肝心の北朝鮮の民衆の生活や安全の確保には
さして興味がないのではないだろうか?

そう思えてならないのである。


・・・とこれだけ書いても、
言葉不足でやや説得力がないだろう。


生憎、時間が足りないので
詳しいコメントは明日の夜に改めて書くつもりだ。


繰り返すが、私が気にしているのは

一連の和解は、政府のみならず、
日本の平和運動の北朝鮮に対する敵意を骨抜きにして
進められたものであり、安倍だけでなく左翼も蚊帳の外にされていた


という事実について、当事者があまりにも無自覚ではないかということである。


今後の交渉・行動自体では、
北朝鮮はまた核開発に着手するかもしれないが、
その時に日本の平和主義者は北朝鮮の側に立って弁護できるだろうか?


核をなぜ手放せないのか(その理由はこれまで何度も説明してきた)
について、特に考えず、核開発を行うという理由をもって、
また政府と並んで北朝鮮バッシングに奔走しないだろうか。


そのような不安が拭えないのである。

(2へと続く)



トラックバック機能が廃止された

2018-02-14 00:01:49 | 日記
他サイトにトラックバックを送ろうとしたところ
アドレスを貼り付ける欄がないことに気づいた。


去年の11月末に送受信が出来ないようにしたらしい。
つまり、これでRSSにでも貼り付けられていない限りは
記事を書きあげても誰も気づかないということになったわけだ。


TwitterやFacebookの機能は失われていないので
そちらを利用して宣伝しなければならないようだ。


非常に煩雑な作業を強いてくれたGoo社には感謝の意を表したい。

五輪の最中でも北朝鮮バッシング

2018-02-13 23:51:57 | 北朝鮮



平昌オリンピック開会式で実現した南北和解のセレモニーは
世界中から喝さいを持って受け入れられた。日本を除いては。


NHKは、開会式中継ではこの式を歓迎する態度を示したが、
その裏では上のように北朝鮮の軟化は裏があるのだと扇動している。

インターネット上の極右論者ならいざ知らず、
国有メディアがイエロー・ジャーナリズムに奔走する姿は
民主主義国家でも類を見ないのではないだろうか?



仮に韓米同盟の分断が狙いだというのが事実だとしても、
それがなぜ悪いのかについてメディアは何も語らない。


韓米同盟は大事なのだ。分断してはならないのだ。
北朝鮮と和解してはならないのだ。あってはならないのだ。


以上の教義を反芻して憎悪を込めて祈りを捧げ、
なぜ大事なのか、なぜ分断してはならないのかを考えようとしない様は、
あたかもカルト教団の信者のようである。


歴史的には朝鮮半島こそ 米ソによって分断された地域だ

これに関して北朝鮮は一貫して南北の統一、それも米ロが干渉しない形による
各自の政治体制を維持しながらの合併的統一を提言してきた。


軍事演習の中断および平和条約の締結を伴う核開発の中断。
これも10年以上、幾十、幾百も叫ばれてきたものである。
(この提言を中露はダブルフリーズと名付け支持している。)

よって、北朝鮮が軟化したというのは正確ではない。
正しくは韓国が軟化したのである。

そして韓国の「ほほえみ外交」は 経済制裁の解除や在韓米軍の撤退を意味するものではない。

依然、北朝鮮は医薬品や食料品、生活用具、スポーツ用品といった
非軍事的な製品すら経済制裁によって購入できない状態にある。

(このような兵糧攻めを日本政府および日本メディアは当然視し、  
 圧力を弱めるなと絶叫する)

そのため、今回の和解は本格的なものではなく、
今後に備えての下ごしらえといった程度におさえるのが妥当だろう。

実際、北朝鮮も核開発を中断したわけではない。
朝韓両国、そして米国もそれを前提とした上で
着地地点をどこにするかで駆け引きを行っている中、
土俵の外側から「圧力をゆるめるなぁっ!」と老人が奇声を発している。

これが現実である。


それにしても、アメリカも含めて雪解けに積極的であるなか、
日本政府および日本メディアの憎悪に満ちた攻勢は異常に感じられる。


先ほど、NHKが金正男暗殺事件から1年が経過したことを伝え、
新事実として北朝鮮による正男殺害の証言が得られたかのような報道を行っていた。

実際には中国の幹部が正男を後継者にしようとする旨を
張成沢が話していたというだけにすぎず、北朝鮮の関与を裏付けるものではなかった。

正男暗殺事件については

実行犯であるアジア人女性が北朝鮮の関与を証言していない、
容疑者として逮捕された北朝鮮国籍の男性が証拠不十分で釈放される、
猛毒であるVXを手に塗れば暗殺者も死亡する、
そもそも北朝鮮犯行説を捜査に関わっていない韓国の工作機関が主張している
等々の状態で、

一言で言えば
北朝鮮の仕業に違いない
なぜなら兄弟仲が悪かったからだ


金正恩には動機がある。
だから犯人だ。

というレベルの報道を2か月以上にかけて
連日、テレビジョンや新聞、パソコン画面に垂れ流しにするものであった。

これは「ニュース」と呼ばれていたが、
私に言わせれば「詐欺」以外の何物でもない。



物的証拠どころか状況証拠ですらない証言を理由に
正男殺害の犯人を北朝鮮と断定し、バッシングを意固地に続けるNHK。

NHKのみならず、全国紙も民放も同じスタイルだ。
そして世論調査すら雪解けのムードを否定的にみなしている。


実に不思議な現象だ。


これは檻に手を突っ込み、熊の鼻をペチペチと叩く行為に等しいのだが、
彼らはそのような愚行を続けることで熊にかじられる可能性が出てくることを考えないのだろうか?


北朝鮮は日本国が改憲・軍拡するものなら
敵国とみなし、非常時には攻撃を加えると明言している。

これに対して日本政府は
「北朝鮮は危険だぁ!改憲だぁ!軍拡だぁ!」と答えている。

意味がさっぱりわからないのだが、
メディアも声をそろえて「そうだ、そうだぁ!」と連呼している。


火の用心と言いながら
ガソリンに火をつけるようなものだ。



良い加減、こういう自殺行為に対して
どこかの誰かが批判すべきではないだろうか?

残念ながら、岩波書店も週刊金曜日もそうした批判はせず、
個人で行っているサイトも声が小さすぎて大衆には声が届かない。

とはいえ、書くという行為自体には意味があると思う。


10月に記事を書きあげて以降、3か月半、 多忙を理由に執筆を中断していた。

だが、この間に日米韓侵略トリオの経済的軍事的脅迫は拍車がかかり、
それを報道機関が手放しに礼賛、支持するというナチ政権さながらの状況になってきた。

今思えば、あの時にこそ声高に「否」と叫ぶべきだった気がする。

今年は今年で多忙極まる気がしてならないが、
それでも北朝鮮関連の記事だけは書き続けるつもりである。
意味はないのかもしれないが、それでも書かなければいけない気がする。


ミサイルは領空を通過したのか?

2017-10-21 21:55:09 | 北朝鮮
ミサイル発射。ミサイル発射。
北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい。


黒塗りの画面に白文字で大きく連呼される「ミサイル」の文字。
今年8月末に発信されたJアラートのメッセージである。


内容があるように見えて、その実、何一つ明確な情報が告知されていない。
これは安倍政権ならず日本のマスメディアの病巣を象徴したものだと思われる。


そこで本記事では、ミサイルは実際に領空を通過したのかを考察してみたいと思う。


北朝鮮ミサイル通過、その時何が起きたのか
(http://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/rngs
 /NORTHKOREA-MISSILES-LJA/010050LF1DV/index.html)



まず、北朝鮮の弾道ミサイルは宇宙空間を通過していることを指摘したい。


ミサイルが日本「上空」を通過した際の高度は約500kmだった。


旅客機が飛行する際の高度が10km、
国際宇宙ステーションの軌道高度が408kmであることを踏まえれば
想像がつくだろうが、これは日本の領空外域である。


この点は英語だと更に明確に表現され、
発射直後には「through Japan’s airspace」と表現されたが、
後に「over Japanese territory」と訂正された。

(https://www.rt.com/news/403380-north-korea-pyongyang-missile/
 https://www.theguardian.com/world/2017/aug/29/whats-the-mood
 -like-in-japan-after-north-korea-missile-launch)



つまり、弾道ミサイルは日本列島を立体的に迂回して飛翔したのだが、
発射地点と落下地点を直線で結ぶと襟裳岬と交差するので、
あたかも日本の空をミサイルが通り過ぎて行ったかのようなイメージが拡散された。


そもそも、放物線を描きながら宇宙空間を通過し目標を破壊するのが弾道ミサイルである。
通常のミサイルと混同した説明をする人間が多いが、
それは基本的な軍事知識がない人間が国家の一大事を賢しらに語っていることを証左する。



日本の反応は例えるならば、
自宅前の道を行く歩行者に悲鳴を上げているようなもので、
傍から見れば「理解不能」「異常」「狂気」じみている。


と思ったかどうかは知らないが、このヒステリックな反応には
米ニューヨークタイムスも、きちんと言及している。

(https://www.nytimes.com/2017/09/14/world/asia/north-korea-missile.html?mcubz=1)



重要なことは、日本には北朝鮮のミサイルを防ぐ手段がないということである。


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「米国のパトリオット」は東京を守ることができるか?


~中略~

軍事専門家のウラジーミル・エフセエフ氏は、
「パトリオット」(PAC3)配備による日本の措置について、
北朝鮮のミサイル脅威から東京を守るには全く不十分だとの見方を示している。


同氏は、それは最も単純な理由によるものだと指摘し、
米国のパトリオットはこの目的のためにつくられたものではないからと述べ、次のように語っている-


「迎撃ミサイルシステム『パトリオット』は対空システムであり、ミサイル防衛システムではない。
 その弾道ミサイルの迎撃能力の有効性はかなり低い。なぜなら射程高度が20キロ未満だからだ。

 仮にミサイルの危険性のある方向に『パトリオット』(PAC3)が配備されたとしても、
 例えば政府庁舎が多く集まる地区など、ごく限られたエリアしか守ることができないだろう。

 『パトリオット』(PAC3)は、日本のあらゆる地点に到達可能な
  北朝鮮の『ノドン』あるいは『ムスダン』などの弾道ミサイルから東京全体を守ることはできない」。


ではなぜパトリオットは東京に配備されたのだろうか?エフセエフ氏は、次のように語っている-


「このようなシステムは、9.11テロ後にホワイトハウス周辺に配備された。

 だが私は、これが実際に非常に必要なことであるとは、それほど確信できない。
 ミサイル防衛に最も効果的なのは、
 ミサイル発射から数千キロの距離で標的を迎撃できる米国のTHAADやイージスシステムだ。


 しかし弾頭の迎撃という面では、もし標的が軽量の偽の標的で覆われている場合、
 これらのシステムの能力も限られる。迎撃は、大気の厚い層でのみ可能となる。
 なぜなら、より上の層では実際の標的と偽の標的を区別するのが不可能だからだ」。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201709074061689/
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北朝鮮ミサイル厳戒 PAC3、緊張の迎撃シナリオ
(https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H6P_U7A810C1EA1000/)

PAC3の迎撃能力は以上のようなものだが、
安倍政権はミサイル発射に向けてよりによって、このPAC3を配備していた。



私が危惧しているのは、扇動目的のフリではなく、
どうも安倍政権が本気で竹やりをもってミサイルを迎え討とうとしているらしい
という点なのである。


北朝鮮は頻繁にアメリカの敵視政策を非難し、
ミサイルはアメリカを標的にしており、いつでも発射可能と警告している。


ところが、これを日本は何故か自国を狙ったものだと解釈し、
無用の兵器を配備し、改憲を望んでいる。






あくまでギャロップ社の世論調査にすぎないが、
他国の民衆の多くが外交による解決を望んでいるのに対して、
日本人だけは半数が軍事的解決を切望しているという凄まじい様相を呈している。



これもまた例えれば、ある人間がニューヨーク・ヤンキースを嘲笑したところ、
なぜか隣にいた人間が「反日め!」と絶叫したようなもので、全く意味がわからない。


ヤンキースの場合、日本人選手がいるのでまだ理解可能だが、
アメリカを標的にしたミサイルが日本を狙っているという解釈がなぜ通るのだろうか。


思い当たるとすれば、本記事で述べたこと、
すなわち、立体的に日本領を迂回している弾道ミサイルを
あたかも日本領を通過したかのように報じ、騒ぎ立てたマスメディアの働きが背景にあるのだろう。



メディアが伝えるべきは
日本にはミサイルを防ぐ手立てがない、北朝鮮が現時点では日本を狙ってはいない、
ただし日本が改憲し、本格的に参戦してきた場合は容赦なく標的にされる、
にも拘わらず与党が「この国を守り抜く」と語り改憲を狙っていることだろう。


闘牛の前で赤旗をヒラヒラふり回すことが日本を守ることになるのだろうか?
この点を追及し、彼らのペテンを暴くことではなかったのではないだろうか?


事前情報では明日の選挙は与党の大勝になるらしい。
素人が赤旗を闘牛の前でヒラヒラすることを支持する大衆。


日本はイラク戦争の際と同じ道を歩むのだろうか。

米韓合同軍事演習とは何か

2017-10-21 20:43:56 | 北朝鮮
時事通信社の記事より。


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【ソウル時事】

北朝鮮の対米関係団体は18日、報道官声明を出し、
米韓海軍が16日から朝鮮半島周辺で始めた合同海上演習について、
「緊張局面を最悪の爆発限界線へと追い込んでいる」とした上で、
「われわれ独自の超強力対応措置」が十分に準備されており、
「適切な自衛措置が任意の時刻に断行される」と威嚇した。


北朝鮮国営の朝鮮中央通信が19日、伝えた。

2000年に「原爆保有」明言=故金総書記がロ大統領に



声明を出したのは「北侵核戦争演習反対全民族非常対策委員会」と称する団体。
米原子力空母「ロナルド・レーガン」などが参加した演習を「危険千万な軍事的挑発」
「国家武力完成の終着点へ向けたわれわれの前進を阻もうとする断末魔的なあがき」と決め付け、
「予想外の時刻に想像できない打撃に直面することを覚悟しなければならない」と警告した。
(2017/10/19-11:32)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101900320&g=prk

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実際には朝鮮中央通信はどのように報じているのだろうか?



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【平壌10月18日発朝鮮中央通信】



米国と南朝鮮のかいらい一味が、
16日から朝鮮の東海と西海で史上最大規模
連合海上訓練を強行して現緊張局面を最悪の爆発ラインに追い込んでいる。



すでに、訓練水域に展開した米国の原子力空母ロナルド・レーガン打撃団と
ミシガンをはじめ3隻の原潜、イージス駆逐艦を含む40余隻の各種の戦闘艦船と
戦闘機が濃い火薬のにおいを漂わせながら戦争狂気を振るっている。




米国とかいらいは訓練が終わった後も、
核戦略資産を南朝鮮とその周辺水域に配備し続けて、

10月末頃に米原子力空母セオドア・ルーズベルト打撃団を追加投入して
もう一度の大規模の連合海上打撃訓練を行おうとしている。



23日からは
南朝鮮に居る米民間人を海外に迅速に退避させるための
「ネオ訓練」(非戦闘員後送作戦)まで強行する
ことによって、
戦争前夜の緊張を意図的に醸成しようと画策している。




北侵核戦争演習反対全民族非常対策委員会
(全民族非常対策委)のスポークスマンは18日に発表した声明で、
これは米国とかいらいが「対北先制攻撃」を既定事実化し、機会をうかがって
朝鮮半島でなんとしても戦争の火ぶたを切ろうと企んでいることを実証していると暴いた。



スポークスマンは、
敵が今回の訓練がわれわれに加える実際の打撃行動の誇示になると唱えているだけに、
それを一撃のもとに無用の長物につくってしまう
朝鮮式の超強力対応措置が十分に取られているということも知っておくべきだとし、
次のように強調した。



特に、われわれが第1次的撃滅対象に定めておいた
敵撃滅の標的をわれわれの面前に近く送り込んで無謀に振る舞っていることによって
予想外の時刻に想像外の打撃に直面することになるということを覚悟すべきであろう。



目前の破局的災難を感得できずに米国の核戦略資産を領域に引き入れて
南朝鮮全土を史上最悪の核の戦場につくったかいらいもやはり、無事ではないだろう。


http://www.kcna.kp/kcna.user.article.retrieveNewsViewInfoList.kcmsf#this
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このように中央通信では
現行の米韓合同軍事演習の実態を詳細に記述しているのだが、
時事通信社の記事では、それらの個所が全てカットされている。



北朝鮮の領土近辺で最新鋭の軍艦がズラリと並び、
自分たちを攻撃することを想定した演習が行われている。

その中には在韓米国人の救出作戦まで演習されている。


先制攻撃を選択肢に入れているゆえの行動だと捉えるのはごく自然な反応だが、
時事通信社は「決めつけ」と根拠もなく断じている。



中央通信はこういう記事も載せている。


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談話によると、10日、
米軍部の上層は国防総省庁舎でトランプに対朝鮮軍事的方案を報告しながら、
先制攻撃を行うが可能な限り全面戦争が起こらないようにし、
自分らの損失は最少にし、不意の打撃で最短期間に速戦即決できる軍事的選択案を集中的に論議した。



その中でサイバー戦を配合した「斬首作戦」が最も適中した方案に設定され、
これに従って偵察衛星と無人偵察機のような先端偵察監視手段による北の最高首脳部の正確な位置把握、
核戦略爆撃機をはじめ遠距離打撃手段による精密打撃、
準備された特殊作戦部隊浸透による北の中核施設と核・ミサイル基地に対する破壊、
悪性ウイルスのストゥックスネットなどを導入したサイバー戦の活用問題を長時間にわたって謀議したという。



談話は、これは米国が最も危険極まりない戦争シナリオに従って
事実上、われわれに対する宣戦布告のない戦争を開始したということを示しているとし、
次のように強調した。




朝鮮半島はそれこそ、核戦争の爆発を止めがたい最悪の状況に瀕した。
火を好む戦争狂らを無慈悲に火で馴らすのは、チュチェ朝鮮の変わらない断固たる対応方式である。



わが最高首脳部にあえて挑戦する者は地球上のどこにいようと、
千丈(せんじょう)の深い地中を探ってでも最後の一人まで徹底的に掃討するというのが、
わが軍隊と人民の胸で恐ろしく爆発している敵撃滅の気概である。

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自分らの損失は最少にし、
不意の打撃で最短期間に速戦即決できる軍事的選択案を集中的に論議した。



その仔細に加えて紛争時の米国人救出作戦の訓練の実施。
これを「防衛目的で日頃から行われている他意の無いもの」と
決めつけることこそ、噴飯物だろう。




もっとも、これに加えて
一部の訓練は自衛隊も参加していることを忘れてはならない。



日本、韓国、アメリカの3カ国が合同軍事演習
(http://parstoday.com/ja/news/world-i19135)



日本の行動は虎穴の傍で銅鑼を鳴らし、
トラが姿を現すと「危険だぁっ!」と絶叫しているようなものだ。



馬 鹿 としか言いようがない。


しかし、こうなったのもマスメディアによる
北朝鮮の悪魔化が激烈だったこと、それは現在も進行中であることが背景にある。



さしづめ、安倍と一緒に銅鑼を鳴らしていた人間が
いざ武装して突撃せよという命令が下されそうになるやいなや、
「平和国家、日本!」と叫ぶようなものか。彼らには知性が存在しないのではないだろうか?