こんにちは、清水です。
外壁の防水処理は、どの現場でも完全になされていて素晴らしいという現場を見たことはありません。一流のハウスメーカーでも、忘れや雑な部分があって、私がチェックすると必ず手直しをしてもらうことになります。
このことは、住宅の耐久性を増すための私のこだわりですが、キッチリと正しくできている住宅を、見たことがないのです。
では、なぜそんないい加減で許されるのかというと、ハウスメーカーを含めて造り手は雨漏れのクレームが無ければ構わないのです。雨漏れとはわからず、染み込んだだけが続いて20年後にリフォームで壁を壊したら、柱や土台が腐っていた…。という住宅がほとんどですが、これはクレームになりませんから、この工事でいいんだと、いい加減な気持ちで許されてしまうからです。
そのため、この部分は必ず私が自ら手直しをすることになってしまうのです。現場監督や大工に教えても、バルコニーなどの細かくて最新の注意で行うべきところは、何度言っても、何度教えても完全にはできていません。
ただやった、というだけで心がない。これをすることによって、耐久性が増すんだ、今までの日本の住宅ではなく欧米並みの住宅にするんだというような志や心がないまま仕事をしているから不完全なのです。
今朝は、朝の6時着で外壁の防水の現場確認、簡単な手直しだけなら私が行って、職人さんが朝8時に来たときには、昨日からの仕事をスムーズに引き続き行うという段取りだったのです。
現場を確認すると、忘れていて未処理の部分がいくつもあったのと、朝早過ぎて若い現場監督の立会いが無かったので、予定を変更しました。
時間をファミレスで潰し、再度現場へ8時過ぎに向かい、職人に手直し指示、職人がやっても再度手直しさせることになるだろう細かい部分を自分で手直しして、今事務所にもどって来ました。
日本の住宅は造り手の立場で設計も工事もチェックも行うから、良い住宅が生まれない。工事を分離した第三者の設計と設計監理がいて、初めて良い住宅になり得ると思って、それを訴えてきました。
ですが、私が求めるような完全な工事にするには、結局私の手が必要ですから、私が工事をする…、専門の職人を直接抱えて教える、いやせめて現場監督にでもなった方が早いのではないか…と最近は思い悩むようになりました。
新築は、工事をストップさせ私がOKを出して初めて次の工程に行かせれば良いのですが、お住まいながらのリフォームで増築などの場合は、これができなくて困ります。
既存部分の取り合いの雨仕舞い(防水処理)の確認ができないのが通常です。屋根や外壁などを剥がしたら、すぐにその部分の処理をして塞がないといけませんから、その処理を確認するために、私が一日中現場に付いていることができないからです。
ですから、残念なことに私が検査できなかったリフォームの増築部分での取り合いから雨漏れが起こることがあります。
口頭で、あるいは図で事前に現場監督に説明しても、いい加減に考えているので、職人に伝わりません。仕方が無いので、工事前に職人にも説明するようにしても、実行されなかったり、ただやっただけで不完全なため手直しが必要になったりするのです。
リフォームでは確認できずに塞がれるこことになりますが、雨漏れをした場合というのは、剥がしてみると、必ず私のいうようにやっていない場合なのです。
雨漏れをして初めてどうすれば良いのかと教えを請う姿勢になるのですが、喉元過ぎればで、こりないのです。
なぜこうなるのでしょう?日本の住宅産業がこれまでいい加減でも充分通用してきたからです。戦後の質よりも数を増やす政策に官民一体で取り組んできましたから、質を求められる現在になっても、意匠やデザイン、素人にわかりやすいキッチンやバスルームなどの過剰なサービスが質の向上だと考えているようです。皆さんの目や嗜好がそちらを向いていると考えているからでしょう。
現在の日本では25年や30年で住宅は建替えられていますが、それを皆さんも仕方がないと思っているのですから、皆さんにも責任はあります。
私はそういう住宅を設計され建てられていくことが耐えられなくて、年中無休で現場を走り回り、意匠中心で耐震性を無視した設計を平気で行う建築家には警笛を鳴らして呼びかけながら毎日過ごしています。
皆さんももっと早く目覚めて、本当の住宅の質を要求すべきなのです。皆さんの要求する内容が変わってくれば、日本の住宅産業も変わっていくでしょう。一日でも早く他の先進国並みの耐久性のある住宅になる、その日が来ることを願って仕事をしています。
ミタス一級建築士事務所 清水煬二
神奈川県横浜市 注文住宅 住宅設計の ミタス 一級建築士事務所のホームページ
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