※あったことを書いただけなのに非常に長くなってしまった。
今日は、これといった計画をせずに栃木旅行をすることにした。
今まで栃木県は通過しかしたことがないので、
少し観光してみてもいいだろう。その程度のごく軽い気持ちだ。
行きたい場所は
・日光東照宮
・華厳の滝
・宇都宮餃子
・佐野ラーメン
の4つ。
しかし昨日さてっち氏に電話した限りでは電車ですぐ、というわけにはいかず
日光などの観光地はさらにバスなどを乗り継がないと大変だということだった。
るるぶ栃木をデジカメで高解像度で撮影、そのうちのいくつかに足を運べたら、いいわけだ。
…後から気付いたことだが、このときプレビューモードであり、
電源を切るのを忘れていたらしい。
餃子の写真を撮ろうとしたときに電池切れを起こしており、後の悲劇へつながる。
◇
(福島県中通りから)日光に行くには宇都宮から日光線に乗るのが早い。
というわけで、宇都宮餃子『みんみん』での食事が視野に入る。
この店は去年の8/10のBlogに書いたことがあり、
閉店時間の都合で門前払いに遭った因縁の店である。
11:10頃店に到着。
店に着いたそばから20人近い行列があり、そこに並ぶかためらう。
しかしまあ、何事も経験だ。20人しか行列がいないならここはGOサインの采配。
後続はすぐに30人くらいになり、自分の直感が間違いでもなかったことに安堵する。
メニューは、ライスと焼き餃子と水餃子しかない。それぞれを頼む。
以前『めんめん』で食した餃子と印象は一緒。
やや小ぶりで、塩味がついているので特に醤油が必要ない。
食べ方にもよるが、あっさりした餃子。結構好きだ。
と書いたのは焼き餃子の話であり、
水餃子に関しては塩味がついていない。宇都宮餃子の特徴が死んでいるように感じる。
次回以降行く場合は、多分焼き餃子のみを頼むだろう。
それから、混んでいる『みんみん』より、他の店を選ぶ余裕もできた。
◇
日光の話だった。
一駅あたりの距離が長い日光線、ドアも手動で開ける作り。
ずっと座っているので尻が痛い。
日光に着くと、外国人観光客の多さに驚く。半数近くが外国人。
まあ、駅前で道順を入念に確認しているためだったかもしれないが。
◆
ここで黒四角を導入したのは、ここから歯車が狂ったからである。
とにかく僕は日光東照宮が見られればいいかと思っていた。
よって、日光東照宮行きのバスに乗ればいい。
日光東照宮行きのバスに乗ればいい。
…"日光東照宮前"停留所に降りればいい。
…それっぽい標識や横道が見えたら、降りればいい。
そう思い、方角が合っていることを確認した
"湯元温泉行き"バスに乗車した。
ここまでは僕だったら普通のことだ。
しかし、"日光東照宮前"停留所なんてなかったし、
それっぽい標識や横道も見えなかった。
乗っているバスの停留所の名前を一つも知らないなんて馬鹿げた状況が…起こっていた。
まずい、俺はこれからどこに行くのだろう?
どうする?
ペーパーテストなら、"一旦駅まで引き返し、もう一度目的地を確認する"と、間違いなく書く。
しかし、実際の俺は間違いなくそんなことをしない。
何をしたか。
"日光東照宮で多少は人が降りるだろう。少しこの場で様子を見てみるか"
ということだった。
後から気付いたことだが、このバスで"日光東照宮"付近で降りた人はいなかった。
(日光の観光スポットは日光東照宮以外にもたくさんあるのだ。)
かくして、俺の乗ったバスはどこに行くのか全く予測がつかない恐怖の運送車と化した。
◇
…誰もバスから降りない。
この人たち、皆終点の温泉に止まる(泊まる)気なのではなかろうかと思い始める。
そそくさとサイフの残金を確認する。一泊するには十分な金額はある。
ほっと一息…
つく訳がない。
仮に一泊する羽目になったとして、宿が全て予約済みでない保証などどこにもない。
そしてバスは"いろは坂"に突入した。
急勾配と急カーブが売りの道路。
乗っていて、その急カーブが捌ききれるのか怖くなる。
その瞬間料金が一気に400円くらい上がり、それがまた不安を助長させる。
平静を装っていたつもりだったが、右手は穿いているパンツのファスナー
(太股辺りにあるもの、さすがに股間ではない)を無意味に開けたり閉めたりしていた。
バスの前の席では若妻とその小さな娘が他愛のない会話を繰り広げていた。
"りゅーずのたき、りゅーずのたき。"
娘が恐らく下車する停留所名を連呼する。憶えたいらしい。
余裕のない状態ながら、滝に行けるならそれもいいかとも思う。
娘"パンはパンでも、穿けるパンはなーに?"
母"パンツ。"
娘"ふふ、あたり。"
…それ以上の情報は得られないらしい。
◇
さっきから気になっていたが、いろは坂には対向車線がない。
いろは坂に突入するとしばらく次の停留所に止まらないのだが、
その次の停留所である"明智平"に到着したときのバスの運転手さんのアナウンス。
"いろは坂は一方通行…(以下のメッセージが耳に入らない)"
いよいよ決定的だ、このままバスに乗ってたら間違いなく14日中に
宇都宮(東京)に戻ることはできなくなる。
明智平で下車して日光駅に戻る方法を調べることにする。
◇
明智平駅は高速道路で言えばSAのようなポジション。
さすがにここまで来て観光案内所などない。
みやげ物屋の強面のおじさんに帰り道を訊く。
どうやら"次の中禅寺で下りる"と日光行きのバスに乗れるらしい。
バスの停留所一覧を見ると、"中禅寺温泉"はあるが"中禅寺"はない。
おじさんは("温泉"を省略して)中禅寺と言ったのか、
それとも"中禅寺温泉"で下りたらもう戻れないのかわからない。
おじさんが休憩タイムに入って奥に引っ込んでしまう。
土産物屋を出て、ベンチに座って煙草に火をつける。
一応帰りの足があることはわかったので、バスが来るまで観光に入っていいのだろう。
後は次の停留所に着いてから考えればいい。
ここにはロープウェイがあり、
上がった先で男体山や華厳の滝、中禅寺湖が一望できる。
まるで絵画のような風景。ここに華厳の滝があったのか。
図らずも目的地を1個達成した…と言いたいが、滝をもっと近くで見たい。
バスの中ずっとそわそわした結果偶然得られた、ケガの功名。
東照宮を先に見に行ったら、滝を見る余裕がなかったのもまた事実に違いない。
◇
以降は特にトラブルもなかったので、端折ろう。
次の"中禅寺温泉"停留所は風光明媚な規模ある商店街。
ゆばソフトクリーム
(固いアイスクリームを押し出して巻くだけなので形はお世辞にも美しくない)
を食し、先ほどは遠くからしか見えなかった華厳の滝をもう少し近くで眺める。
5月末に養老の滝に行ったが、それと同様の力強い水しぶき。
若い観光客から
"超マイナスイオン出てそう"という言葉が出なくなるのは何年後のことだろうか?
そして帰りのバスで"西街道"で下車。
何故か、帰り道からだと"←東照宮"の標識がある。
当初の目的地であった日光東照宮は到着時刻が遅かったため
拝観業務を終了していた。
よって、3猿やら眠り猫やらにはお目にかかっていない。
しかし、境内をうろつくだけでもこの場があくまで徳川家康の廟であることは
理解できた。
神を祀る場所とは建物の印象がまるで違う。
端的に言うと、派手だ。
名物は見られなかったものの、別にいいような気がした。
あまり好感を持たなかった、と言ってもいいだろう。
◇
そんな感じの日帰り旅行。実は目的も3/4達成している。
No Planの旅はトラブルがつき物なのでこうして書く後日談に困らないが、
今回の"戻れないかも"という恐怖感はかなりのもので、ちょっと懲りてもいる。
国内観光地だったから何とかなったけど、海外でうっかりこれをやってしまうと
知らずに危険地域に入って、身の安全さえ危ぶまれるかも知れない。
栃木観光でこういう経験ができたことを幸運に思うしかない。
次からは、もう少しだけ、計画しよう。
今日は、これといった計画をせずに栃木旅行をすることにした。
今まで栃木県は通過しかしたことがないので、
少し観光してみてもいいだろう。その程度のごく軽い気持ちだ。
行きたい場所は
・日光東照宮
・華厳の滝
・宇都宮餃子
・佐野ラーメン
の4つ。
しかし昨日さてっち氏に電話した限りでは電車ですぐ、というわけにはいかず
日光などの観光地はさらにバスなどを乗り継がないと大変だということだった。
るるぶ栃木をデジカメで高解像度で撮影、そのうちのいくつかに足を運べたら、いいわけだ。
…後から気付いたことだが、このときプレビューモードであり、
電源を切るのを忘れていたらしい。
餃子の写真を撮ろうとしたときに電池切れを起こしており、後の悲劇へつながる。
◇
(福島県中通りから)日光に行くには宇都宮から日光線に乗るのが早い。
というわけで、宇都宮餃子『みんみん』での食事が視野に入る。
この店は去年の8/10のBlogに書いたことがあり、
閉店時間の都合で門前払いに遭った因縁の店である。
11:10頃店に到着。
店に着いたそばから20人近い行列があり、そこに並ぶかためらう。
しかしまあ、何事も経験だ。20人しか行列がいないならここはGOサインの采配。
後続はすぐに30人くらいになり、自分の直感が間違いでもなかったことに安堵する。
メニューは、ライスと焼き餃子と水餃子しかない。それぞれを頼む。
以前『めんめん』で食した餃子と印象は一緒。
やや小ぶりで、塩味がついているので特に醤油が必要ない。
食べ方にもよるが、あっさりした餃子。結構好きだ。
と書いたのは焼き餃子の話であり、
水餃子に関しては塩味がついていない。宇都宮餃子の特徴が死んでいるように感じる。
次回以降行く場合は、多分焼き餃子のみを頼むだろう。
それから、混んでいる『みんみん』より、他の店を選ぶ余裕もできた。
◇
日光の話だった。
一駅あたりの距離が長い日光線、ドアも手動で開ける作り。
ずっと座っているので尻が痛い。
日光に着くと、外国人観光客の多さに驚く。半数近くが外国人。
まあ、駅前で道順を入念に確認しているためだったかもしれないが。
◆
ここで黒四角を導入したのは、ここから歯車が狂ったからである。
とにかく僕は日光東照宮が見られればいいかと思っていた。
よって、日光東照宮行きのバスに乗ればいい。
日光東照宮行きのバスに乗ればいい。
…"日光東照宮前"停留所に降りればいい。
…それっぽい標識や横道が見えたら、降りればいい。
そう思い、方角が合っていることを確認した
"湯元温泉行き"バスに乗車した。
ここまでは僕だったら普通のことだ。
しかし、"日光東照宮前"停留所なんてなかったし、
それっぽい標識や横道も見えなかった。
乗っているバスの停留所の名前を一つも知らないなんて馬鹿げた状況が…起こっていた。
まずい、俺はこれからどこに行くのだろう?
どうする?
ペーパーテストなら、"一旦駅まで引き返し、もう一度目的地を確認する"と、間違いなく書く。
しかし、実際の俺は間違いなくそんなことをしない。
何をしたか。
"日光東照宮で多少は人が降りるだろう。少しこの場で様子を見てみるか"
ということだった。
後から気付いたことだが、このバスで"日光東照宮"付近で降りた人はいなかった。
(日光の観光スポットは日光東照宮以外にもたくさんあるのだ。)
かくして、俺の乗ったバスはどこに行くのか全く予測がつかない恐怖の運送車と化した。
◇
…誰もバスから降りない。
この人たち、皆終点の温泉に止まる(泊まる)気なのではなかろうかと思い始める。
そそくさとサイフの残金を確認する。一泊するには十分な金額はある。
ほっと一息…
つく訳がない。
仮に一泊する羽目になったとして、宿が全て予約済みでない保証などどこにもない。
そしてバスは"いろは坂"に突入した。
急勾配と急カーブが売りの道路。
乗っていて、その急カーブが捌ききれるのか怖くなる。
その瞬間料金が一気に400円くらい上がり、それがまた不安を助長させる。
平静を装っていたつもりだったが、右手は穿いているパンツのファスナー
(太股辺りにあるもの、さすがに股間ではない)を無意味に開けたり閉めたりしていた。
バスの前の席では若妻とその小さな娘が他愛のない会話を繰り広げていた。
"りゅーずのたき、りゅーずのたき。"
娘が恐らく下車する停留所名を連呼する。憶えたいらしい。
余裕のない状態ながら、滝に行けるならそれもいいかとも思う。
娘"パンはパンでも、穿けるパンはなーに?"
母"パンツ。"
娘"ふふ、あたり。"
…それ以上の情報は得られないらしい。
◇
さっきから気になっていたが、いろは坂には対向車線がない。
いろは坂に突入するとしばらく次の停留所に止まらないのだが、
その次の停留所である"明智平"に到着したときのバスの運転手さんのアナウンス。
"いろは坂は一方通行…(以下のメッセージが耳に入らない)"
いよいよ決定的だ、このままバスに乗ってたら間違いなく14日中に
宇都宮(東京)に戻ることはできなくなる。
明智平で下車して日光駅に戻る方法を調べることにする。
◇
明智平駅は高速道路で言えばSAのようなポジション。
さすがにここまで来て観光案内所などない。
みやげ物屋の強面のおじさんに帰り道を訊く。
どうやら"次の中禅寺で下りる"と日光行きのバスに乗れるらしい。
バスの停留所一覧を見ると、"中禅寺温泉"はあるが"中禅寺"はない。
おじさんは("温泉"を省略して)中禅寺と言ったのか、
それとも"中禅寺温泉"で下りたらもう戻れないのかわからない。
おじさんが休憩タイムに入って奥に引っ込んでしまう。
土産物屋を出て、ベンチに座って煙草に火をつける。
一応帰りの足があることはわかったので、バスが来るまで観光に入っていいのだろう。
後は次の停留所に着いてから考えればいい。
ここにはロープウェイがあり、
上がった先で男体山や華厳の滝、中禅寺湖が一望できる。
まるで絵画のような風景。ここに華厳の滝があったのか。
図らずも目的地を1個達成した…と言いたいが、滝をもっと近くで見たい。
バスの中ずっとそわそわした結果偶然得られた、ケガの功名。
東照宮を先に見に行ったら、滝を見る余裕がなかったのもまた事実に違いない。
◇
以降は特にトラブルもなかったので、端折ろう。
次の"中禅寺温泉"停留所は風光明媚な規模ある商店街。
ゆばソフトクリーム
(固いアイスクリームを押し出して巻くだけなので形はお世辞にも美しくない)
を食し、先ほどは遠くからしか見えなかった華厳の滝をもう少し近くで眺める。
5月末に養老の滝に行ったが、それと同様の力強い水しぶき。
若い観光客から
"超マイナスイオン出てそう"という言葉が出なくなるのは何年後のことだろうか?
そして帰りのバスで"西街道"で下車。
何故か、帰り道からだと"←東照宮"の標識がある。
当初の目的地であった日光東照宮は到着時刻が遅かったため
拝観業務を終了していた。
よって、3猿やら眠り猫やらにはお目にかかっていない。
しかし、境内をうろつくだけでもこの場があくまで徳川家康の廟であることは
理解できた。
神を祀る場所とは建物の印象がまるで違う。
端的に言うと、派手だ。
名物は見られなかったものの、別にいいような気がした。
あまり好感を持たなかった、と言ってもいいだろう。
◇
そんな感じの日帰り旅行。実は目的も3/4達成している。
No Planの旅はトラブルがつき物なのでこうして書く後日談に困らないが、
今回の"戻れないかも"という恐怖感はかなりのもので、ちょっと懲りてもいる。
国内観光地だったから何とかなったけど、海外でうっかりこれをやってしまうと
知らずに危険地域に入って、身の安全さえ危ぶまれるかも知れない。
栃木観光でこういう経験ができたことを幸運に思うしかない。
次からは、もう少しだけ、計画しよう。