「私の最新作のImageは固まったかしら。」
先生が今日も自分に意地悪な質問をしてきた。
「そうですねぇ。」
弱気な自分も今回は強気である。
「強気ね。萬魔殿のImageが固まったかしら。」
人を莫迦にした目を先生は続けていた。
「そうですねぇ。先日日本画の伝統的な画題である十王図を見てきましてね。」
先生は一寸考えながら、
「ああ、あの構図の絵ね。でも、自分が考えている小説のImageは違うわ。」
先生の言葉には、冷たい物があった。
「と、いいますと・・。」
私は答えた。
「今回の小説はダンテのImageだから西洋風なの。西洋では萬魔殿はパンデモニウムとい
うのよ。」
ここら辺が無知な私は答えられなかった。
でも、
「西洋式なんですか。」
と恍惚けてみせた。
「そうなの・・・。」
先生の顏は寂しかったような。
つづく
先生が今日も自分に意地悪な質問をしてきた。
「そうですねぇ。」
弱気な自分も今回は強気である。
「強気ね。萬魔殿のImageが固まったかしら。」
人を莫迦にした目を先生は続けていた。
「そうですねぇ。先日日本画の伝統的な画題である十王図を見てきましてね。」
先生は一寸考えながら、
「ああ、あの構図の絵ね。でも、自分が考えている小説のImageは違うわ。」
先生の言葉には、冷たい物があった。
「と、いいますと・・。」
私は答えた。
「今回の小説はダンテのImageだから西洋風なの。西洋では萬魔殿はパンデモニウムとい
うのよ。」
ここら辺が無知な私は答えられなかった。
でも、
「西洋式なんですか。」
と恍惚けてみせた。
「そうなの・・・。」
先生の顏は寂しかったような。
つづく