時事解説「ディストピア」

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安倍が拉致問題を解決すると言っているが・・・

2016-09-18 23:20:35 | 北朝鮮
スプートニク紙より。

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日本の安倍首相は、北朝鮮に拉致された
日本人の問題を解決するためにあらゆる手を尽くすことを約束した。

「私たちにとってそれは最優先課題であり、私はそれを解決するために最善を尽くす」。
拉致被害者家族との会合で述べた。 北朝鮮は1970年代日本国民を拉致し、後、13件のみを事実と認めた。

うち5人が2002年に本国に戻ることが許されたが、残りは死亡とされた。
その遺骨が日本の家族らに送られたが、真偽を判定することはできなかった。


しかし、今年の初めに両国関係が再び悪化し、拉致の調査の問題は行きづまってしまった。

続きを読む: http://jp.sputniknews.com/asia/20160917/2785760.html
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無理無理。

そもそも拉致被害者と認定された13名の日本人は8名はすでに死亡、5名は帰国した。
北朝鮮が「拉致問題は解決済み」と言っているのは、それゆえである。



日本政府や有田芳生氏などの北朝鮮専門家?は拉致被害者は数百人いると語っているが、
その実際の内容を見てみると、時化の最中、目を離したら甲板から消えていたとか
家出の置手紙をおいて失踪した人間など、拉致されたというより事故か自発的な失踪に見えるものも少なくない。


どうも失踪者の遺族が訴えてきたら、そのまま拉致被害者に認定しているようである。


こういうガバガバの基準で被害者数を膨らませて「解決しろ」と言われても、
北朝鮮としては「帰しただろ」としか言いようがない。


いない人間を探せと言われても探しようがない。
日本人の失踪者=拉致被害者という前提で話を進められても困る。

北朝鮮が戦時に北朝鮮で死亡した日本人や戦後に朝鮮に渡った日本人妻の消息には
積極的に取り組んでいる一方で、拉致問題では結果を出せないのは、上のような理由による。


また、先の日朝対談により、一時的な進展が見られた際にも
北朝鮮政府は植民地支配の責任を日本政府が負うこと、
そして在日コリアンに対する差別問題に対処することを進展の条件として提示した。


当然、このような提案を日本政府が受け入れるはずもなく、
結局、拉致問題を口実に日本政府は再び北朝鮮との外交を閉ざすことにした。


そういう経緯があるので、今後、日本政府が北朝鮮との賠償問題に積極的になり、
かつ国内のコリアンに対する差別の解消に尽力する時が来ない限り拉致問題は真に解決されない。


これは別に日本政府だけが悪いわけではなく、
むしろ日本中心思考から解放されていないまま「人権」を語る連中にこそ問題があるだろう。


核問題でもそうなのだが、この手の平和主義者は北朝鮮側の呼びかけを全く考慮しない。

北朝鮮はアメリカとの平和条約締結を条件に核開発の中断、
日本の戦争責任問題・在日コリアンの差別問題の解決と合わせて国交回復を提言しているのだが、
これらの声に一切、耳を傾けず、ただひたすらに北朝鮮を罵倒し悪評を流しているのはどこの誰か。

右翼と左翼が手を合わせて日本の北朝鮮に対する敵視政策を後押ししてきたのではないのか。
そして、その行為を全面的に支持してきたのは我々日本国民ではないか?

日清戦争の時に刷り込まれた中国人憎悪が未だに再生産されていることを思えば、
一度、刷り込められた敵意を解消するのは容易なことではない。


拉致問題の解決は日本の差別や歴史問題の解消とリンクしている。
それゆえに真の解決は相当時間がかかるのではないかと思われる。