一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

300年住宅の工事進行中(3)

2007年11月22日 12時47分18秒 | 300年住宅
▲2007年11月21日(水)の外観状態です。

みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

300年住宅の現在の工事状況です。

2階に入って、進行ペースが落ちました。材料の持上げに手間取っています。途中、クレーンも入れましたが、置き場所や吹き抜けや敷地の関係などから多くは置けなかったのです。

このためコンクリート打設が予定より少し伸び27日予定となりました。この日は、私は建築紛争の調停委員の仕事があるので、午後からの現場確認となりますが、2度目ですから前回と異なり、安心しています。





内部は、上の写真のようになっていて、梁の部分は完全に鉄筋コンクリート造と全く同じです。
この梁は仕上がってもコンクリートが見えてしまうのです。外壁と同じように化粧にすることもできるのですが、外壁と異なり多くの鉄筋を入れたかったので強度的により安心するため、この方法を選択しました。万一、コンクリートが良質に工事されていなくても、この大切な梁の部分は後でも容易に確認できます。

外壁と同じような化粧にすると、この梁のように主筋と呼ばれるものが計算上はOKでもたくさんは入れることができないのです。写真から梁と呼ばれるところに鉄筋がたくさん入っているのがわかりますでしょうか。外壁にはこのようにたくさんの鉄筋は入りません。






▲外壁部分は、このようになっているのです。梁のようにたくさんの鉄筋は入らないことがわかりますね。





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300年住宅の工事進行中(2)

2007年11月07日 17時41分51秒 | 300年住宅
▲壁への流し込みが終わり、床へコンクリートを流込み中



みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

先月、300年住宅のコンクリートの打設を行いました。1階の壁と2階の床にコンクリートを流す作業です。
鉄筋コンクリート造と全く同じように鉄筋があり、壁にも床にもコンクリートを流します。

コンクリートに流動化剤というものを入れて、コンクリートの強度を落とすことなく、コンクリートの流動性を増します。その方が、鉄筋と鉄筋の間にコンクリートが完全に廻りやすいからです。



▲一般的には ハイフルード という呼ばれていますが、これが流動化剤です


さらに、通常の鉄筋コンクリート造のコンクリート打設で行う、バイブレーターという微振動(といっても、人間にはかなり凄いですが)を起こさせるマッサージ器のようなもので、コンクリートが隅々まで行き渡るように作業をするのです。




▲ほぼ床まで打設が終わり均しています



コンクリートが適正な強度になるかどうか、現場で同じコンクリートからテストピース(コンクリートの強度を測定するため、破壊試験するためのサンプル)を作成します。




▲テストピースを測定して保存します




すべての作業を終えて、1週間はコンクリートに振動や衝撃を与えないように何もしないで放置します。これを養生といいます。

現場では、本日2007年11月7日から、ようやく2階の作業を開始しました。




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200住宅って?

2007年10月24日 10時10分40秒 | 300年住宅
みなさん、おはようございます。

昨日10月23日は300年住宅についてコメントしました。最近はときどき200年住宅についての質問を受けます。政府が、200年住宅の構想を小出しに発表しているからでしょう。

今年2007年の6月1日のブログにも簡単に書きましたが、


「新聞見出しの200年住宅」



この内容は、ひとことでいうとメンテナンスを行って200年持たせようというものです。

メンテナンスの記録を残して、売買にも利用できるようにし、中古住宅の価値を高めることにする。25年から30年で壊されている日本の住宅の耐久性を高めようというものです。そのことが、資産性はもちろん省エネ、エコバウ、温暖化防止にも繋がるという、良いことずくめです。


私はずっと以前から、住まい手から考えた快適な住宅の実現のためには、

断熱性を含めた温熱環境と住宅の耐久性の2点が日本の住宅は劣るので、
これをもっと本物にしましょうと訴えてきました。

阪神大震災以降は、これに耐震性とシックハウス対策の現状とお粗末さについても訴えてきました。現在は、耐震性だけでなく、地球温暖化が深刻になっていくので、耐災害性にまで広げないといけないと感じて研究しています。


外断熱が注目されて、断熱性への関心が生まれ始めています。
これに続いて耐久性についても、注目されるのは大変良いことです。
一般の方の関心が深まれば、業界も動きだしどんどん向上していくことでしょう。



さて、政府のコメントが新聞に載るたびに受ける質問は「木造住宅で200年も持つんですか?」というものです。

ハッキリ言って、現在の日本の住宅の考え方では無理です。特に構造体に集成材を土台にさえ多用している最近の建て方では、構造体が200年持たないでしょうからどう考えても無理ですよね。

私が設計し、監理をしてうるさく職人さんや現場監督にお願いしているのは、
50年経って大地震が来ても大丈夫な家、大地震が無ければ100年はもってもらいたいと願って造っています。

無垢材を使って、工事中も細心の注意をしてもらってもこの程度までしか言えません。
50年となぜ言えるのかというのは、築40年~50年の家は何度も改築やリフォームをして、構造体がどうなっているか、なぜ痛んでいるか、なぜ痛んでいないのかを自分の眼で観て研究してきたからです。


木造で200年住宅にするには、メンテナンスを繰り返しても、木造の構造体自体を200年もたせないといけません。
神社や寺のように太い無垢材を顕しにして、濡れても乾燥する、痛んだ部分がすぐわかるというものであれば別ですが、壁の中に閉じ込めてた木を200年もたせるには、ガラッと視点を変えなければなりません。

今現在の木造住宅では、後々のメンテナンスや取替えのことは何も考えていません。


欧州の建物では石積みや木造に限らず、窓の入れ替えは当然ですし、建物の構造体以外は取り替えることを前提に造っています。造り方だけでなく設計段階から考え方が違うのです。

北米の木造住宅でも同じ考えかたをしています。輸入住宅と日本でうたっていても、造りかたはやはり日本式にアレンジしています。デザイン的には輸入品をそのまま使うパターンも増えてきましたから随分輸入住宅らしくなってきていますが、造りかたは、やはり違います。あまり合理的ではありません。


私が海外に見学に行く理由は、先進国で優秀な日本の製品でも住宅だけは先進国に輸出されることはない、という事実があるからです。根本的な考え方が異なっているので、それを感じて取り入れるべきものは取り入れようと思っているらです。


さて、私の個人的な見解です。

この政府が言っている「200年住宅」の構想は、大変良いことです。
しかし、今までの住宅性能表示制度や今回の建築確認申請の変更などでもそうだったように、一見良いことのように繕っていても、実は中味はお粗末で素人騙しのような的外れの内容、見る人が見ればある別の意図が強く裏で動いているのを感じてしまうというパターンではないかと、現時点では私は疑っています。

とはいえ、意識が耐久性に向くことは大きな前進には違いないので、大変喜ばしいことです。





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300年住宅 工事進行中

2007年10月23日 04時04分51秒 | 300年住宅
▲工事中の300年住宅 壁の工事を始めて1週間です



みなさん、こんばんは。

本日(昨晩)の会合に出席して、左胸が痛い ミタス一級建築士事務所の清水です。

なぜ胸が痛い? 

飲みながらの会合でしたが、私以外の人は煙草を吸うので、私の血管が収縮して心臓や肺、気管がビックリしたのでしょう。(^^)ゞ



さて、300年住宅の工事が少しずつ進んでいます。

この建物は、住宅ではなく 「理科ハウス」 という児童のための科学館です。


「理科ハウス」 の ホームページ


300年住宅は石積み風の鉄筋コンクリート造外断熱なのですが、この石積み風というのは、写真では感じがわからなくて、実際に観て初めて

「へぇ~! こんなのだったんだ。」というのがわかります。


2008年2月末に建物が完成して、5月にオープンです。




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児童科学館の工事中

2007年09月27日 17時01分52秒 | 300年住宅
▲ この児童科学館の看板は、施主が工事中に掲げるために造ったもの



みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日2007年9月26日の「デンマークで泊まったホテル」のブログは、写真がちょっと大き過ぎましたね。テクニックを駆使して大きな写真をお届けしたつもりでしたが、次回は、もう少し小さくしてみます。



さて、逗子市で300年住宅の工事が動き出しています。

施主が描いた看板には、「世界でいちばん小さい科学館」 と小さく描かれています。これは、個人の方が土地を購入し、地域の児童に科学を教えるために建てているものです。ご自宅で科学の実験などを地域の児童に教えている方です。常時開放できるように、こういう建物を造りたいとのことでした。

中古住宅が建っていた土地の購入時から相談にのり、設計、着工へとたどり着きましたが、完成、運営とまだまだいくつもの困難を乗り越え続けなくてはなりません。

スポンサーや公的な資金の援助を受けず私財だけです。援助を受けると、思うように運営できなくなるのが嫌だそうです。私がミタス一級建築士事務所で独立した理由と共通する点があるので、お気持ちはよくわかりますが、土地からですから、かなりの金額提供が必要でした。


完成すると、児童の図書コーナーなどは無料で開放予定とのことです。実験などを教える場合のみ実費を頂くようです。逗子市の広報にも大きく1ページで載り、地元では早くも注目されています。



海外出張から私が帰国した次の日に、この現場へ行き、基礎コンクリートに水を与えました。日本列島全体が、この時期にしては異例の暑さが続いていたようですね。東北の青森でさえ、9月20日を過ぎても摂氏30度を越えていたとのことでしたから。




▲ 基礎コンクリートに水を与えています




ベース部分のコンクリートを確認したら、一部で硬化不良を起こしているようでした。本日、型枠をはずし、再度確認しました。私の海外出張中に基礎工事が終わっている予定でしたが、工事が遅れて、基礎工事はまだ終わっていません。逆に私が確認できたので、良かったと思っています。






▲部分的に、このように表面の1センチ~2センチ程度硬化不良を起こしている部分がありました。表面が変色しているのがわかりますね。




今回の場合は、硬化不良部分はすべて取り除き、再度コンクリートを打設させます。確認できて良かったです。



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300年住宅の着工開始!

2007年09月04日 19時38分21秒 | 300年住宅
▲これから、基礎部分の掘削です。



みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

本日、9月4日(火)に300年住宅がついに着工開始となりました。

先週からの忙しさと昨晩の徹夜明けのため、本日はお抱え運転手を従えて(^^)ゞ
仕事を廻って、先ほど事務所に戻りました。

建築紛争の調停委員の仕事や、着工立会いがある一方で、完成検査もあり、150キロメートル以上の走行でしたから、居眠り運転することなく助手席で寝ながら移動できて良かったです。

14日からの出張に向けて、今からもどんどん仕事をこなしておきたいと思います。




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300年住宅の打ち合わせ

2007年08月09日 04時38分57秒 | 300年住宅
みなさん、おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日は、長野県の飯田市に、300年住宅の材料メーカーとの打ち合わせに行ってきました。まるまる1日、突然のアポイントにもかかわらず、トップのお二人にお時間を頂き感謝しています。私にとっては大変有意義でした。


早朝に車で出発して、朝の9時30分に到着。打ち合わせと工法の確認、現場の見学や今後の対応などを話し合うことができました。

この工法での建物が8月末か9月の初めに、基礎工事が始まります。

9月は、私がドイツにエコ住宅の勉強に行きますので、帰ってきて9月の末に本体の工事をスタートします。

本体工事スタートのときには、飯田市のメーカーからベテランの職人さんが7日~10日間ほど泊りがけで、連日つきっ切りで指導に来て頂くことになりました。これで、不安のひとつを解決できます。私も、ポイントを一緒に覚えます。


「300年住宅って何? 工法が違うの?何が違うの?」というご質問を良く受けますが、ミタス一級建築士事務所のホームページをご覧下さい。

イタリアのフェレンツエから帰ってきて、こういう何百年も持つ石造りの家で、耐久性と温熱環境、耐震性、耐水害性に関しても優れた住宅はできないものかとイメージしていたのですが、まさにその住宅性能に非常に近いものが現れました。

かなりの長期間に渡って研究の必要があると考え、この工法を私が研究するための会社をようやくスタートさせました。建設コスト的には、まだかなり高いですが、それだけの価値はある住宅工法です。このコストももう少し下がるように考えないといけません。

まず1棟を建てながら、それ以降も工夫や研究をしないと私自身が納得できていない部分があります。そのために、ミタス一級建築士事務所に資金的に迷惑を掛けないように、わざわざ新会社を設立して研究するのですが、この最初の1棟に賛同して建てさせて頂けるオーナーの工事がまもなく始まることになりました。


昨日、同席して頂いた新会社の出資者に、「これなら、研究開発のために出資する価値のある住宅ということが、実物を体感して初めてわかった」と納得して頂きました。

今の時期の昼間に、しかも昨日は飯田も暑かったですが、冷房をまったく付けていないのですが、家の中は涼しいのです。家の質感も好みはありますが、実際にご覧頂くと、サンプルとは違い「おぉ~…なるほど…」というもので、かなりプラスのイメージになります。


飯田での打ち合わせは、材料代がなぜ5割から10割も金額アップしたのか、なぜ工事費用が当初と比べてかなり高くなっているのかという話から、私から教えて頂きたいことについての様々な質問にもお答え頂き、最後はかなり本音の部分でもお話して頂きました。材料を提供して頂けるメーカーも試行錯誤の状態を繰り返し、ようやく先が見え初めてきたようです。

九州の大学の先生がやはり打ち合わせにお越しになっていて、ご紹介頂きました。この先生のお話もお伺いすることができました。少し聞かせて頂いただけでも、専門的で大変面白い内容でした。机上の研究だけでなく、実際に学生と造りながらの実験も繰り返されており、お話も多岐に渡って興味深いものでした。

朝9時30分に飯田のメーカーに到着して、話の終了が午後5時前でした。一部渋滞もあり、帰りはかなり遅くなりましたが、充実した一日であると同時に、解決しなければならない問題は山のようにあります。気持ちを引き締め直して帰ってきました。

本日は、これから千葉県の御宿に車で出発です。昼には事務所に帰って仕事をしなければなりません。これからすぐに出発します。


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300年住宅の打ち合わせ

2007年06月05日 11時26分36秒 | 300年住宅
おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

そういえば、本日は、ミタス一級建築士事務所が本格的に動き出して8年目に入る日です。開設はもう少し前でしたが、開設後の準備期間がいろいろありましたから、本日が実質的な開始の日と決めた記念日でした。

本日は、朝一番で外壁塗装の足場解体前の現場で、手直し指示を行いました。


このあと昼から夜まで、岡山県から300年住宅の田邊先生をお招きして、
7月に着工予定の300年住宅の詳細打ち合わせを、工事業者を含めて行います。

この300年住宅は、木造ではありませんが、木造並みの値段で、将来何とかできるように研究していく予定です。

なぜ300年なのかということと、なぜこの住宅の研究をわざわざするのかという詳しいことに興味のある方は、私のホームページなどをご覧ください。外断熱を組み合わせることにより、快適性能も省エネルギー性能も大幅にアップします。

以前はこの断熱性能が解決できなかったのです。快適性が劣る住宅は嫌だったので手を出しませんでした。しかし、この300年住宅はもっとも優れた省エネルギー住宅のひとつになりそうです。


このブログを書いている途中に、ドイツの日射調整システムの案内などにメーカーの営業マンが事務所に来ました。システムの内容や考え方は知っていましたし、採用したいという興味もあったので製品の詳しい話を聞いてみました。このシステムの導入は、今後日本の住宅にも必要になってきます。

このシステムを含めて、今年の秋にはドイツにエコ住宅の勉強に行ってきます。

こういった研究や勉強を別会社で投資しながら設計だけでなく現場監理をしながら仕事を行っていきますので、いつか私が絶対の自信をもった、理想的な性能の住宅を皆さんに紹介できる日を楽しみにしています。



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