時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

イラン元外交官、キッシンジャーを批判する

2015-02-25 00:41:19 | リビア・ウクライナ・南米・中東
キッシンジャーというと、ノーベル平和賞を受賞し、反核を表明して以来、
すっかり平和の使者のように語られているが、ベトナム戦争を主として
数々の悪巧みに関与してきた人物であり、その本質的部分がここ数年で変化したわけではない。


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イランの元外交官のムーサヴィヤーン氏が、イランの核協議に関する
アメリカのキッシンジャー元国家安全保障担当大統領補佐官の表明を批判しました。


キッシンジャー氏は、最近、イランの核問題を解決するための核協議を非難し、
「この方法は、核兵器拡散防止からその管理の方向に向かわせる」と述べました。


ムーサヴィヤーン氏は、分析サイトでこのキッシンジャー氏の表明を批判し、

「キッシンジャー氏の概算は、核協議の現状、
 イランの核活動の歴史、そして拡散問題に対する現在の国際体制を
 限定的にしか理解していないことを示すものだ」としました。


また、
「核拡散問題の重要な点は、核軍縮を目的とする
 NPT核兵器不拡散条約の正しい理解である」と述べました。


ここ数年、NPTに署名している多くの国が、技術の点で取り決めに違反しています。

少なくともブラジル、アルゼンチン、エジプト、韓国、台湾の5カ国が
IAEA国際原子力機関への情報提供なしに、秘密裏の核活動を行っています。


核兵器保有国も、核兵器廃棄に関する多くの取り決めを無視しており、
最近ではこの兵器を向上させ、増加させています。

その一方でイランの問題に関しては明らかにダブルスタンダードをとっています。


ムーサヴィヤーン氏は、キッシンジャー氏は確実に、
日本、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、ドイツ、オランダなど
核兵器を持たない複数の国がウラン濃縮の能力を保有していることを知っており、
これらの国については決して核兵器拡散国と呼んでいないとしています。



以前イランの核協議団のメンバーであったムーサヴィヤーン氏は、
「キッシンジャー氏が他者に信じさせようとしていることに反して、
 核の合意は再度イランがNPTを遵守していることを証明するだろう。
 イランとの協議国は現在イランがNPTの取り決めをこえて
 行動していることを納得している」と強調しました。

http://japanese.irib.ir/news/nuclear-power/item/
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核爆弾というのは、減らしたからといって、
燃料と作り方さえあれば、また作ることができる代物である。


つまり、日本のように原爆の材料であるウランを
原爆5000発分保有し、爆弾の作り方も知っている国は
事実上の核保有国と言っても差支えない。



上の記事にある日本についてはスルーするくせに
イランだけ攻撃するのはおかしいという主張はそういうことである。


キッシンジャーが反核を叫びだしたのは、
アメリカに匹敵するだけの通常兵器を有する国がないと思われ出した時期である。


つまり、原爆などなくても他の兵器でアメリカが他国を圧倒できるからこそ、
彼は反核に転じたわけであって、これを勘違いするとおかしなことになる。



現在の反核団体のキレが悪いのも、この点を失念したために、
結果的には、アメリカがイランや北朝鮮、中国などの核保有国を
攻撃するための口実として反核が利用されていることに気付かないためだと言えよう。


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