シリーズ2日目。
私が思う、日本の看護界の課題。
正看護師も含むOO看護師の明確な区別化とスタンダードとスコープの作成
学士課程の見直し : 3+1 の教育課程から真の4年課程への移行
3年制と4年制看護教育課程の区別化
学士、修士、博士教育課程の教育機関以外の団体によるクレデンシャル化
看護の団体の3本化(教育機関、免許管理団体、職能団体)と役割分担と協同
本日は
学士課程の見直し : 3+1 の教育課程から真の4年課程への移行
3年制と4年制看護教育課程の区別化
について
過去にこれに関して書いた記事はこちら
3+1
修学と臨床
私は国立病院の付属看護学校で看護を学びました。3年制です。その頃、4年制大学の看護科は聖路加、千葉大、高知大学だけでした。他は短期大学で3年制と病院附属の看護学校が沢山ありました。ちょうど私が日本を離れた1998年ごろは看護科の大学化ブームでした。私はてっきり大学化は真の4年制への移行だと思ったのですが、22年経った今も看護学はたった3年で残りの1年は保健師と助産師の選択と聞いた時は、兎に角驚きました。
イギリスもアメリカもカナダも病院の附属看護学校から始まりました。病院は病院で働いてくれる看護職員の量産と確保をする目的で看護学校を作りました。寮に住み、低賃金で働きながら実践的な事を学ぶ形式です。BC州ではこの附属看護学校の卒業生は1991年で終わり、看護課程が大学教育へ完全に移行しました。それでも3年制と4年制は混在し、3 年制はディプロマプログラムと呼ばれ、4年制はBSNプログラムと呼ばれていました。いつこれが全て4年制に変わったのかは調べきる事が出来ませんでしたが、私の渡加後だったのは確かです。今ではカナダ全土で4年制がスタンダードとなりました。アメリカはまだ完全な移行を終了していません。
海外では3年制と4年制の区別化を図りました。まず教育内容の違い。3年制で学ぶ事に加え修士への土台作りです。栄養士も、理学療法士、作業療法士などなど他の医療職種も4年制への移行しているので、それに並ぶためにも3年制を続けるメリットがありませんでした。このように海外ではより高い教育をする事により看護の水準をあげ、社会での地位も上げてきました。区別化は報酬の違い、昇進(可能な職種)の違いも生じました。
何故日本は未だに厚労省が看護学校の運営をしていかなければならないのでしょうか?文科省の教育機関のみでは不足なのでしょうか?これが不思議でたまりません。看護職を確保する為の昔の政策はわかりますが、世の中が変わり世界が変わっている今、昔の方法を今に引き継ぐ意味がわかりません。強いて言えば、看護師の養成から厚労省は退き、看護師寿命(資格取得から退職までの期間)が世界に比べ短い原因を突き止め厚労省として職場を指導して改善していく方が大事なのではないでしょうか?そして同じこと(看護師養成)を違う省庁(厚労省と文科省)で行う「無駄」も省けます。
私の看護学校の教師は1年の中央研修期間を経て教官になった人たちでした。論文を読み書きするような人たちではありませんでした。そしてそんな事は一つも学びませんでした。教科書に書かれたことを教科書通りに学んだ3年間でした。カナダの母校の学士課程では博士号を持つ教授から考える授業を4年間受けています。カナダへ来てから看護学生や新人看護師の完成度の高さに驚きました。自分自身大学院を経て大学教育の水準の高さに驚きました。だから私は専門学校は職業訓練校で大学は考える力をつける場所と言います。
これを語る時に准看護師制度を忘れてはいけません。
日本の准看制度
本当のタスクシフティングと多種職医療
アシスタント
医師のカバン持ちだった看護師像は遠い昔の光景です。医療は進歩して医師とかばん持ちの看護師だけでは国民の健康が保てない、患者の治療できない時代が来たのです。世界は看護師を発展させ、准看も進化させ、介護士も病院に投入し、見合う給与で予算を回します。看護師の位置付け自体が変わったのです。しかし日本は療養上の世話に固執し独占行為にとどめておきたいからなのか、看護師の業務の幅を広く構えています。これが3年制を引きずっている要因でもあると私は思っています。
医師会や看護師の絶対数の不足など専門学校を切ることができないのならせめて区別化を行ってください。海外では区別化をする事で3年制から4年制教育の移行がスムーズになりました。地位や将来、給与が変わるのですから、人は流れていきます。自ずと大学教育も高度となっていくでしょう(区別化をしないことで歯止めがかかっている)。日本のお役人さんはわからないでしょうが、世界では看護師は医療におけるリーダーです。日本にはそれが欠けているのです。数より質を求めていきませんか?未来のビジョンを語れる看護師を育てていきませんか?
医師のカバン持ちだった看護師像は遠い昔の光景です。医療は進歩して医師とかばん持ちの看護師だけでは国民の健康が保てない、患者の治療できない時代が来たのです。世界は看護師を発展させ、准看も進化させ、介護士も病院に投入し、見合う給与で予算を回します。看護師の位置付け自体が変わったのです。しかし日本は療養上の世話に固執し独占行為にとどめておきたいからなのか、看護師の業務の幅を広く構えています。これが3年制を引きずっている要因でもあると私は思っています。
医師会や看護師の絶対数の不足など専門学校を切ることができないのならせめて区別化を行ってください。海外では区別化をする事で3年制から4年制教育の移行がスムーズになりました。地位や将来、給与が変わるのですから、人は流れていきます。自ずと大学教育も高度となっていくでしょう(区別化をしないことで歯止めがかかっている)。日本のお役人さんはわからないでしょうが、世界では看護師は医療におけるリーダーです。日本にはそれが欠けているのです。数より質を求めていきませんか?未来のビジョンを語れる看護師を育てていきませんか?