ブルーシャムロック

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だが為に阿佐慶のアンは居るのか_エピローグ

2014-04-05 17:16:38 | 信・どんど晴れ
「竹鶴なんとか・・・。」
経済学部の講義の黒板にやたらこの文字だけが白く光って見える。
担当の講師が言うには、ニッカウィスキーの創業者で北海道の産業の発展に尽力した
ひとらしい。
自分の鞄の中は、なぜだか村岡花子の本がはいっている。
「ニッカウィスキーの創業者ですか。ならば北海道に渡った会津出身の人間の事を調べてみます
か。」
と久留実の隣に座っていた会津出身の女子学生甲さんが、色めきだった。
同じように自分の在学している経済学部に進学してきた高校の同級生でもある乙さんが
「彼女は、今度の講義は気に入っているみたいです。性格にムラのある山師的な
人ですから。」
と皮肉っぽく答えるようなところがある。
「竹鶴さんは出身地は私の高校の恩師それでもあるよ。」
と広島出身のデルタさんは言う。
講義が終わり、久留実の本を静岡出身のうららさんがみた。
「村岡花子さん、あんまり講義には關係のない本では。」
という。彼女の持っている本は鉄道の経済波及効果とかに述べた本だ。
「うん。私が個人的に興味があるから読んでいるのよ。」
と苦笑して答えた。
「高槻さん、先日はトールキンとかサリンジャーに関する本を読んでいたけれども、
どちらかといえば、文学部に入りたかったのですか?」
乙さんが言う。
「本当はここ以外に同志社の英文学部を受けるはずだった。でもあさっての方向である
神奈川縣に来てしまった。」
と久留実は答える。
「どうなるか分からない。敢えて言うが我慢の果てにはじける。」
デルタさんは述べた。
「はじけてしまうのならば、それでいい。」
久留実は口を真一文字にした。
「私は数学が得意だったから、経済学部に進学してきたのだ。しかし意外や意外
はじけた跡面白きことが起きそうだな。」
と、デルタさんは言う。
「面白きかな。我が生国にがまんをしますという考えがあれども、がまんの先に花も咲くのだよ。
デルタ殿。」
と甲さんは述べた。
「おもしろそうですね。私もじっくり見ていきたいものです。」
と乙さんが笑う。
「ニンゲンとんとん拍子に行くと跡で失敗が大きい。」
とうららさんがいった。
おわり
コメント
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