桜から逃れてくればまた桜 背後に春の崖せまり来る
すげえ好きだから高知時代のブログでも紹介したような、それくらいの短歌。
桜、日本人は好きだけどそっから逃げたい人もいて桜前線に追い込まれてる囲まれてる人もいるという価値観のZ状態。
桜から春から逃げたい人もいるんだぜ。ムシマルもその一人だぜ。
後悔が残るくらいがちょうどいい春あわゆきのほかほか消える
東直子
上の句と下の句の、関係あるんだかないんだかの関連性が素敵です。「ほかほか消える」も優しくて好き。
雨上がりよりも雪上がりの方が残るなにかがあってそれがそれなんだろうなーって。
この街で初めての春 薬局の角のあの木は桜と気づく(仁尾智)
実感を伴う短歌。桜って咲かないと気付けないよな、って。
転勤人間脱藩人間ムシマルには伝わりましたよ。
春以外は地味な気である、桜。
外猫が身体じゅうになんか草の種みたいな春をくっつけてきた(仁尾智)
「草の種みたいな春」、っていう響きだけで100P(座布団に換算すると10枚)差し上げたくなる一首。
その後の「春をくっつけてきた」も概念をけん引する感じで好き。
ちょっと伊坂幸太郎の重力ピエロ連想しちゃう。
雷? いやおそらく花火 去年の春いっしょにあるいたあの川あたり
『東京がどんな街かいつかだれかに訊かれることがあったら、夏になると毎週末かならずどこかの水辺で花火大会のある街だと答えよう』 (宇都宮敦)
時間経過感覚が好き。ゆるやかにお散歩したあの河原が今は花火客詰めかけるけたたましさに変わったんだなあ。静と動の感じと、今いる場所が散歩した場所から距離的にも時間的にも微妙な距離っぽいのが歯がゆくて好ましい。
激しい夏とやらかい春があって日本には四季があっていい。
春がもう近くにいるね専用の機器で測ったわけじゃないけど
後半なくても伝わるわ!って突っ込みたくなる短歌。
専用の春測定器ってでも想像するとかわいい。春度99.4%!とかなったら楽しい。そういう春であった。
杓子定規さが逆に子供っぽくてかわいい。
ひだまり、と美川憲一が言っているなにしろ春の只中だから
駄洒落な短歌。
賢明な諸兄ならわかられると思うが、
「おだまり!」
って普段言われる美川氏だ。
その美川氏も暖かな空気に思わずいつもと違う言葉を言っちゃう・・・・・・・・シュールなギャグに近い短歌。でも面白いよね。
しあわせはおなかがすくね ねこの手がやっとじょうずになってきた春(こゆり・女・31歳)
言い方がいとけなくていいですね。
結婚か同棲かして暮らして、包丁で食材を切るのが上達していくのがほわほわした表現で綴られていてひとり者ムシマルはやっかむやら嫉妬するやらばかり。
でもいい歌。
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