岸田 繁
交響曲作品を書く。
普段は「くるり」というバンドをやっている。
京都市交響楽団からの委嘱。
岸田氏自身も書いてみたい気持ちがあったところでの委嘱
だったので、5楽章50分にも及ぶ大作に仕上がった。
岸田氏というと、タモリ・クラブの電車の回で、電車の
モーター音を聴くだけで、機種を当てるという、耳の
良さを持っていた。
音楽を聴きとり、頭の中でイメージを再構成することが
出来るのかもしれない。
好きなマーラーやショスタコーヴィチ、バルトークや
ストラヴィンスキーなどのそれ風な旋律やリズムが
現れては消える。再構成するにあたっては、つなぎや
自身の中にあるイメージを膨らませることは怠らないが、
どのように作り上げるか、作者の工夫も問われる。
指揮の広上氏は彼のオリジナルの良さを認めている。
彼のスコアを読みそこから音にする過程で、流れや
音楽的なセンスとか指揮者として音楽家として、共感する
物があったのだろう。
たぶん初演に持ちこむまで、スコアを読みこみ、オーケストラに
稽古をつけ本番へ。どれだけの練習時間があったのだろう。
2-3回通しで聴いてみた。彼の曲の良さを感じられるとすれば、
まだ聴き込みが必要かもしれない。古今東西の名曲とは違い、同じ土俵に
あるわけではない。今の時代の曲なのだ。
彼は、打ち込みで交響曲を仕上げている。ぺんで5線紙に書きつけるという
パターンではない。自分がイメージしたものをパソコンのライティング・
ソフト(Pro Tools)に打ちこんでそれで、音を出して確かめるという
ある意味今時なのだが、それでも曲が仕上がるという事に驚く。
WEB ぶらあぼ 岸田VS広上
https://ebravo.jp/archives/30328
『岸田繁「交響曲第一番」初演』インタビュー|サウンド&レコーディング・
マガジン2017年8月号より
https://www.rittor-music.co.jp/pickup/detail/13683/