花の季節到来なのに、近ごろは何となく鬱々とした日々を送っていましたが、それは1日おきくらいに用事が入って畑の澄明な空気の中に居られないからなのでしょうか。3月31日、ひさしぶりに宮崎市のメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)で開かれたコンサートに出かけました。「みやざきの舞台芸術シリーズ 音彩×魅惑 フルート・クラリネット・2台のハープの5感で巡る癒しの旅」。
このコンサートは県立芸術劇場のシリーズ化されている催しのひとつで、地元在住・出身アーティストの貴重な活動の場となっています。同日のステージにはフルート・戸髙美穂、クラリネット・日髙由美子、ハープの柄本舞衣子、津野田圭の皆さんが出演。いずれも芸大、音大卒後ヨーロッパ留学を経て活躍中の実力派です。フルートとハープ、クラリネットとハープとそれぞれデュオで演奏していたのが、一緒のステージで音を出すことで「色彩豊かで新たな響きを創り上げことができのでは」とのあいさつがありました。フルート、クラリネット、2台のハープという楽器編成はとても珍しいとのこと。
ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」「月の光」、ビゼー「カルメン狂詩曲」、ラヴェル「マ・メール・ロワ」と親しみ深い曲から、リード「ヴィクトリアン・キッチン・ガーデン組曲」、オルウィン「『ナイアデス』フルートとハープのための幻想曲ソナタ」、サルツェード「夜の歌」ほか技巧を凝らした曲など工夫されたプログラムで、レベルの高い豊かな音楽性を感じさせる魅力的な演奏を聴くことが出来ました。
近ごろはCDで美しい小品を聴いていましたが、ひさしぶりに生ではつらつとした演奏を聴くことができてよかったと思ったことでした。外に出ると、文化公園の桜が6、7分といったところでしょうか、美しく咲いていて多くの人でにぎわっていました。