もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「白河夜船」

2015-07-28 23:22:11 | 映画
原作が26年前なのか。

眠り続けてしまう女と、妻が植物状態の不倫相手。
”疲れた人々と添い寝をする”という仕事をしていた友人の自死。
眠り続ける女の夢に出てくる不倫相手の妻の言葉
「身体を動かして働くのよ」
何年も読んでいなかったが
印象に残っていたエピソード。


安藤サクラがいいなぁ。
原作通りのセリフ回しが、少し浮世離れした主人公の世界にぴったり。
植物状態の妻とその周辺の物事を抱えたまま、
寺子のことも手放したくない男。
誠実の中に狡さを内包した岩永に、井浦新がぴったり。

しおりの谷村美月は、
容姿こそ原作のイメージとは違がうが
ふわ~っとした笑顔がぴったり。


二人の初デート
冬の海のシーンが印象深い。

外でしか会わない二人
人ごみの中で”世界で二人だけ”のように見える。
お互いの心の闇を隠して
抱き合っても通じないものに寺子だけが気づいている。

先のない恋だと考えることが怖かった寺子は
どんどん眠りに逃げ込んでいくようになったが
夢の中で会った妻の言葉に従ってバイトをして
ただ岩永を待つだけの生活で弱ってしまっていた大切なものを取り戻す。
そして、多分、恋を続けていくことを自分で決めた。


原作をそのまま念写したみたいな映像。
私は好きでした。

でもね、
二人が恋に落ちるきっかけの
~バイトだからと、手抜きをして働いていた寺子が
 休みの日にサクサクとしごとをこなしている姿を見かけた岩永が
 「普段の早回しみたい」と笑う~
原作の大好きなとこ、無かったな~。
コメント
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