時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

テレビ朝日のウクライナ報道

2014-06-15 22:51:07 | リビア・ウクライナ・南米・中東
肝心なことは何一つ…というのは、これまで何度も指摘した通りですが。


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ウクライナ軍機が親ロシア派に撃墜されたことなどに抗議して、
市民がロシア大使館を取り囲みました。


東部ルガンスクで14日、ウクライナ軍の輸送機が親ロシア派に撃墜され、
兵士49人が死亡しました。これを受けて、首都キエフでは、
約200人がロシア大使館を取り囲んで抗議しました。

市民らはロシア国旗を降ろし、建物に石などを投げ付け、大使館の車などを破壊しました。

一方、アメリカのケリー国務長官は、
ウクライナの首相やロシアのラブロフ外相と電話で会談し、
ラブロフ外相に対しては親ロシア派への武器流入などについて強い懸念を示し、
緊張緩和への努力を強く求めました。ウクライナのポロシェンコ大統領は
親ロシア派への攻勢を強めるとしていて、早期の停戦は難しい状況です。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000028863.html
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朝日新聞をはじめとして、ずいぶん非道い報道ばかりしているので、
まだマシなほうかと思うのが何とも言えない。


まず、この問題を考えるうえで重要な点として、
この「市民」が擁護しているウクライナ軍の機体は現地で空爆を行っています。

これはピンポイント爆撃ではなく、病院や学校、民家をも破壊するものです。
そのため、現在、ロシアやクリミアに避難する者が多くいます。


また、次の記事を読むと一層、この軍の悪質な面が鮮明になるはずです。


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スラヴャンスクから子供たちを乗せて出発した2台の自動車が、
ウクライナ軍の銃火にさらされ
、少なくとも女性3人が負傷した。


独立を宣言したドネツク人民共和国防衛省の補佐官で
作家のフョードル・ベレジン氏が、ブログで伝えた。


ベレジン氏によると、自動車は白旗を掲げていたという。
2台のうち1台の自動車が横転し、乗員は別の車へ乗り換えたが、
高齢の女性一人が腕を折り、自動車から救出することができなかったため、
成人の娘と一緒に残ったという。

ベレジン氏によると、現場となった地域はウクライナ治安部隊の管理下にあるため、
スラヴャンスクの義勇軍は同地域に入ることができない。

ベレジン氏は、救急医療機関に電話し、状況を説明したという。
ベレジン氏はブログに、「砲撃が停止し、負傷した女性が搬送されることを願っている」
と書き込んだ。

http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_13/273480348/
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なるほど、確かにドネツクの義勇兵は戦闘機を撃墜しました。
しかし、キエフ軍は民間人を攻撃しているわけです。


殺す相手が兵隊と民間人とでは、その残虐性も大きく異なるのは自明の理でしょう。


また、この大使館を攻撃した「市民」には、
ネオナチ政党であるライトセクターの人間もいたことも書かれていません。

↓参考サイト
http://rt.com/news/165984-unsc-russia-embassy-blocked/
http://rt.com/news/166020-ukraine-minister-effing-putin/


これまでにも幾度か指摘していますが、現在行われているのは
親ロシアか親ウクライナかではなくて、中央政府と地方自治体との戦いです。
キエフの保守派をスタンダードにして今回の内戦を語るべきではありません。


私は、少なくともジャーナリズムを標榜する機関ならば、
空爆を支持する人間より、空爆の被害に遭っている人間の
立場から報じるべきだと思います。「中立」という美名で
肝心の事実を報じない、意図的であろうとなかろうと、
この問題を論じるにあたって重要な事実を隠匿すべきではない。そう思います。


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