もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「空中庭園」

2005-12-01 20:52:47 | 映画
”一切秘密を持たない家族”
なんて気持ちの悪い家族だろう。
でも、京橋家は絵里子の計画通りに構築された、そういう家族だった。
母親にうとまれていた、愛されてなかったと思う絵里子は、
自分はちゃんとした家庭を作ろうと思い
いつも笑みを絶やさず、自分の理想の母親を演じ続けていた。

冒頭から、誰の視点か解らない
振り子のように揺れる画面に驚いた。
そして、ニュータウンというものの不気味さ。
住んだことがないので実感はないが、
なにか事件のたびに取りざたされる不自然さが、
リアルに迫ってくる映像だった。

とにかく、女優陣の圧倒的な一本勝ち。
小泉今日子の、コンビニのシーンなんてゾッとした。
大楠道代のはすっぱな母親、
愛人の永作博美の狂気と、ソニンのふてぶてしさ。
娘の鈴木杏は、爽やかから遠い女子高生。
みな存在感がある。

母親と娘の関係の再生は、絵里子の人生そのものの再生だ。
そして家庭も、崩れかけたが持ち直した(と思う)

家庭とは、母親とはこうあるはずだ
という思い込みに囚われ
それに当てはまらない自分はダメだと思っている人って
実は沢山いそうな気がする。
コメント (10)
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