2018年10月18日現在、免振装置と制振装置のデーター偽造について
連日、マスコミで報道がなされています。
データー偽造については、当然問題ですが、偽造していないデーターでも、
それを信じたら実際とは全然異なるというのは、建築に限らず世の中にたくさんあります。
耐震と免振、制震はそれぞれ別々のものです。
まず、耐震を十分クリアした上で、免振や制震をプラスアルファで行うのが当然です。
免振や制震は、あくまでプラスアルファで、メーカーの宣伝している効果が
100%望めなくても当然、という前提で設計、設置しないといけません。
メーカーの免振や制震データーが、仮に偽造していなくても
1)最も効果のある条件でのデーターを取り上げて宣伝している
2)実験のデーターと現実とは、全然違った条件となっている。
ということも少なくないです。
個別に建物ごとに綿密に計算をしたとしても、
免振や制震は、地震の周期(周波数)の幅を想定して、
建物の固有との組み合わせで、それを打ち消すような働きで設定しています。
そのため、想定していなかった範囲の地震周期の場合、
有効にならなかったり、最悪、揺れを加速するということも
理論上は有り得ます。
科学が進歩していて、みなさんは計算されたものは全て正しいと
思っていらっしゃるかもしれませんが
少し前の2011年の東北大震災で、高層ビルが想定していなかった地震の周期を受け、
大きな揺れが加速し衝撃が走りました。
そういう地震の周波が来るとは、想定していなかったからです。
地震については、実はまだまだ全然わかっていないことが多いのです。
耐震や免振、制震といっても、
それぞれの大地震が来てみないとどうかわからないというのが
本当のところです。
熊本の地震も震度7が2回は想定外でしたし、
北海道地震も、あのレベルの震度での地すべり、
液状化の大きな被害は想定していませんでした。
熊本大地震で、有名国立大学の研究チームが、一番信用できる放送局の特集で
その研究過程や解析、なぜ長期優良住宅が倒壊したかという結果を
まとめたものを報道していました。
最後の最後の結論、なぜ長期優良住宅が倒壊したのか、
という結論を出したコメントの時に、私は、ズッコケました。
「いや、全然違う、放送されている解析内容からして、
その結論は、全然違うんだけど」
という内容でした。
信用できる放送局と有名国立大学の研究チームなんだから
みなさん、私の方が間違ってると思ってるでしょ?(笑)
その放送局の担当者が、間違った理解をしていたのだろうと思いますが、
その結論は、専門用語を理解していないゆえに支離滅裂な意味になっており、
完全な間違いでした。
もし知りたいというご要望があれば、また記載します。
私が、昔から訴え続けている結論になる解析やデーターだったのに
突然、支離滅裂な結論コメントで終わったので、よく覚えていますので。
ただ、録画して、かなり月日が経って観たので、スルーしましたが
最近でも、大阪北部地震で、やはり別の有名国立大学の研究チームの発表を
専門誌で行っていました。
見出しを読んで、どういうこと?と疑問に思ったので、
しっかり読みましたが、見出し、本文中、結論と肝心な専門用語を毎回間違っているので
これも意味が通じないのです。
発行されてすぐだったので、メールで
「専門用語を間違って使ってるので、
完全に説明も結論も間違ったものになっています、
正しくはこういうことを言いたいのでは?」
と連絡しました。
10日くらいして、「間違いでした訂正をできるだけ早く行います」
という返事が専門誌から回答が来ました。
私は、そもそもこの内容には懐疑的でしたが
それは別にしても、発表するなら正しく発表していただきたいのです。
別の表現ですると、容疑者の名前を間違って報道しているようなものですから。
何がいいたいかというと、
間違ったことや、誤解させるような発表はたくさんあるので
素人は気付かなくて信じるし、
主観的なものなら違っても仕方がないのですが
専門家という肩書の人からも
その言い方だと誤解するよね、というコメントを耳にします。
ですから、報道されたことが全て正しいと思わず
正しく理解できるまでは、話半分に聞いておくべきです。
TVでの一般向けの建築に関してのニュースや解説は
専門家が出ていても、あまり見たくないのは、
おかしなコメントを聞くと嫌な気分になるからです。
さて、免振、制震、耐震、
次回、これらについて、どう考えた方が良いかをコメントします。
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