(ちょっと間が開きましたが、本頁は「男鹿三山の花図鑑(7)晩夏&初秋編」の続きです。)
十月になっても男鹿の山にはまだ花が咲き残っている。
他の高山では紅葉が始まり、咲き残りは有ってもかすかにリンドウ類(エゾオヤマリンドウ)が有る程度だが、
男鹿ではそれが見当たらない。代わりにトリカブトが目につき、他にも残り花が多かった。
オクトリカブト Aconitum japonicum ssp. subcuneatum
トリカブト類は他の山では沢筋など湿り気のある場所に見かけるが、
男鹿三山では山麓から山頂部まで全山にわたって生育しているようだ。理由はよく分らない。
2019/10/02
2019/10/02
林の中を走る縦走路でよく見かける花たちを。
ツルリンドウ Tripterospermum japonicum
チヂミザサ Oplismenus undulatifolius
2020/10/11 ツルリンドウの実 2019/10/02 チヂミザサ
ミズヒキ Persicaria filiformis
タマブキ Parasenecio farfarifolius var. bulbifer
2019/10/02 ミズヒキ 2019/10/02タマブキ
キオン Senecio nemorensis
山頂部の草地で見られる。通常、真夏から咲くが、下写真の個体は咲く前に刈り払いされ、
その後、脇芽が伸びて秋遅くに咲いたもの。
アキノキリンソウ Solidago virgaurea var. asiatica
2019/11/10 キオン 2019/10/02 アキノキリンソウとノコンギク
ノコンギク Aster microcephalus var. ovatus
2020/10/11
オヤマボクチ Synurus pungens
ヤマハッカ Rabdosia inflexa
2019/10/02 オヤマボクチ 2019/10/02 ヤマハッカ
秋も深まると、木の実が多くなって来た。
ガマズミ Viburnum dilatatum
2019/10/02
ミヤマガマズミ Viburnum wrightii
2019/10/02
コマユミ Euonymus alatus form ciliatodentatus
ムラサキシキブ Callicarpa japonica
男鹿には他にオオムラサキシキブも有るが、右下写真はただのムラサキシキブと思われる。
2020/10/11 コマユミ 2019/11/10 ムラサキシキブ
サルトリイバラ Smilax china
2019/11/10
ツルシキミ Skimmia japonica var. intermedia f. repens
実姿は次のヒメモチ(ミカン科)によく似るが、茎が這い性であること、実が枝先に付く点などで識別する。
ヒメモチ Ilex leucoclada
2020/11/15 ツルシキミ(実) 2019/11/10 ヒメモチ(実)
草の実も。
キタマムシグサ Arisaema peninsulae subsp. boreale だろうか。
初夏の仏炎苞や茎の模様には思わずドキリとしてしまうが、実もそれ以上にショッキングな存在だ。
ルイヨウショウマ Actaea asiatica
キンポウゲ科。実は黒いが、柄が赤味を帯びているので割とよく目立つ。
開花時の姿は「(3)陽春編」を参考にされたし。
2020/10/11 キタマムシグサ?の実 2020/09/23 ルイヨウショウマの実
ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum の実姿。
2019/11/10
男鹿の紅葉は?
2019/11/10 男鹿三山の紅葉
男鹿三山は海岸に近いため、紅葉はあまり綺麗ではないと言われているが、
海の影響が少ない東斜面には紅葉が綺麗なポイントが有った。
2020/11/15 落葉後のブナ林
最後の残り花。
2020/11/15 デワノタツナミソウ 2019/12/22 トケンランの芽出し
晩秋や初冬の林を歩くと、トケンランやサイハイランの芽出しや葉っぱに遭遇する。
これらのランは初夏の開花時には葉が枯れているものが多い。
いつの間に栄養を蓄えているか。
これらのランは晩秋から早春の林床が明るい期間に葉を広げ、光合成を行ない、
栄養を蓄える戦略をとっているようだ。
以上。
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