忘れな草の花籠

確かハンドメイドブログだったはず・・・

カエルの楽園

2016-09-30 13:29:55 | BOOK
夏休みに読んだ本です。
百田尚樹さん原作です。
ハードカバーだったので
一瞬買うのためらった(←基本、文庫派)のですが
やはりここはカエル愛(?)の強い私としては
タイトルにスルーできず、ついつい買ってしまいました。

これがすっごくおもしろかったです。
読みやすくてひきこまれてあっという間に読めます。
ジャマされながらも4時間程度で読めたので
ジャマが入らなければたぶん2時間程度で読めると思います。

おとぎ話のような感じでことばもとても平易なのですが
実はこれはかなり考えさせられる物語です。
いわゆる平和ボケしているといわれる日本人に一石を投じる作品かもしれません。

『安住の地を求めて旅に出た
アマガエルのソクラテスとロベルトは、
平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着く。
そこでは心優しいツチガエルたちが、
奇妙な戒律を守り穏やかに暮らしていた。
ある事件が起こるまでは――。』

↑帯に書かれているあらすじです。

これは日本と近隣諸国の関係を描いた(風刺した?)作品だと思います。
けっこう痛烈です。
ここまで描いていいの!?
というぐらいドキドキしながら読みました。

平和で豊かな国、ナパージュとはおそらく日本。
アルファベットでどう表記するかはわかりませんが
たぶん「napaj」ですよね。

どんなカエルに攻められて領地を侵されようが
三戒を守ってさえいれば平和は保たれる。
そう信じているツチガエルたちです。
三戒とは
・カエルを信じろ
・カエルと争うな
・争うための力を持つな
です。
これをずっと守り続けているから平和なのだと
ツチガエルたちは信じ続けています。

けれどもこの三戒だけで
本当に平和が保たれていたのか疑問をもつソクラテスとロベルト。
実はスチームボートのおかげで保たれていた、という話を聞きます。
スチームボートとは巨大なワシ。
ナパージュの崖の上に住んでいて
いろいろな獣や鳥たちから実質ツチガエルたちを守っていたのです。
スチームボートがどこの国を暗示しているかはこれも想像できますよね。

ところがこのスチームボートが去っていってしまい、ウシガエルが侵入してくると・・・。

キーパーソン(キーフロッグ?)のデイブレイクの言動にも注目です。
最初はとある宗教のお偉いさんのことを指しているのかと思っていたら
どうやら朝日新聞を指しているとのことです。←これもスゴイ

けっこう重たい内容のわりには読みやすく、
しかも挿し絵がとてもかわいいので
気軽に読めます。

「平和とは何か。
愚かなのは誰か。」←帯より
考えさせられます。

ちなみに次女にこの本で読書感想文(←夏休みの宿題)を書いたら?と薦めると
実は次女でなく、長女のほうが書いていたという・・・。(^^;)

それにしても挿し絵のケロちゃん、かわいいなぁ。
コメント (2)
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