1月の話。
横川周辺を歩きまくる。
わーい雪だるまだ。
なんか怖いけど、かわいい。
気のせいか、あるいは雪の精かも。
と、うろうろするうちに焼肉屋さんの前に出る。
まつざかうしの、ホルモン。
へー、そそる。
まつやなんだ、松屋じゃなくて。
悩んでさまよったけれど、どうしても惹かれるものがあってここに入る。
優しそうな給仕のおかあさんと職人っぽい大将さんが二人でやっている。
店構えは、わりと普通。
テーブル席と座敷席。
テーブル席に着席。
ビールください。
ああ、なんだか変にマッチするぜムシマルはこの場所に。
テレビがある、と思ったら懐かしの歌番組を流している。
『昴』とか岩崎宏美とか加山雄三とかなんだか逆に新鮮。
何を頼もうか。
松坂牛ホルモンの店だから、ホルモンであろう。
「ホルモンと、(なんぞこれ)掟破りの厚切り塩タンを」
来たのです。
いただく、はむ。
ホルモンおいしい。
これがまつざかうしの。
むちゃむにゃとかむと奥底から味の合唱団がみんなで歌う感じ。
はーらーらー。
これはあれだな。ムシマルに一つの欲望が渦巻く。純度100%の渦巻きだ。
掟破りな厚切りをいただく。
たしかにたしかに、普段のペロンとしたタンではなくてエンマ大王か舌切り雀の悪いおばあさんのようである。
間違えた。
悪いおばあさんとエンマ大王がワイルドに切り取った舌のようである。
ネギちょちょん。ぱく。
お肉大好き。
タンのこれまで食べていたイメージは、「抵抗断力を超えたらクタンとなる弾性の食べ物」であった。
これもタンだからそれの範疇ではあった、あったんですが弾性と抵抗係数が数倍。
(噛み応えがえらい。重層的で、臼歯が足りないくらいであることよ。)
ホルモンもぎゅっとしてこの今回の、歯への挑戦みたいな楽しさがある。「風雲たけしの挑戦状」もそうであるし、挑戦は楽しいものだ。
ビールもいいけれど、
白米を寄せたい。
ムシマルの焼肉願望はビールよりも白ご飯なのであった。
これが、ムシマルの、渦巻き。
渦巻の目だ。
ホルモンの脂のしたたりは、恩恵のように炎の力を強くする。
うーーん、まだこの上があるという。
『スーパーホルモン』という名である。
680円だったっけ、普通のホルモンが590円だっけそれくらい。
お値段上昇率でいえばそれほどではない。
たのんじゃおうか。
「すいませんスーパーホルモンと、白ご飯を!」
はーいと給仕と優しい声で給仕にかかってくれる。
来た。
これがスーパーホルモン!
松阪牛1頭から15人分前後しか取れない希少部位『スーパーホルモン』
脂が少なめで食感がホルモンと上ミノの中間のような食感でかみごたえがある逸品。ホルモンの中でも特に味が濃厚です。
と、ヒトサラに、あと店内に書いてあった部位。
今、最初にホルモンを頼んだ時と同じような奇妙な幸福を味わい、あの時と同じ奇妙な香りを味わった。
その香りは、私が最終局面にいることを意味した。
その幸福は私がこれをこれからほおばることを意味した。
この肉は形態であり、幸福は内容であった。
香りが肉煙の空間をも満たした。
その前に、最後に残したタンでお肉を!
がぶ。
タンパク質と炭水化物の、お肉とご飯のハネムーン。ハネムーン先はムシマルの胃袋になりますこの比喩では。
ああ、諸説あるでしょうがムシマルにとっては焼肉にはご飯ですわ。
そしてスーパーホルモン。
うーーん、スーパー!
弾力がさらに、一層。
より一層ますますの、ご健勝とご栄達を祈るような弾力だ。
元のホルモンがおいしかったから倍率もそれほどですが、1.2倍くらい味が深い。
白いホルモンは白いご飯と、色彩感覚的にも合う。親和性がある。
ということでおいしくいただいたのであった。
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