上:TBSランク王国ナチュラルシャンプー人気1位の『PURE95』も発がん物質入り、しかも大量使用。下:ノンシリコンをうたう『ISLABO』。アミノ酸系をうたう自然派シャンプーに多用される傾向がある
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シャンプーに含まれる発がん成分「コカミドDEA」について、女性向けシャンプーで配合の有無を調べたところ、最も多く配合されていたのは、中小メーカーの「自然派」をうたうシャンプーだった。大手の花王やライオンでは代替化が密かに進められていたが、花王子会社・カネボウの商品には、3品中2品に含まれていた。問合せに対し花王は「企業秘密だから」と回答拒否。消費者に知られることなく密かに代替化を進めたいらしい。消費者の疑問に説明責任を果たそうとしない姿勢が子会社・カネボウの白斑問題につながったが、反省している様子は全くなく、消費者は不買によって自衛するしかない。中小ではノエビア(5品中4)やコーセー(16品中11)が多く使用。シャンプーの主要メーカー別商品一覧表を付けたので、購入の際はチェックしていただきたい。
【Digest】
◇「ノンシリコン」「アミノ酸系」に多い
◇花王は海外で危険性指摘し代替品宣伝
◇トイレタリー大手は対策済み
◇資生堂『ツバキ』は1品目が×
◇女性用シャンプーワースト1位はノエビア
◇コーセーグループは、16品中11品
◇代替物は安全と言えるか?
カネボウの美白化粧品での白斑症状で、被害者数が1万人近くに増える勢いだ。
化粧品を塗った部分に起こる白斑症状は、副作用としては最も発見しやすい症状のはずだ。それにもかかわらず、対応にこのような遅れがでてしまったのは、現在の化粧品などの審査体制や副作用報告制度が機能していない証拠といえる。
こうした状況ではシャンプーの成分に発がん性が見つかっても、実際に被害者を特定することはほとんど無理だろう。患者自身もシャンプーが原因だとは考えないだろうし、因果関係の究明も、かなり大規模な疫学調査でもしない限り発見されない。
現在の制度下では、発見されたときには既に多数ががんで亡くなっていて手遅れ、という今回の白斑問題と同じ経過をたどることにもなりかねないことは、容易に想像できる。
だから、動物実験などで発がん性が確認された成分については、国やメーカーが積極的に代替品に替えていくなどの措置が必要で、消費者は情報を得て、不買によって自衛することが重要である。
マイニュースジャパンの読者は男性が多いということで、前回、まず男性用シャンプーを中心に調べたが、今回は女性用シャンプーについて配合の有無を調査したので、周囲の女性に知らせてあげてほしい。問題の発がん成分「コカミドDEA」は別名、「ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド」という。
市販のシャンプーは、メーカーによって大きく3つに分類できる。
①トイレタリー大手(花王・ライオン・P&G・ユニリーバなど)のシャンプー
②化粧品メーカー(資生堂・ポーラ・ノエビア・コーセーなど)のシャンプー
③その他メーカーのシャンプー
その違いで、発がん成分であるコミカドDEAの配合に、大きな違いがあることもわかった。(トイレタリーとは、化粧品以外のスキンケア、ヘアケアなど身体の洗浄や身嗜み、嗜好などを目的とした商品の総称)
◇ノンシリコン・アミノ酸系シャンプーに多い
③のその他メーカーのシャンプーの多くは、①のトイレタリー大手メーカーのシャンプーに対抗して、「ノンシリコン」や、「アミノ酸系」の洗浄成分を使い、また「植物エキス」などの保湿成分や育毛成分を入れて、髪や肌にやさしい、という点を売りにしているものが多い。前回の記事で紹介した男性用『スカルプD』も、この③の分野に入る。
これらのシャンプーは高価格で、大手のシャンプーがせいぜい500ml入りで500円程度なのに対して、『スカルプD』は440mlで3800円と8.6倍もする。
トップ写真の商品は東急ハンズ新宿店で見つけたもので、TBSテレビのランク王国のナチュラルシャンプー売上1位になった、というババーミングジャパンの『Pure95』。400ml入りで2940円と、大手普及品の7.35倍になる値段だ。
成分表示を見ると、「水、コカミドDEA、ココイルメチルタウリンNa~」と水についで2番目。これは化粧品なので、成分表示は多い順番というルールがある。つまり、水の次にもっとも多く配合されているのが、発がん物質である「コカミドDEA」というわけだ。