ユウスゲは夕菅と書きます。今あちこちできれいな花をつけていますが、その名の通り夕方に咲き翌朝にはしぼんでしまいます。鹿児島県湧水町で以前「ゆうすげを観る夕べ」に参加させてもらって、沢原高原に自生するこの花を見たときはそのやさしく、たおやかな美しさにうっとりとしてしまいました。
別名・黄菅(きすげ)というように、ニッコウキスゲによく似ています。その昔、小諸だったか志賀高原だったか「きれいな花だなぁ」と眺めた記憶がうっすらとあります。夕菅はもっとレモン色というか、よりやさしい色をしています。わが 畑には4、5年前に地元の物産館で買った栽培種のユウスゲが1株あり、毎年のように今ごろ5、6輪の花をつけてくれます。
霧の中でひっそりと咲くこの花を見ていると、戦後苦労を重ねて50代で死んだ母親のことや、中田喜直さんが作曲した「霧と話した」の歌を思い出したり、ちょっぴりセンチな気分になってしまいます。やさしさをたたえた女性をイメージしてしまうからでしょうか。
わが畑ではないのですが、近くできれいに咲いたユウスゲ