ふーだお通信

2010年までは中国での生活日記。2010年以降は福島(中国語でfudaoと発音)での事。

薄着と厚着

2007-09-24 15:14:40 | 思う事(~2010年3月)
先週の金曜日。幼稚園から帰ってきた娘のカバンを開けるといくつかのお知らせの紙と一緒に「中日ナントカ」と書かれたプリントあり。
なんだなんだ、日本がどうした?と思い、よく読んでみる。

娘の幼稚園は、クラスによって担任の先生がある程度の裁量権を持っているようで、担任の先生によって、持って行くものなどが微妙に違っている様子。
娘の担任の先生はなかなか熱心で、親宛てに時々教育関係の新聞やネットに掲載された文章を、メールや印刷物で送ってくる。
このプリントはどうやらその一連の教育コラムのようだ。
内容を訳してみる。

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「中国と日本の児童養育観にはどんな違いがあるか?」
(www.yojochina.com 2007/9/10)

中国と日本の子どもの様子には大きな違いがある。その底には教育観の違いが見られる。
中国人は’子どもというのは体が弱く、寒さに対する抵抗力が低い。そして病気は冷える事が原因なので、子どもは大人よりも衣服を多く着せなければならない’と思っている。それにより、子どもはいつも分厚い服を着せられパンパンに膨れ上がっている。
それに対して日本人は、’子どもは薄着をしていれば皮膚の温度調節機能が鍛えられ、それにより寒さに対する抵抗力が上がる。病気を予防する為に子どもは大人より衣服を少なく着せる。’という考えだ。

中国人の育て方はもう一つ大きな特徴がある。それは’鍛錬を軽んずる’事だ。
多くの大人は、子どもにはたくさん食べさせ、たくさん着せる事が良い育て方だと考えている。体を鍛える事はどうでもいい事だと見なし、結果小児科にはいつでも患者が溢れ、親達は自分の子どもが体が弱く病気がちだと口々に嘆いている。
それに対して日本人は子ども達の体の鍛錬を大切にし、’病気しない子どもに育てる’という事を目標としている。

中国と日本の大人には、子どもの養育方面での考え方で大きな開きがあるのがはっきりしている。
中国人は子どもは大人と同じ身体能力を持っていないので、より手厚く保護してやらなければいけないと考える。
それに対して日本人は、子どもを健全に成長させるには鍛錬が必要であり、自然の環境に適応した育て方を良しとしている。
子どもの生存能力を高めるという事から見ると、日本人のこのような鍛錬型の養育方法は、子ども自身の主体性を高め、自身の能力を引き出し伸ばしていけるといえる。
それに対して中国人のこのようは保護型養育方式は、消極的な養育方法といえる。
子どもは自身の能力を抑制され、しいては人間が本来持っている生存能力を退化させてしまうことになるかもしれない。

中国と日本の親の間では、子どもに対する困難や危険についてどう考えるかという事でも違いが見られる。
日本の親達は子どもに粘り強い性格を作り出す為に小さい時から試練を経験する事を望む。中国の親達はなるべく子どもに試練を避ける事を望む。そしていつも可能な限り子どもを助けていく。これは中国の親達は子どもに粘り強い性格を育てるという事にあまり関心がないとも言える。子どもの人生が平和で幸福であるようにいかなる苦労もさせたくない、という姿勢が中国の親の養育観の底には見える。

日本人は子どもに粘り強く強い意志を育てる事を重要視し、子ども自身が逆境を経験する事で目的を果たそうとしている。
私達中国人にはこのようにするのは難しい。安定を求め、試練を恐れる意識が根本的に強い。
中国人の親達は、子どもに試練を与える事を恐れずに教育をするべきであろう。
すぐに効果は現われないが、続ける事で次第に強靭な性格が子どもの中に根付くだろう。
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日本人の子育てが褒められているよ・・・、とちょっと嬉しい。

確かに日本では薄着奨励、風邪をひいて熱が出ても’すぐに解熱剤!抗生物質!!’の中国式ではなく、’熱を出すのは体の中で白血球が戦っているから悪い事ではない。普通の風邪には抗生物質は必要ない’という考え。
子どものカバンを子ども自身に持たせず親が持つ中国と、小学校1年生でも大きなランドセルを自分で背負って徒歩で学校へ行く日本。

でも、そうかといって日本人がみんな我慢強い訳でもないけどなあ、と思うが、この冬、「こんなに薄着じゃ子どもが寒いじゃないか。もっと着せなさい。」と言われない事を望む。

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