「ふーん。アゼルバイジャン産の紅茶ですか。」
僕は何もわからないまま、ここの館の主である初老の男が
薦めてくれた紅茶を飲んでいた。
この館の男は、長らく僕と共同研究を行っている女性科学者の
パトロンをしている男である。
この前はグルジア産の紅茶を薦めてもらった。
「いつも紅茶に凝ってしまって、こんなものをあなたに薦めるのはおかしいですよね。」
男は苦笑していた。
「いえ、構いません。」
このぐらい我慢できる。自分の研究に興味を持ってくれたから。
自分の研究は出来杉より理解できないだろうことも百も承知。
彼を疎ましく思い、彼を慕っている彼の嫁さんと結婚する事を望んだ。
しかし、事故があって、彼女と出来杉が結婚する事をどことなく容認する。
こうやって私は嫁さんを迎えるのは遅すぎる年齢になってしまった。
しかし、怖くない。死ぬことだって。
今の研究は、自分にとって重要で楽しいからだ。
「もう一杯お願いします。」
私は初老の男に頼む。向かい合うソファには女性研究者が座っていた。
つづく
僕は何もわからないまま、ここの館の主である初老の男が
薦めてくれた紅茶を飲んでいた。
この館の男は、長らく僕と共同研究を行っている女性科学者の
パトロンをしている男である。
この前はグルジア産の紅茶を薦めてもらった。
「いつも紅茶に凝ってしまって、こんなものをあなたに薦めるのはおかしいですよね。」
男は苦笑していた。
「いえ、構いません。」
このぐらい我慢できる。自分の研究に興味を持ってくれたから。
自分の研究は出来杉より理解できないだろうことも百も承知。
彼を疎ましく思い、彼を慕っている彼の嫁さんと結婚する事を望んだ。
しかし、事故があって、彼女と出来杉が結婚する事をどことなく容認する。
こうやって私は嫁さんを迎えるのは遅すぎる年齢になってしまった。
しかし、怖くない。死ぬことだって。
今の研究は、自分にとって重要で楽しいからだ。
「もう一杯お願いします。」
私は初老の男に頼む。向かい合うソファには女性研究者が座っていた。
つづく