もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「海街diary」

2015-07-11 21:49:05 | 映画
2015.7.9

原作のファンでしたが、是枝監督が撮ってこのキャスト
観ないわけがない。

冒頭、佳乃のシーンから始まるなんて
うふふ、である。

自分たちを捨てて出て行ってから15年
今更届いた父親の訃報にそれぞれの想いを抱く三姉妹。
別れるきっかけとなった女性とは子供をもうけたが死に別れ、
違う女性と暮らしていたらしい。

その地まで出向いた佳乃と千佳、遅れて着いた幸が葬儀の席で見たのは
ほろほろと頼りない今の妻に
喪主の挨拶を押し付けられそうになる中学生のすず
腹違いの妹の姿だった。
幸がきっぱりと言う
「これは大人の仕事です」という言葉が素晴らしい。

病床の父の世話をしたのはすずであろう、と察した幸たちは
すずにお礼を言う。
そして、別れのホームで幸が「鎌倉で一緒に暮らさない?」
「行きます!」
答えたすずの姿が、彼女の寄る辺なさを表す。

だって、今日会ったばかりの
それも自分の母親が父を奪った姉たちと一緒に暮らすことを即座に決めるなんて。

すずが鎌倉に越して来て
3姉妹が4姉妹になったことで
少しずつ変わってゆく姉妹の役割。


いやー、千佳ちゃんアフロじゃなくて良かった。
映像でアフロ女子はね、インパクトありすぎ。
夏帆ちゃんキュート。

姉妹の前では大人しいすずのサッカーシーンは必須だよね。
広瀬すずちゃん、がんばってた。
まえだまえだの旺史郎くん、すっかり役者さんじゃん。

次女佳乃の奔放さが長澤まさみにぴったり。
なんでも妹に振っちゃう理不尽さと、酒の飲みっぷりが最高。

幸は、長女だから
託されたから
家族の全てを背負ってしまう。
だから、
だらしない母と折り合わない部分があるのだろう。
そして母は、
自分に厳しかった母親(姉妹の祖母)の姿を幸の中に見てしまうのだろう。
血縁ゆえの壁。


ちょっと泣いてしまったのは
千佳がちくわカレーを作ってすずと二人で食べるシーン。
「私はお父さんのことあんまり覚えてないから、教えて」
そうすずに言うところ。
淡々と話す千佳の表情と
父の話をしてはいけないと思っていたすずの表情がぐっとくる。


鎌倉の四季も美しいし
実際は複雑な人間模様が描かれているにも拘わらず
清々しい。
素晴らしい作品だと思います。






コメント
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