湧水町での畑仕事がなくなったので、一時はペースがつかめず、このブログもしばらく休みましたが、何とか工夫してまた書き始めようと思います。
2、3日前から急にクマゼミの騒々しい声。とにかく暑いです。
この前、Kさん、Iさんという2人の女性と宮崎市内の喫茶店でお会いすることができたのですが、お2人ともボランティアなどマルチな活躍をされ、おおいに刺激を受けることができました。このお2人に影響を受けたのか、前々から思いながら押しつけにならないかと躊躇していたことをついに実行に移しました。
宮崎市内のある高齢者施設への文庫本約50冊の寄贈です。
ほぼこの一年間で読んだ池波正太郎の「鬼平犯科帳」24冊、「剣客商売」18冊、「仕掛人藤枝梅庵」7冊。私自身、時代小説は藤沢周平、葉室麟など何冊が読んだくらいで、本格的に読み始めたのはこの1年ほど。近ごろは文庫本でも活字が大きく読みやすい。病院の待合室などでむさぼるように読み進めてきました。池波作品は人物描写がいきいきとして、江戸の風情、情緒がふんだんに盛り込まれていて尽きぬおもしろさがあります。
この施設は、クリニックも開設していて、私はその患者なのですが、先生は音楽や本など幅広く関心をもっている方で、日ごろから施設のお年寄りやクリニックに通うすべての患者に寄り添ってくれるすばらしい方です。
認知症予防、頭の体操に、旺盛な知識欲を少しでも満たすことができれば、と思い、本の寄贈を思い立ちました。男性入所者のほか、時代文学好きの女性も結構いらっしゃると聞きます。そういう方達のお役に少しでも立てることができれば、と思います。好評ならばまた来年、今度は現代ものを、などと考えていますが、そう思うと、日ごろの読書も本を大事に衛生的に意識して取り扱ったり、思わぬ効果があるものですね。
腰痛や内臓疾患とあちこち悪いところがありながら、何とか小さな幸せを感じながら一日一日生きていられるのも、複数の病院、医院の先生たち、スタッフの皆さんのおかげ-。ウォーターベッドに横たわりながら今日はそんなことを考えていました。このベッドのBGM、ピアノ曲ですが、出だしのメロディーが武満徹の「小さな空」に似ている、といつも感じています。こんなことも小さな幸せのひとつなのかもしれません。
池波正太郎の本