(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。
今日はこれから山に行くので早めにアップ。 ε=ε=へ(+´π`;)ノ)
七座山(ななくらさん)は能代市の東部にある低山(最高峰で288m)。
米代川を挟んできみまち阪公園と向かい合う。
この山の東側斜面は傾斜が急で、天然の秋田杉と広葉樹の混生林に覆われる。
この林は低地には珍しく原生林だとされるが、これは藩政時代に御直山(おじきやま)として保護されたためと聞く。
通常、このような原生林ではスプリングエフェメラルは群生しにくい。
特に林床をササに覆われたら、サッサと姿を消してしまうものだが、
この山の東側斜面はササが少なく、多くの場所がスプリングエフェメラルに覆われている。
かといって、例えば西木(こちら)や西和賀・安ヶ沢(こちら)のような花筵にはならない。
人為的な下草刈りをしていないから当然だ。
疎らながらもいろんな花が混じり合って生え、他では滅多に見られない種類も幾つか有る。
そんなわけなので春限定だが、数年前からちょくちょく訪ねていた。
今年(2014年)は4月に二回来た。
初回、4月20日の林の中はとても明るかった。
カタクリ
トリカブトの芽吹きにびっしりと覆われた斜面を登ると
イチゲやカタクリ、エンレイソウ、ヒメアオキなどの姿が見える。
個々の植物を順次紹介してみる。
カタクリ
キクザキイチケ(青紫タイプ)
アズマイチゲ
エンレイソウ
ハシリドコロ
トリカブトの若芽
猛毒植物ハシリドコロも初めは上向きに花を咲かせると知る。
同時期、見られる木の花と実。
ナニワズ
ヒメアオキ
わっ( ̄π ̄;これはナンダ!?
帰り際、林縁の水溜まりで遭遇。
サンショウウオの仲間の卵のうと思われるが、詳細は不明。
どなたかお分かりの方、ご教授下され。m(_ _)m
4月30日、二回目に訪ねたら、樹木の葉が展開し始めたせいか、林の中は薄暗くなっていた。
イチゲやカタクリなどスプリングエフェメラルは花が終わっていた。
樹木と岩のコラボ
今回は大型のスミレがいっぱい咲いていた。
スミレサイシンの花の径は2.5~3センチくらい有り、国内原産スミレとしては最大級。
葉の形がウスバサイシン(現在はトウゴクサイシン、ウマノスズクサ科)に似ていることから
その名がついたとのことだが、そうだとしたら何故サイシンスミレではないのだろう。
今回見た中で花が一番でかかった株。径は3センチを優に超えていた。
花色は紫の濃いものから薄いものまで変化に富む。
猛毒植物ハシリドコロの図体はでかくなっていた。
花は下向きに咲くようになり、黄花のタイプも有った。
この植物もスプリングエフェメラルの一種なので、この後、急速に枯れてしまう。
ここでちょっとお勉強を。
スプリング・エフェメラルとは、
Spring Ephemeralと書き、『春の妖精』または『春のかげろう』と訳される。
『春植物』と呼ぶこともある。長い名前なので「スプエフェ」と略す人も居る。
カタクリやイチゲの仲間、フクジュソウ、エンゴサク、アマナ、コバイモの仲間などのように
春の限られた期間(雑木林の林床が明るいうち)に
パッと現れ、パッと咲いて、パッと実を結び、パッと消える特異なライフスタイルをもつ小型植物を指す。
だからと言って一年草ではない。
地上部が枯れた後も地下部分(地下茎や球根)は生き残り、翌年の早春に地上部を再生する。
したがって、その生涯はけっして儚いというものではない。
例えばカタクリに至ってはタネから花が咲くようになるまでには十年近い歳月を要し、
その後は何十年にもわたって咲き続けると聞く。
へたをしたら他の草花以上に長命と言えるかもしれない。
今回は猛毒植物のハシリドコロもスプリングエフェメラルのひとつと認識して頂きたく、敢えて挿入した。
今後、新たに咲く花は白など地味なものばかりになってしまう。
ニリンソウ
タチカメバソウ。仄かにコバルトを帯びる株も有った。
今回は七座山には登っていない。
登山記録は最下段の「七座山・房住山」カテゴリの最新記事を参考願いたい。
近くの別山の林道を走っていたら、林の藪の向こうにちらと薄い紫の花影が見えた。
藪を掻き分け、確認したところ、シラネアオイだった。
野生品の開花を見るのは今年初めて、しかも4月中にお目にかかれるとは思ってもみなかった。
しかもその隣には白花も咲き出していた。
以上。
以前、まったく同じもの(色、形、大きさ)を岩手県西和賀のカタクリ群生地にある池で見ました。
あちらでは看板に「クロサンショウウオの卵もご覧ください。」と書かれておりました。
こちらもたぶんそうじゃないかなと思いましたが、
いかんせん両生類はまったく無知なのでお訊ねしました。
ありがとうございます。m(_ _)m
ところでクロサンショウウオってあの小さな体で
よくもまあこんなでかい卵をしかも多数産むもんだと感心しております。
モリアオガエルの樹上の卵群は鳥海山で一度だけ見たことがあります。ビックリしました。
そのうちブログにも載せるかもしれません。