(カルビー2006日本代表チップスの小野選手と柳沢選手)
サッカーワールドカップ2010南アフリカ大会も、
「無敵艦隊」スペインの優勝で閉幕しました。
今大会は、守備を重視したチームが目立ち、
「華麗なサッカー」「アグレッシブなサッカー」が
見たかった人には、物足りなかったかもしれませんが、
それでも多くのすばらしいプレーを見ることができ、
もっともっと見たかった、という気持ちになります。
さて、
日本代表チームは、海外での初のベスト16に進出し、
今後、もっと上位(ベスト8とかベスト4とか)を狙えるのではないかと
期待をする人は多いでしょう。
しかし、そのため(ベスト8以上進出のため)には、
・選手個々がもっとレベルアップすること、
また日本のサッカー界がそれを後押しすること、
・世界を相手にできるストライカー(エース)を育成すること、
が必須だと、
日本の敗退後、多くの解説者が同様のことを述べています。
しかし、
「ストライカーの育成が必要」などということは
十数年前、Jリーグが始まった時から言われています。
それだけの年月を経て、
世界に通用するストライカー、
例えばイタリアとかドイツのリーグでレギュラーFWになった日本人選手が
いったい何人いたでしょうか?
日本が出場した過去4回のワールドカップで、
世界の壁を正面から崩した日本人FWがいたでしょうか?
「ストライカーの育成」が重要な課題であることは認めます。
けれど、
何故、今まで成果が出なかったのか?
ひょっとすると、この十数年で日本がやってきたことが
間違っていたのではないか?ということにまで
言及している意見はほとんどありませんでした。
私が興味深く読んだ意見のひとつに
「日本の少年サッカーの指導者のほとんどが、
上手な子、運動神経の良い子を、まずMFにし、
その次に上手い子をFWにしている。
これをやめろとは言わないが、
子ども一人ひとりの適正に応じて、
どのようなポジションに向いているか、
その子の将来の可能性まで考えて指導してほしい」
というものがありました。
MFというポジションは、
ゲームをつくるうえで重要な役割であり、
強いチームをつくるためには欠かせません。
また、
中学・高校の部活動でも、ジュニアのクラブチームでも、
試合のほとんどがトーナメント戦です。
「負けたらそこで終わり」という形式では、
指導者も子どもの適性をいろいろ試すことができません。
そういう理由から、
短期間でチームを作らなければならないジュニア世代の指導者は、
とりあえず、運動神経の良い子をMFとして育てるようです。
が、海外では、
ジュニア世代でもリーグ戦形式での試合が主であり、
また、チームが勝つことよりも、
強いプロ選手を育てることが、指導者の大きな夢であり目標なので、
いろいろと適性を試すことができるのです。
今大会では準決勝で敗退してしまいましたが、
ドイツが「サッカー大国」と呼ばれる所以は、
ひとつに、地域のクラブチームが充実していること、
クラブでは、サッカーの好きな子・上手な子が集まる環境の中で、
毎日練習が出来ること。
もうひとつが、
そういう全国のクラブチームを巡回し、
才能のある子を発掘する指導員を、国が任用していること、です。
ここで、たちまち日本をドイツ式にすれば良い、
と言うつもりはありません。
確かに、ジュニアの指導の方法などを、
もっと先進国から学ぶべきではありますが、
それよりも、日本のサッカー関係者すべてが、
「世界と戦う」ということを、もっと意識することが
大事なのではないかと思います。
コレクター魂vol.477 カルビー2006日本代表チップス第1弾