みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
昨日は、神奈川県建築士事務所協会の相談当番になっていたので、
関内で2件のご相談を受けました。
そのあと、設計監理指導委員会が同じ日にあったので、
会議に遅れて参加しました。
本日は、メール相談にブログでお答えします。
最近のコメントには、おととい相談に回答したばかりのものもあります。
ご覧下さい。
RCリフォームについての質問と回答/コメント欄
さて、昨日頂いた新しい相談の要点です。
「2F建て新築中。図面には通し柱が7本あり、実際の建築中に見たら
全て2F部分で寸断され通し柱でないことに気付きました。
工事やり直しか、契約解除か、もしくは、接合部分の補強で対応してもらうか、
どの選択肢が妥当なのでしょうか?」
一般的な構造に関するご質問ですので、
回答もみなさんにシェアーしたいと思います。
私の回答です。
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構造面なのでご心配だと思いますが、
結論から申し上げますと、補強で大丈夫です。
補強の方法は、ホールダウン金物などで1階と2階の柱を緊結します。
建築基準法にある、数少ない木造の構造に対する法律です。
建築基準法施工令第43条5項ですが、
「階数が2以上の建築物におけるすみ柱又はこれに準ずる柱は、通し柱と
しなければならない。ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有する
ように補強した場合においては、この限りではない。」
とあります。
具体的には、写真のように1階と2階の該当する柱をホールダウン金物を
使って緊結します。これで大丈夫です。
▲このように1階と2階をつなぎます。(㈱カネシンの製品カタログより)
この場合においては構造用合板で固めるという方法は、通常不可です。
写真や図のような方法を選択して、正しく工事をすれば、
同等以上になりますので、構造的にも法的にも問題はありません。
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最近は、建築検査専門の会社やNPO組織が増えています。
一般の建築士でも対応している場合も多いです。
ですが、中にはいたずらに不安をあおるようなコメントを行う建築士が
多い気がします。それでいて、肝心な点を見落としていたり、
原因の正しい推測が行われていません。
要するに、建築士の正しい知識や経験が不足しているのです。
設計もしっかり行い、工事監理もしっかりできて、現状や現場で何が
行われていて、何が正しく何が悪いか…
こういったことを知っていないと、建築の瑕疵や欠陥などについて
正しくコメントはできないからです。
また、そういうバランスをもって追求している建築士は少ないからです。
弁護士を通して裁判所に出される建築士の鑑定書でさえ、
依頼者に媚びを売っているとしか思えない、
それでなければ完全な無知からくるとしか思えない内容が
書かれていることがあります。
依頼者の機嫌を取るのではなく、建築士としてもっと勉強して、
どうどうと正しい意見を述べられるようになって欲しいものです。
横浜市 一級建築士事務所
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