前の記事の続き
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(読んでいない人は、ぜひご一読を)
前の記事で、平和を願うと言いながら、
現在進行形で他国を爆撃し、現地の武装勢力を支援しているG7の偽善を指摘したが、
先ほど、良いタイミングでイランラジオの関連記事がアップロードされたので紹介をしたいと思う。
まず、イランラジオの記事を読む前に毎日新聞と日経新聞の記事を読んでみてほしい。
---------------------------------------------------
(毎日新聞の記事より)
現役の米閣僚として初めて被爆地を訪れたケリー国務長官は
11日、G7外相会合後に広島市内で記者会見した。
訪問した原爆資料館について、「私は忘れることはないし、忘れられる人はいないだろう」と述べた。
さらに「戦争とは最後に残された手段であり、最初の手段とすべきではないことを再確認した」と語った。
ケリー長官は、原爆資料館で目にした投下直後の絵画について
「胃をたたかれたようで、驚くべきものだ」と感想を述べた。
平和記念公園では原爆慰霊碑に献花しており、被爆地訪問で
「深く心が動かされたし、初めて広島を訪ねた国務長官であることを光栄に思う」と強調した。
一方でケリー長官は、訪問の目的を
「過去を振り返るためではなく、過去(の教訓)を現在や将来に生かすことが、
どれほど大切なのかを示すためだ」と指摘。第二次大戦で戦った日米両国が終戦後は
同盟国となったことに言及し、「この地(広島)は、同盟の堅固さを示す事例になっている」と強調した。
また、オバマ政権が取り組む国際的な核不拡散や核物質管理強化にも触れた上で、
「資料館を訪れたことで、世界平和の維持のために果たすべき(米国の)義務を再確認した」と語った。
【大前仁】
(日経新聞の記事より)
主要7カ国(G7)外相会合で広島市を訪れたケリー米国務長官は11日記者会見し、
オバマ米大統領が5月のG7首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて
広島市を訪問する可能性について「オバマ氏を含め、全ての人が広島に来るべきだと思う。
だが実際に来れるかは分からない」と述べた。
冒頭、原爆を投下した米国の現職国務長官として初めて市内の平和記念公園を訪れたことを
「感激している。誇りに思う」と表明。
原爆の惨状を示す資料館内の展示物についても触れ
「驚くべき、忘れられない内容だった。核兵器のない世界を目指す必要性を再認識した」と発言した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK11H6K_R10C16A4000000/
---------------------------------------------------------------
これら記事を読んだうえで、イランラジオの記事を読んでみてほしい。
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アメリカのケリー国務長官が、広島で、
原爆による攻撃については謝罪せずに、
「広島平和記念資料館を訪れたことを誇りに思う」と述べました。
ケリー長官は、G7主要7カ国の外相会合に出席するため、日本を訪問しました。
1945年の広島と長崎へのアメリカの原爆による攻撃で、20万人以上が死亡しました。
その後も後遺症で数万人が死亡しています。
それから70年以上が経過した現在、アメリカの国務長官が初めて広島を訪問し、
広島の記念資料館を訪れました。
こうした中、ケリー長官の広島訪問に際して行われた広島での抗議デモにもかかわらず、
アメリカの関係者は、「国務長官が原爆投下に関して謝罪することはないだろう」と述べました。
ケリー長官はツイッターで、広島記念資料館の訪問に関して、
「広島記念資料館を訪問した最初のアメリカ国務長官であることを誇りに思う」と述べています。
ケリー長官は、原爆攻撃で広島市民が死亡したことについては語らず、これについて謝罪もしていません。
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/63566
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前者は基本知識を淡々と述べている印象を受けるが、後者はより批判的な内容になっている。
イランのニュースサイトは、ケリー氏の発言の偽善さについて強く非難しているのに対して
肝心の事実を伝えようとしない日経や毎日の報道姿勢は一体何なのだろうか?
ちなみに朝日新聞は、こう書いていた。
「ケリー氏は公園訪問で、原爆投下を謝罪する表現は使わないものの、
「憎しみではなく愛情の心で再建してきた広島の市民と米国民が、
戦争を憎み、平和に向けた決意を共有する」と語った。
「日米の和解が並外れたレベルにまで達したことを示すことになるだろう」とも述べた。
さらにこの高官は「核兵器を唯一使った国として、米国は世界の核軍縮に向けて努力をする責任がある」
とも語り、オバマ政権が2009年のプラハ演説で提唱した「核なき世界」の実現に向けて
今後も努力していく考えを強調した。」
アメリカの非核の意思は、自国の戦争犯罪を反省しない程度のものだと非難するイランラジオと、
謝罪こそしないが、アメリカの非核の意思は本物だと言わんばかりに褒めたたえる朝日新聞。
徹頭徹尾、アメリカを擁護する文体。
この国の言論の自由など、有って無いようなものだと改めて実感する。
平和記念公園を訪問し、何かしら思うことがあったのであれば、
広島に原爆を落としながらも未だに謝罪の一言もない自国の有り方について言及すべきだろう。
とはいえ、ケリーの姿勢は、このG7サミットの本質をえぐったものだと思う。
自分たちの行いに対しては、全く反省せず、中国や北朝鮮を非難するというものだ。
これについては朝日新聞も伝えている。
「各国外相は10日夕に世界遺産・厳島神社を訪問。宮島で夕食会を開き、
核実験や弾道ミサイル発射など挑発を繰り返す北朝鮮の問題や、
南シナ海で軍事拠点化を進める中国を念頭に海洋安全保障について議論した」
ここにはG7の好戦的な姿勢こそが国際平和を乱しているという意識がない。
無論、朝日新聞もこの独善性について特に非難していない。
まぁ、朝日新聞は先日、話題になったパナマ文書についても
中国については社説で強く非難し、お決まりの「中国は非民主的な国だ」論を述べる一方で、
三菱商事、丸紅、オリックス、バンダイ、大和証券などの日本企業の税金逃れについては
全く非難しない新聞だから、こうなるのも当然と言えば当然かもしれない。
朝日新聞は一応、ヘイト・スピーチに反対しているはずだが、
実際には隣国の悪印象を与える記事や社説を大量生産している。
同社の主筆だった舟橋洋一氏が今、右翼として活動しているのもある意味納得である。
(彼によると、戦後保守は弱者を切り捨てず、国際協調を重んじていたらしい。
そいつらに長年にわたって攻撃されていたのはどこの新聞だったのか。
こういう自社の被害を忘却して権力者にすがる卑怯者が
主筆になれる時点で朝日は終わってしまったのかもしれない)
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(読んでいない人は、ぜひご一読を)
前の記事で、平和を願うと言いながら、
現在進行形で他国を爆撃し、現地の武装勢力を支援しているG7の偽善を指摘したが、
先ほど、良いタイミングでイランラジオの関連記事がアップロードされたので紹介をしたいと思う。
まず、イランラジオの記事を読む前に毎日新聞と日経新聞の記事を読んでみてほしい。
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(毎日新聞の記事より)
現役の米閣僚として初めて被爆地を訪れたケリー国務長官は
11日、G7外相会合後に広島市内で記者会見した。
訪問した原爆資料館について、「私は忘れることはないし、忘れられる人はいないだろう」と述べた。
さらに「戦争とは最後に残された手段であり、最初の手段とすべきではないことを再確認した」と語った。
ケリー長官は、原爆資料館で目にした投下直後の絵画について
「胃をたたかれたようで、驚くべきものだ」と感想を述べた。
平和記念公園では原爆慰霊碑に献花しており、被爆地訪問で
「深く心が動かされたし、初めて広島を訪ねた国務長官であることを光栄に思う」と強調した。
一方でケリー長官は、訪問の目的を
「過去を振り返るためではなく、過去(の教訓)を現在や将来に生かすことが、
どれほど大切なのかを示すためだ」と指摘。第二次大戦で戦った日米両国が終戦後は
同盟国となったことに言及し、「この地(広島)は、同盟の堅固さを示す事例になっている」と強調した。
また、オバマ政権が取り組む国際的な核不拡散や核物質管理強化にも触れた上で、
「資料館を訪れたことで、世界平和の維持のために果たすべき(米国の)義務を再確認した」と語った。
【大前仁】
(日経新聞の記事より)
主要7カ国(G7)外相会合で広島市を訪れたケリー米国務長官は11日記者会見し、
オバマ米大統領が5月のG7首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて
広島市を訪問する可能性について「オバマ氏を含め、全ての人が広島に来るべきだと思う。
だが実際に来れるかは分からない」と述べた。
冒頭、原爆を投下した米国の現職国務長官として初めて市内の平和記念公園を訪れたことを
「感激している。誇りに思う」と表明。
原爆の惨状を示す資料館内の展示物についても触れ
「驚くべき、忘れられない内容だった。核兵器のない世界を目指す必要性を再認識した」と発言した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK11H6K_R10C16A4000000/
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これら記事を読んだうえで、イランラジオの記事を読んでみてほしい。
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アメリカのケリー国務長官が、広島で、
原爆による攻撃については謝罪せずに、
「広島平和記念資料館を訪れたことを誇りに思う」と述べました。
ケリー長官は、G7主要7カ国の外相会合に出席するため、日本を訪問しました。
1945年の広島と長崎へのアメリカの原爆による攻撃で、20万人以上が死亡しました。
その後も後遺症で数万人が死亡しています。
それから70年以上が経過した現在、アメリカの国務長官が初めて広島を訪問し、
広島の記念資料館を訪れました。
こうした中、ケリー長官の広島訪問に際して行われた広島での抗議デモにもかかわらず、
アメリカの関係者は、「国務長官が原爆投下に関して謝罪することはないだろう」と述べました。
ケリー長官はツイッターで、広島記念資料館の訪問に関して、
「広島記念資料館を訪問した最初のアメリカ国務長官であることを誇りに思う」と述べています。
ケリー長官は、原爆攻撃で広島市民が死亡したことについては語らず、これについて謝罪もしていません。
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/63566
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前者は基本知識を淡々と述べている印象を受けるが、後者はより批判的な内容になっている。
イランのニュースサイトは、ケリー氏の発言の偽善さについて強く非難しているのに対して
肝心の事実を伝えようとしない日経や毎日の報道姿勢は一体何なのだろうか?
ちなみに朝日新聞は、こう書いていた。
「ケリー氏は公園訪問で、原爆投下を謝罪する表現は使わないものの、
「憎しみではなく愛情の心で再建してきた広島の市民と米国民が、
戦争を憎み、平和に向けた決意を共有する」と語った。
「日米の和解が並外れたレベルにまで達したことを示すことになるだろう」とも述べた。
さらにこの高官は「核兵器を唯一使った国として、米国は世界の核軍縮に向けて努力をする責任がある」
とも語り、オバマ政権が2009年のプラハ演説で提唱した「核なき世界」の実現に向けて
今後も努力していく考えを強調した。」
アメリカの非核の意思は、自国の戦争犯罪を反省しない程度のものだと非難するイランラジオと、
謝罪こそしないが、アメリカの非核の意思は本物だと言わんばかりに褒めたたえる朝日新聞。
徹頭徹尾、アメリカを擁護する文体。
この国の言論の自由など、有って無いようなものだと改めて実感する。
平和記念公園を訪問し、何かしら思うことがあったのであれば、
広島に原爆を落としながらも未だに謝罪の一言もない自国の有り方について言及すべきだろう。
とはいえ、ケリーの姿勢は、このG7サミットの本質をえぐったものだと思う。
自分たちの行いに対しては、全く反省せず、中国や北朝鮮を非難するというものだ。
これについては朝日新聞も伝えている。
「各国外相は10日夕に世界遺産・厳島神社を訪問。宮島で夕食会を開き、
核実験や弾道ミサイル発射など挑発を繰り返す北朝鮮の問題や、
南シナ海で軍事拠点化を進める中国を念頭に海洋安全保障について議論した」
ここにはG7の好戦的な姿勢こそが国際平和を乱しているという意識がない。
無論、朝日新聞もこの独善性について特に非難していない。
まぁ、朝日新聞は先日、話題になったパナマ文書についても
中国については社説で強く非難し、お決まりの「中国は非民主的な国だ」論を述べる一方で、
三菱商事、丸紅、オリックス、バンダイ、大和証券などの日本企業の税金逃れについては
全く非難しない新聞だから、こうなるのも当然と言えば当然かもしれない。
朝日新聞は一応、ヘイト・スピーチに反対しているはずだが、
実際には隣国の悪印象を与える記事や社説を大量生産している。
同社の主筆だった舟橋洋一氏が今、右翼として活動しているのもある意味納得である。
(彼によると、戦後保守は弱者を切り捨てず、国際協調を重んじていたらしい。
そいつらに長年にわたって攻撃されていたのはどこの新聞だったのか。
こういう自社の被害を忘却して権力者にすがる卑怯者が
主筆になれる時点で朝日は終わってしまったのかもしれない)