ブルーシャムロック

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黄金町ラメント_4

2014-02-28 08:15:58 | 逆襲の藤隆
「脱法ハーブだったようです。」
おっさんが懇意にしていた鑑識官はいう。
彼は神奈川県警の刑事部に所属して、おっさんと調査にあたっていた時代が
あった。
現在おっさんの立ち会いの下、横浜市南郊のターミナル駅近くの住宅街で
有る殺人事件の調査に、おっさんが所属するチームが鑑識官といた。
「現在貴殿が、來る前に見つけた物なのですが、」
鑑識官がおっさんに渡した物として、はんこで書かれた乱数表のような物だった。
「いつも見るワープロの文章って感じではないんですよね。なんだと思いますか?」
おっさんは、
「そうだな。これは和文タイプで書かれた文章だ。私が中学生ぐらいまでは
これで文章を書いていた時代があった。おおよそ1970年代ぐらいだ。」
と懐かしく押収した乱数表をみた。
「この文章ですが、我々が追っている事件ではなくて
もしかしたら1970年代の事件を追っている長身の刑事さんの
資料じゃないですか。」
鑑識官は、きょとんとした顔で、おっさんに聞いた。
「うん。そうかもしれない」
とおっさんは答えた。
「あの1970年代の事件ですが、私が中学生のころ若者向き雜誌で読んだことがあります。
あの手の俗なマスコミが謎だ謎だと言い立て、すでに時効なのに
なんで、あの人は追っているのでしょうか?」
鑑識官は、すでに時効になった事件にかかりっきりの長身の刑事の事を思って居た。
尚更腹立たしいのだ。
「我々のように、今そのまま起きたことを解決しようとする人間がいる一方で
1970年代の眞相を追いかける事を任務とした人が居る。」
おっさんは表情を変えなかった。
つづく
コメント
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