▲ 屋根と外壁に断熱材を吹き付けたところ
屋根面は、通気層を確保する材料を入れ結露を防いでいます。
また、垂木の高さを140ミリとして、断熱層を厚くしています。
断熱材の工事方法は、いくつかあります。
日本だけしか使われていない、
グラスウールやロックウールをビニールでパックした材料を
大工さんが外壁などに押し込んでいく方法
が、日本では一般的です。
そして、この方法は、いろんな面で設計上、優遇を受けられます。
ミタス一級建築士事務所では、ここ数年は、
写真のような現場発泡の断熱材を使用しています。
価格が高くなっても、工事が完成した時点では
完全に隙間が無くなり、厚さもあるので、
断熱欠損もなく、施工品質を含めて
現実には断熱性能が高くなるからです。
しかし、設計上の数値では、あまり評価されていません。
こういったことは、他にも住宅工事では、珍しくありません。
多額の費用が掛かるので、認定を受けていないという理由の場合もありますが、
机上の空論で、現場の工事や実態を考えることなく
材料のある部分での断片で性能数値を一律に評価してしまうためです。
グラスウールやロックウールでは、
一般的に、よく行われている間違った施工方法では
断熱性能が半減するというデーターまで存在しているようですが
それらは、完全に無視されています。
実情、実際にはどうなのか、という点を
工事を含めて、確認し、学んで、考えていくことが必要です。
Q値やC値の数値を、私が以前から軽視しているのは、こういった理由からです。
内容と測定方法などをよく理解して、現状や実情と照らし合わせれば
正しく工事をしていれば、Ⅳ地区では、その数値は考える必要もなく
あまり意味がないとわかります。
最近、ようやく、Q値の単独数値に関しての過大信仰が見直され始めたようです。
もっと実情を考えて、建物の状況に合わせて評価しようという考え方にです。
とはいえ、決められた規制の中でしか、許可が降りない場合は
それに従うしかありません。
例えば、長期優良住宅の優遇を受けるには、
長期優良住宅の足かせを履いてクリアーしなければ
納得できない部分があっても、従う必要があります。
規制する側もされる側も、試行錯誤しながら、
住宅の品質が向上していくことを願っています。
▲断熱材の上から、透明の防湿フィルムを張っています。
▲▼ボードを部分的に先行張するのも、規制をクリアーするためです。
外壁に面する金物も、そこからの断熱欠損を防ぐために、
お願いをして、断熱材で覆ってもらっています。
▲▼サッシの廻りの、小さな隙間も、断熱材で埋めます。
残しがあったり、忘れていれば、チェックして指摘、確認します。
▲その後、防湿フィルムをキッチリ張って、押さえます。
丁寧に工事をしてもらうよう、確認する、指示することが
建物の品質を大きく作用します。
通常、実際の現場でこんなことをうるさく指摘、指示されるケースは
ほとんど無いようです。
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