一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

インテリアコーディネーターのお仕事

2007年01月31日 09時23分23秒 | 建築家の日記

おはようございます、清水です。

現在、ミタス一級建築士事務所でインテリアコーディネーターのスタッフの面接をしています。

ハウスメーカーのインテリアコーディネーターなら、クロスの色決めやオプションの選択など決められた中から選択し、照明器具やカーテンの提案程度の繰り返しです。

実際に仕事を続けていれば、設計をすればインテリアまで、インテリアをすれば設計からしたくなってくるのが普通です。

ミタス一級建築士事務所の設計スタッフにはインテリアの面まで、インテリのスタッフには設計の面まで自分のペースに合わせて求めていけるようにしています。決まった仕上材、仕様や素材があるわけではないのでインテリアコーディネーターとはいえ、常に向上しながら新しい知識や商品、素材を求め、経験を積んでいかなければなりません。

多分、学校で習う10倍以上の濃度で学べるでしょうし、1年すれば並みのインテリアコーディネーター相手に講師として教えることのできるレベルまで到達していると思います。


そのため、資格があるだけでなく向上心があって、仕事そのものを楽しめる人にお願いをしています。仕事をしなければならないという人ではなく、仕事をすることで自分が成長していくことが楽しいという人でなければ、難しいかもしれません。

現在のインテリアコーディネータースタッフは、建築士とインテリアコーディネーターの資格があり、経験も積まれてきた方ですが、4月から海外赴任のため仕事が続けられなくなります。小さなお子様がいらっしゃるので、負担のないようにスケジュール的にOKのときに仕事をしてもらって助けていてもらいました。

欠員による募集ですが、仕事が負担にならない程度に、楽しみながら長く向上心をもって仕事をする。これが一番だと思います。

私が年中無休で仕事ができるのは、使命感や義務感、責任感もありますが、それだけでは続きません。仕事をすることが好きで楽しんでいるからです。好きな仕事をして、そこにお住まいになるご家族に喜んで頂き、自分自身も向上していくことを楽しんでいるのですから、土日祝日も休み無しで平気で仕事ができるのです。

現在のスタッフも、みんな向上心をもってがんばって成長してくれているので、これから先が楽しみです。


ミタス一級建築士事務所 清水煬二


 
横浜市 注文住宅 設計のミタス 一級建築士事務所



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雨漏れしたら…

2007年01月30日 23時59分27秒 | 住宅ノウハウ・実例


こんばんは、清水です。

完成して、台風や大雨のときに不幸にも雨漏れしたら…。工務店はまず、コーキング(防水のためのシーリング、弾力性のあるシリコン材などを塗ること)をします。

そして様子をみると…。次回の台風や大雨のときに、また漏ります。

これは、なぜでしょう?完成してから、雨漏れして、コーキング材で止まるケースは少ないのが現状です。コーキングすべきところを忘れてというならともかく、内部の何かがおかしいから雨漏れするのが普通です。その場合は、コーキングをしてもダメです。

ところが、職人さんが良くわかっていないと、剥がしてやり直してもダメなことがあります。

雨漏れしない基本は簡単なのですが、それがわかっていないことと、おろそかにするからです。

基本は、水は上から下に流れる。一見すると隙間の無いように見えても風が吹くと雨が入り込んでくるということ。入り込んだときにどのように水を外に出すか、このことを考えていないからダメなのです。


また、コーキング材で防水をするには、厚さと深さに加えて、事前にぷ来マーと呼ぶ接着剤の塗布が必要です。木造住宅の技術者や職人は、このコーキング材の正しい工事方法を知らない人が多いようです。



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住宅の中古の防音室紹介

2007年01月29日 15時55分27秒 | 建築家の日記


こんにちは、清水です。

先週土曜は忙しくてアップできませんでした。

ヤマハの中古の防音室について、購入先やデメリットについてご質問を頂いたのでお答えしましょう。

具体的な購入先例は、

http://www.mmjp.or.jp/MIYAJI/BOUON/avi4.htm


をご覧下さい。他の地域でも同じような会社はあるはずです。
この会社をお勧めしているわけではありません。ご自身で良く検討され何かあっても自己責任でお願いします。


現場防音工事と比べての価格以外のデメリットですが、

①使用するスペースが狭くなる。
②エアコンを付けると効き過ぎるかもしれないので注意。
(付けないと夏は暑いでしょう)



メリットは、おわかりになりますね。

①防音性能が事前に把握できる
②工期が短い
③中古なら求められる性能に対して割安な場合がある。
④再使用、引越しにも対応できる。

などです。

ブログの記事に関してのご質問で、一般的なものは、できるだけブログの中でお答えします。個別のものは、メールの返信でお答えしています。


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住宅の防音について

2007年01月26日 10時23分23秒 | 住宅ノウハウ・実例
おはようございます。清水です。

住宅の防音について、質問がありましたので、簡単にお話しましょう。

方法は、いくつもあります。

現場で防音の工事をするのですが、防音材を入れたり、遮音材を入れるだけでは不完全です。音の周波数を伝える空気の流れを断ち切らないといけません。サッシなどもすべて点検や加算しますが、24時間換気が義務付けられている現在は、空気の流通に合わせて音が漏れますので両立させることは難しくなります。

ピアノの先生の家を防音リフォームしたとき、換気扇は防音専用の換気扇を使用しました。床下からの音の漏れも気をつけなければなりません。
吸音、遮音などの防音材料を使うだけでなく、その工事が丁寧で完全でなければ効果は半減します。

高音の周波数はかなりカットできますが、低音は物体を伝わってきますのでなかなか厳しいです。ピアノの脚にゴムのような防音材を敷くのは、特にこの低音の振動を床に伝えにくくするためです。

寝室などに行う簡易防音であれば、遮音シートなどを利用すれば、簡単に高いコストパフォーマンスを得られるでしょう。とはいえ、正しい工事でなければなりません。

ヤマハの防音ルームを利用する方法もあります。新品は高いので、中古の防音ルームを利用して半額で済ませたこともあります。

現場で工事をする場合と、既成品の防音ルームを設置する場合とでは、一長一短がありますので、よく比較して実施すると良いでしょう。

トラックが通ることで家が揺れるなどという場合は、また全く別の方法で対応しなければなりませんので、念のため。


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▲大工さんが切ろうとしているのが、遮音シートです。




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本日、上棟中…

2007年01月25日 16時28分17秒 | 建築家の日記
こんにちは、清水です。

本日2007年1月25日も上棟中です。冬の日が短い間は、暗くなるのが早いため作業は途中でも早めに終わるのですが、夏は7時くらいになることもあります。

本日は、夕方5時くらいまででしょうから、再度行かなければなりません。施主のお父様は工事関係のお仕事の方で、ご覧になり「これなら地震が来ても安心だ。」とお喜びでした。

構造材をプレカットをした担当者も来てくれました。木材についていろいろお話を聞きました。私は使いませんが、ホワイトウッドの集成材が高騰して、杉の乾燥材の価格もどんどんあがっているとのことです。

昨年からこの半年間、住宅の材料や製品の価格がどんどんあがっています。私の感覚だけで少なくとも平均で10%、もしかして15%以上、平均で上昇しているかもしれません。石油の高騰と、東南アジアからの木材の輸入制限の急激な高騰で、直接関係ないものまで上昇しています。

いずれ消費税も上がるのでしょうから、その時点の駆け込み需要で建材はおろか工賃の高騰も起こるでしょう。バブルのときもそうでしたが、細かくて儲からない施主の仕事の場合は、後回しになってしまうかもしれません。先々を考えると本当に困ったことです。税金の無駄使いを止め、消費税を上げなくても大丈夫という本当の改革を、政治家のみなさんにはお願いしたいですよね。





▲好天に恵まれて、良かったです。



▲柱も梁も、無垢材です。



▲床下地は、剛床にして28ミリの合板を




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注文住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(4)

2007年01月24日 12時05分10秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。

内壁の仕上げについてですが、ドライウォール、珪藻土については以前に簡単にお話しました。

ドライウォールにしたいのですが、石膏ボードの質が北米と日本では異なることと、住宅の造り方の違い、職人さんが普及していないこともあって値段も高くなり、ヒビも入りやすいのです。

珪藻土は、メーカーによって混ぜ物が多いので、あまり健康に良いと信じきらない方が良いということもお話しました。

室内の塗り壁を何にするかですが、様々なものを今まで使っています。
これに決めたというものは、なかなか無いのですが、次回試してみたいと思っているのが、スイスの漆喰というものです。
天然素材を扱っている、イケダコーポレーションという会社のものですが、同じくここでも扱っている天然塗料のリボスは、オスモ同様よく使っています。

工事費を入れた価格がどうなるか心配ですが、設計で指定して、事前にメーカーの話や実物を拝見してやってみたいと思っています。

塗り壁以外にも場所によっていくつかお勧めがあります。桐材、エコカラット、さらりあ、などです。次回はそれらについてお話しましょう。


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2月の住宅勉強会は

2007年01月23日 18時16分00秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
こんばんは、清水です。

また遅くなりました。本日は、朝から都内まで講習会に出ていました。やはりその分野の専門のプロは、経験も知識も豊富なので、勉強になります。丸々一日の時間が潰れるというのは貴重です。忙しいので今回止めようかとも思いましたが、自分だけでは一日では、とても学べない量の勉強をさせて頂きました。建築は広くて深いので、一生、常にインプットが必要です。


さて、勉強と言えば、来月2007年2月17日(土)の勉強会についてですが、今までとは内容が、ちょっと異なります。木造2階建ての筋交い計算の方法をお教えします。これが実に簡単なのですが、本を読むだけでは一般の方にはわからないでしょう。しかし教えてもらえれば、電卓の掛け算と足し算でできます。

「これを知って何の役に立つの?」ということですが、実は皆さんの木造2階建ては、この計算をしなくても建築確認申請は通ってしまうのです。ということは、書類でも現場でもノーチェックです。

姉歯さんの耐震偽装で「マンションは危ないのでは?」と騒いでいましたが、木造住宅ではもっと有り得るのです。現に、中古住宅の検査依頼を受けて確認していますが、何度か筋交いが明らかに不足の家がありました。図面と計算上であるはずの壁がない。ここにないと地震に対抗する筋交いが足りないということもわかります。逆にあるはずの壁が無いが、これがなくても計算上は大丈夫ということもわかります。


皆さんの家の壁をリフォームで将来取るときに、大丈夫かどうかの確認も工事業者任せではなく、できてしまいます。そういうこともある程度わかっても良いでしょう。

難しい突っ込んだことは、わからなくても最低限の考え方や計算方法はわかるように説明します。ご希望の方は安心してご出席ください。



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ミタス一級建築士事務所では、ほぼ毎月第3土曜に住宅の勉強会をボランティアで行っています。ご希望の方は、気軽に参加してください。


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住宅の土台敷きの現場にて

2007年01月22日 21時22分14秒 | 建築家の日記
こんばんは、清水です。

またまた、早朝から現場廻りで遅くなりました。

「住宅の災い転じて福となす」のブログを読まれて、その内容のご本人からメールを頂きました。「いい想い出で今となっては、笑い話のようです」ということと、快適にお住まいになっているご様子でした。

私も、すぐ覚悟を決めることができたので、冷静に前向きに対応できましたし、結果的にはすべて良い方向に進んでいってくれたので、本当に良い想い出です。



さて、本日は土台敷きの現場がありました。土台は無垢ヒバ材の12センチ角をいつも使いますが、やはり10.5センチ角とは安心感が違います。みなさんも、土台だけは、12センチ角(4寸角)の無垢のヒバ材を最低限お使いください。

もちろん、栗材や4.5寸角、5寸角などさらに良いものもありますが、集成材や栂材の薬剤処理材は避けた方が良いでしょう。

家全体の価格から比べると、安い材料と無垢ヒバ材の4寸角を使った場合の材料代の差額は僅かで、数万円程度の差です。古い家は土台が腐っているケースが多いので、耐久性を考えても選択可能なら、これにすべきです。

「ヒノキの方が良いのでは?」という方もいらっしゃいますが、ヒノキもちろん良いのですが、土台に関してはヒバ材の方がベターです。

ヒノキは木が素直で反りや暴れが少ないので、化粧柱や造作材にはもちろんヒノキをお薦めしますが、耐水性や防蟻性にはヒバ材の方が強いのです。いずれも集成材はだめです、無垢材ですので、よく覚えておいてください。


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住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(3)

2007年01月20日 17時26分32秒 | 住宅の材料を考える
こんばんは、清水です。

朝から打ち合わせが続いたので遅くなりました


室内の壁について、クロス関係の仕上げについては、以前述べました。
本日は、木製の仕上げ材について述べましょう。

30~40年位前ですと、天然木化粧合板仕上げの壁が主流だったのですが、インテリアが暗いイメージになることもあって、工事も容易で明るく感じるビニルクロスへと変わっていきました。

この天然木合板のメリットとしては汚れが目立ちにくいので、クロスのように張替の必要もなく、そのまま何十年とお使いになっているケースを拝見します。

この天然木合板ではなく、天然無垢材を張ることもあります。値段がかなり高いのですが、小さいブロック調になったものが出回っています。

同じ使うなら、カタログを出しているメーカーが造っている合板や天然木ブロックより、材木屋さんから仕入れた無垢材の羽目板の方が良いのではないかと思います。値段的にもそれほど高くはなりません。材質は、杉、ヒノキ、サワラ、などが使われやすいですが、節の有無や色、仕上げ状態によって値段がかなり異なるので、選ぶことができれば、そのこと自体が面白いかもしれません。

壁全体が天然木の場合、木の目が多くて山小屋風でちょっとうるさく感じることがあります。そのため、床と天井だけに使うとか、壁に使うなら腰壁や、室内のある一面の壁だけに限定して使うと良いでしょう。

壁に天然木を使うとインテリアのイメージをかなり限定してくることもあるので、使い方には注意です。

ビフォーアンドアフターに出たときに、コストを抑えるため浴室の壁に杉の天然木を使いました。防水や防湿をしっかりしないといけませんが、壁の下部と床、浴槽にハーフユニットを使えば割安にはできます。余談ですが、この場合のハーフユニットに関しては、TOTOよりもイナックスの方が見映えが良いです。



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防水処理と住宅の耐久性

2007年01月19日 11時55分27秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。


外壁の防水処理は、どの現場でも完全になされていて素晴らしいという現場を見たことはありません。一流のハウスメーカーでも、忘れや雑な部分があって、私がチェックすると必ず手直しをしてもらうことになります。

このことは、住宅の耐久性を増すための私のこだわりですが、キッチリと正しくできている住宅を、見たことがないのです。

では、なぜそんないい加減で許されるのかというと、ハウスメーカーを含めて造り手は雨漏れのクレームが無ければ構わないのです。雨漏れとはわからず、染み込んだだけが続いて20年後にリフォームで壁を壊したら、柱や土台が腐っていた…。という住宅がほとんどですが、これはクレームになりませんから、この工事でいいんだと、いい加減な気持ちで許されてしまうからです。


そのため、この部分は必ず私が自ら手直しをすることになってしまうのです。現場監督や大工に教えても、バルコニーなどの細かくて最新の注意で行うべきところは、何度言っても、何度教えても完全にはできていません。

ただやった、というだけで心がない。これをすることによって、耐久性が増すんだ、今までの日本の住宅ではなく欧米並みの住宅にするんだというような志や心がないまま仕事をしているから不完全なのです。


今朝は、朝の6時着で外壁の防水の現場確認、簡単な手直しだけなら私が行って、職人さんが朝8時に来たときには、昨日からの仕事をスムーズに引き続き行うという段取りだったのです。

現場を確認すると、忘れていて未処理の部分がいくつもあったのと、朝早過ぎて若い現場監督の立会いが無かったので、予定を変更しました。

時間をファミレスで潰し、再度現場へ8時過ぎに向かい、職人に手直し指示、職人がやっても再度手直しさせることになるだろう細かい部分を自分で手直しして、今事務所にもどって来ました。


日本の住宅は造り手の立場で設計も工事もチェックも行うから、良い住宅が生まれない。工事を分離した第三者の設計と設計監理がいて、初めて良い住宅になり得ると思って、それを訴えてきました。


ですが、私が求めるような完全な工事にするには、結局私の手が必要ですから、私が工事をする…、専門の職人を直接抱えて教える、いやせめて現場監督にでもなった方が早いのではないか…と最近は思い悩むようになりました。


新築は、工事をストップさせ私がOKを出して初めて次の工程に行かせれば良いのですが、お住まいながらのリフォームで増築などの場合は、これができなくて困ります。

既存部分の取り合いの雨仕舞い(防水処理)の確認ができないのが通常です。屋根や外壁などを剥がしたら、すぐにその部分の処理をして塞がないといけませんから、その処理を確認するために、私が一日中現場に付いていることができないからです。

ですから、残念なことに私が検査できなかったリフォームの増築部分での取り合いから雨漏れが起こることがあります。

口頭で、あるいは図で事前に現場監督に説明しても、いい加減に考えているので、職人に伝わりません。仕方が無いので、工事前に職人にも説明するようにしても、実行されなかったり、ただやっただけで不完全なため手直しが必要になったりするのです。

リフォームでは確認できずに塞がれるこことになりますが、雨漏れをした場合というのは、剥がしてみると、必ず私のいうようにやっていない場合なのです。
雨漏れをして初めてどうすれば良いのかと教えを請う姿勢になるのですが、喉元過ぎればで、こりないのです。

なぜこうなるのでしょう?日本の住宅産業がこれまでいい加減でも充分通用してきたからです。戦後の質よりも数を増やす政策に官民一体で取り組んできましたから、質を求められる現在になっても、意匠やデザイン、素人にわかりやすいキッチンやバスルームなどの過剰なサービスが質の向上だと考えているようです。皆さんの目や嗜好がそちらを向いていると考えているからでしょう。

現在の日本では25年や30年で住宅は建替えられていますが、それを皆さんも仕方がないと思っているのですから、皆さんにも責任はあります。

私はそういう住宅を設計され建てられていくことが耐えられなくて、年中無休で現場を走り回り、意匠中心で耐震性を無視した設計を平気で行う建築家には警笛を鳴らして呼びかけながら毎日過ごしています。


皆さんももっと早く目覚めて、本当の住宅の質を要求すべきなのです。皆さんの要求する内容が変わってくれば、日本の住宅産業も変わっていくでしょう。一日でも早く他の先進国並みの耐久性のある住宅になる、その日が来ることを願って仕事をしています。


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阪神大震災から12年

2007年01月18日 11時32分04秒 | 建築家の日記
こんにちは、清水です。


2007年1月17日の昨日は、阪神淡路大震災から12年経った日でした。

12年前は、外出先のテレビで見るたびに深刻化していく状況を愕然としながら見ていたことを思い出します。

大地震のたびに建築基準法が変わるのは、人類が最先端の技術を駆使して研究しているようにみえても、建物物の耐震性や強度についてさえ、まだまだわかっていないことが山のようにあるからです。

あらゆる分野の専門家がそうであるように、建築士も謙虚に常に向上し続けていかなければなりません。


この12年経った昨日は、岡山の田辺先生に同行して、吉良先生が設計して完成、入居されている300年住宅の見学に行きました。お住まいになっている奥様、吉良先生、もちろん田辺先生とも前日からたっぷりお話をお伺いできました。

今回強く感じたのは、設計者だけでこの工法を普及していかせるには非常に難しく、合理性と品質確保のための工事の指導や改善、工事の実施協力者を含めての対策を行なっていかないと、良いことはわかっても浸透していかないだろうということです。


今年は、木造の性能向上に加えて、この面も意識しながら出来ることから行い進んでいくつもりです。

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住まいの考え方の前提

2007年01月17日 06時27分46秒 | 建築家の日記
おはようございます。清水です。

本日は、これから岡山県の田辺先生と「300年住宅」を見学に行きます。

昨日の家相や風水の件で、「否定されますか?」との質問を受けましたのでお答えいたしますと、

否定はいたしません。理解しているつもりです。また、住まいは、そこに住まう方の考え方や価値観を優先すべきだと思っています。できるだけその希望や価値観に添うようにしています。


そしてイエスマンにはなりませんので、こちらがベターだと思う考え方やその理由もお話し、メリットとデメリットをご理解いただいた上で、選択されるのであれば、尊重させて頂いています。

物理的な問題、例えばシックハウスや構造的な問題などで、「それは止めた方が良いです。」というようなことは、ご要望によってはお受け兼ねることはあります。

こういう考え方のやり取りを行いながら住まいを創っていく過程も楽しんで頂ければと思います。

現在の日本の住宅が先進国に輸出されているということは、聞いたことがありません。気候や風土に合わないのではなく、住宅の前提となる考え方が異なるため通用しないのです。一般の方が与えられている情報は、「戦後の日本の数を増やさなければならない住宅政策によって生み出された造る側の考え方」を前提とした知識が多いようです。


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家相や風水と注文住宅(2)

2007年01月16日 12時41分13秒 | 建築家の日記
こんにちは、清水です。

私は目に見えない力やエネルギーも存在すると思っている方ですが、

家相と風水については、本音を述べると、家の形状や間取りより土地の方が、はるかに大切な気がします。
そして一番言いたいことは、根拠が曖昧なわけですから、ダメだという否定的なことを気にし過ぎないことです。気にし過ぎない方が良いという理由を述べましょう。

気にし過ぎると、より良い住まいどころか、家を建てることが不可能になります。

気にされる方の多くは、「~に置いてはいけない方位」を耳に入れてきて気にします。

そのいけない内容は、書籍や人によっても異なります。それだけでなく、北の方位の取り方ひとつをとってもいくつかの説があり、もっともらしい理由とともに述べられています。

具体的に説明しますと、

「磁石が北を向く方向がエネルギーを発しているのだから正しい」
「地軸である真北が正しい」
「北極星の方向こそが正しい」

の大きくわけて3つあり、
「昔と比べて北も移動しているから補正すべきだ…」とまで述べる専門家も…。

では、気にする人はどうするかというと、否定的なことを知ってしまうとすべて避けたくなります。

日本では、磁北と真北とは5度~10度、アバウトに考えても7度も差があります。

たった7度ではなく、7度もです。何故なら、鬼門、裏鬼門、正中線、四隅線がダメな箇所になりますが、その7度がそれぞれ8箇所に影響します。これに八方の方位も関係してきます。

さらに、その中心線の取り方も様々な説がありますから、どれを信じるのか…。すべてダメということで消去方で避けていくと、どうやって間取りを決めれば良いのでしょう…。建てる時期や土地によっても吉兆はありますし、そこに住む人の生年月日によってもダメな方位があります。


水廻りを無くした家ならば何とかなるかもしれませんが…。(^^;)
今の日本の土地で、これらの消去方で消していくと住める家を設計することは不可能でしょう。


家相の本を見ると吉相の家の間取りが出ていますが、日本の標準的な4LDKの同じ家で、1階と2階の両方すべて吉相を満たし、悪相を避けた例として出してくれている間取りを見たことはありません。

1階だけとか、別の家の2階だけとかはあります。それでも、おかしい部分はありますし、2階は気にしなくて良いという本もあります。何かと理由を付けて、「この場合は、こうだから良いのだ…。」とこれまた専門家によって勝手な注釈を付ける人もいます。実際に「え~っ??」というような裏話もいろいろ聞いていますので、勝手な注釈と述べておきます。

どの世界でも必ず少数の本物と圧倒的多数の偽物がいるのは止むを得ないでしょうが、振り回されないようにすべきです。本当に気の流れやエネルギーを感じることのできる人が言うのであれば、多少信じますが、あれこれ頭でこねくり回した知識を述べている人の話は…話半分…、いや最大でも半値8掛け9割引で考えておくべきです。


私が気にし過ぎない方が良いと言うのは、ダメな方位を気にし過ぎると家相や風水の悪い面に縛られてしまうので、

同じ気にするなら良い方向になっている部分に注目して、その作用がプラスされるのだと喜んで、家相や風水をあなたが利用すべきです。

「~だからダメ」でダメな点を気にするのではなく、「~だから良い」と良い点を意識すれば、間違いなくプラスになっていくはずです。

目に見えない力があるとするならば、私達の目に見えない想いのパワーでも変えられるはずです。占いも含めて目に見えない事項はこのように利用した方が、私は良いと考えています。


述べだすと止まらなくなるので、本日はこれまで!(^^;)



ミタス一級建築士事務所 清水煬二



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寒い時期のコンクリート打設の注意事項は…

2007年01月15日 08時46分39秒 | 住宅ノウハウ・実例
おはようございます。清水です。


先週土曜日、2007年1月13日に基礎コンクリートの打設をしました。

1月と2月などの寒い時期に基礎コンクリートの打設をする場合、注意事項があります。工務店などでは、知らずに無視して行うことがありますので、お話しておきましょう。

建売住宅など工期の短いものは、なおさら注意です。

コンクリートを打設したら、24時間は作業してはいけないのです。これは夏場でも同じです。振動を含めて衝撃を与えないようにします。


ところが、黙っていると打設した次の日に作業をしてしまうのです。職人さんにとっては、日を詰めて早く一連の作業を終わらせたいし、工期も短くしたい本体業者は、当たり前で正しいことだと思っています。ハウスメーカーでもこれはありますので、注意です。

これは、事前に工程表を出してもらってチェックして話をしないと、口頭だけでは、わかっていないケースが多いので一番要注意です。


次にコンクリートを留めている型枠をはずす期間ですが、これも無視をして早く外したがります。冬は夏より長い期間を置かないといけません。気温が低いと、コンクリートが強くなっていくための時間がかかるからです。


寒い時期特有の注意事項としては、凍結しないようにすることです。
これを防ぐには、朝のうちにコンクリートの打設を始めて、早く終えることです。午後からですと終了が夕方になってしまって、夜間の冷え込みが激しい場合、コンクリートの水分が凍結してしまうと困るからです。


上記などの恐れのあるときは、凍結剤を入れたり、強度を予定より強いものにしたり、凍結しないように覆ったり、囲ってあげたりします。


「では、やはり冬はコンクリートを打設しない方が良いのか…」と思われるでしょうが、梅雨時や台風、秋の長雨、夏の日照りなどコンクリートの心配は尽きませんので、そのときそのときの天気や気候を気にしながら、注意して正しく対応していけば本来はそれほど気にしなくても大丈夫なのです…。


ミタス一級建築士事務所 清水煬二


※ホームページに新しい住宅実例写真のアップをしておきました。

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住宅現場のよもやま話(1)

2007年01月13日 11時25分00秒 | 建築家の日記
こんにちは、清水です。

本日は、早朝から現場検査、現場打ち合わせ、現場チェックと3軒続き、午後は事務所で設計の打ち合わせです。

現場監督からは、「朝早いのが好きなんですか?」と聞かれます。私も寒い冬はゆっくりしたいのですが、私の検査を合格しないとその次の工程には進ませない工事もあります。

午後とか朝ゆっくりに私が行くと、職人さんはその間工事をできずに待たなければなりません。それは申し訳ないので、早朝に行って検査をし、手直しさせるところは手直しさせ、職人さんが来る朝8時頃には既に終わっていて、スムーズに次の工事を行ってもらうためなのです。今はまだ朝の7時に現場スタートというと良い方で、夏になって、日が昇るのが早くなるにつれて私の朝一番の時間は早くなります。(笑)


ミタス一級建築士事務所では、隠れてしまう部分でこだわっている内容、構造、耐久性、防水に関することなどは、物凄く要求が厳しくうるさいのです。多分、こんなに具体的に現場でうるさい設計事務所の建築士は、なかなかいないでしょう。


「俺は30年間大工をやっているけど、そんなことを言われたことは一度もない。」「一流のハウスメーカーの下請けを長年しているが、そこまでは言われたことがない。」と何度も言われていますが、

こちらも内容的には後には引かず、ケンカせずに同じやってもらうなら機嫌よくやってもらうめに、へりくだるところはへりくだり、協力できるところは協力するのです。職人の一番嫌がることは、待たされること、指示がはっきりしないまま放置されることなのです。

本日の一番の現場も、私がチェックして現場監督と一緒に細かい部分の手直しを完了して、朝8時の職人さんを迎えました。

工務店はもちろん、ハウスメーカーでも他では決して言わないことでも厳しく主張しそれを押し通すために、譲れないところとどうでもいいところを区別して対応しています。



ミタス一級建築士事務所 清水煬二


神奈川県横浜市 注文住宅 住宅設計の ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
http://www.mitasu.com/





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