走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

積極的になること

2016年11月03日 | 仕事
どうやって患者と繋がるか?
私が対象にしている患者層はメンタルヘルス、薬物依存、ホームレスそして貧困層。医療の中でも社会の中でも隅っこの方に追いやられた厄介者と呼ばれる人たち。
それだからか、世の中を避け人を避け、影で暮らしているような人たちが多い。

そういう人たちと繋がるためには、私から向かっていかなければならない。待っていても彼らは来てくれない。だからアウトリーチ中に声をかけ私は危害を与える者でもなく非難するために来たわけでもない事を伝えていくことも大事だ。

逆に言えば、患者と接したくなければ何もせずいればいい。彼らが集まる食堂でも隅で座っていれば誰も私のところへ来る人はいない。時間だけが経過していく。

1ヶ月に一度行く街はずれの教会のお昼時。始めた頃は並んでいる人たちに声をかけたが、毎回同じ顔ぶれなのでやめてしまった。サインは出してある。来たければ来るだろう、と積極的に声をかけるのをやめた。

先日の統計の結果で少しお尻に火がついた私。屋外でオーバードースで死ぬ人を減らさなければと、常連さんを診たあと、新顔のカップルに声をかけてみた。

大当たり!二人とも薬物依存者。その後は3人立て続けに拮抗薬のキットが欲しいとやってきた。

あーあ、やっぱり待っていてはダメなんだ。積極的にならないと、、、と再認識した日だった。


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2 コメント

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こんにちは (のびた)
2016-11-03 10:03:45
どんなに手を拡げいても そこに近寄らず いのちを失う方が多いでしょうね
こちらから出かけていく かなり危険も伴うでしょうがその心意気に感銘です
一時的に救われても そのあと また戻ってしまう方がいなければ良いと思います
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のびたさんへ (美加)
2016-11-04 10:24:47
危険はそんなに高くないですよ。1人ではないし。ご心配をおかけしています。
直線的にリカバリーする人なんてとっても少ないのです。紆余曲折。グルグル回って元に戻る人も。そうだと知っていても誰かが手を差し出さないと、何も始まらないのです。やりがいのある仕事です。
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