◆切り絵「忍野八海」P20
忍野八海の水は、どこまでも透き通り、深みを覗くと驚くほど青い。
富士山に降った雨雪が20年以上かけて大地にしみ込み、湧き出し、八つの小さな海をつくった。
いにしえから清浄かつ霊力のある水として、禊(みそぎ)と信仰の対象であった聖なる湧水。
実は忍野村全体が、かつては宇津湖と呼ばれる巨大な湖だった。
延暦19年(西暦800年)の富士山大噴火で宇津湖は溶岩に二分され、忍野湖と山中湖となった。
忍野八海は「形状、水質、水量、保全状況、景観、仏教思想(富士信仰)など」の観点から、昭和9年(1934年)に国の天然記念物に指定され、昭和60年(1985年)に、環境庁から全国名水百選に選定されました。
また、平成6年(1993年)には、県富嶽百景選定地にも指定されています。
美しく神秘的であり、移り変わる四季に彩られた富士を水面に映しこんだ姿は訪れた人々に水本来の姿と護るべき美しさをそっと訴えているようにも感じられます。
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