走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

テントシティー

2015年06月02日 | 仕事
私はキャンピングが大好き。子供の頃家族で毎年夏はテントキャンピングをしていたし、カナダに来てからも同様だ。鳥の鳴き声を聞き緑に囲まれてのんびりできるから大好きだ。水やトイレの無いところでのキャンプも平気だ。キャンプ料理も好きだし、キャンプ中も美味しいものを料理する。2週間ぐらい野外で暮らすのもへっちゃら。雨が降ってもテントの中が濡れないようにする術を知っている。雨が続いているからと言ってテントをたたんで帰ったりしない。

だからきっと自分がホームレスになったら生きていけると思う。

先週久しぶりにテント シティーを訪れた。2年以上同じ場所でテント生活をしているカップル。訪れる人を泊めたりする結構リーダー格の二人。私がシティーと呼ぶのはそれほど大きいテント(居住区)だからだ。

こういうことは稀だ。公共の場にテントを立てることはできないし、私有地だと不法侵入に問われる。なので市街地でホームレスだとビルの裏などで仮眠を取るスタイルが多い。しかしこの二人、私有地のオーナーとそれなりの関係を築き条件付きで目をつぶってもらっている。

条件は
整理整頓、ゴミを出さない。
焚き火をしない
人目につかないようにする

テントシティーは整備され、毎日掃き掃除が行われている。ゴミもきちんとまとめて廃棄している。焚き火の代わりにプロペンを使っている。メインの道路からは全く見えない。

逆に言うとほとんどのホームレスの人たちはゴミを散らかし、火事を起こしたり、騒音や態度で人目をひく。こんな感じだ。



しかしそういうことができないからホームレスという一面もある。なので家を与えることはホームレスの解決にはならない。社会で生きていく術を教える、もしくはサポートすることが並行して大切なのだ。


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