宇品を通り、
お店に入る。
小上がりとカウンターの、卓が8名くらい、12名入れたかな?カウンターが6~7席くらいの、やや小さめ舞台。
大将さんは黙々と捌かれる。
「カウンターさんに飲み物をお聞きして」みたいなことを従業員さんに言われるのを聞く。
聞かれる。
どうしよう、日本酒に土佐の酒「久礼」がある。
しかし、どうしようもなかった。
自転車で来ていた来てしまっていた。
お茶で。
「ジャンボ手巻きずしを」
食べきれなかったら持ち帰れますよ、そう言ってくれる。
その優しさが逆に、これから来る料理って凄いのではないか。
そう思わせてしまう。
1,500円だ。
お寿司屋さんの1,500円だったら、10貫くらい?そんなくらいならいける気がする。
大将さんが調理される、手さばきは迷いなし。
あれ。
今、手で巻いたのそれ。固める力で押し込んだのそれ。
缶ビールのロング缶より大きいんですが。
サイズでいうと瓶ビールの太さに近い。気がする。
切られて、盛り付けられて。
出た。
やはり大将さんが切っていたのはムシマルが頼んだやつだった。
ナツメロというか、歌謡曲っていうような曲が流れている。
後ろでは卓の客が○○のワサビ抜きって言ったり言い忘れて確認されたりしている。
は、手巻きに移ろう。
今ここにしかない花が咲いているような咲いていないような。
具は。
玉子焼きが中央に、さくらでんぶにウナギにイカにマグロにサーモン、白身魚もあったような。
思った以上に具沢山、しかし、食べ方はどうしよう。
箸、では無理だ。
ここは手で掴むしかないか。
星を掴もうと手を伸ばした男がいたとしたら、ムシマルは手巻きずしを墜とした男である。
あむ。
うまい。
ご飯は甘さちょいありの、バランスのいい食べ物。
ひと口の中にシャリ含有量がごっつくある。
醤油ひとかけ、ああ、崩れそう。
お魚もちゃんとしている。
ばくばくう。
ひとつ。
お茶碗一杯分くらいあるのでないか。
次だ。
お箸で上品に食べようと思ったら、ひと口じゃ食べらんないからほぐしすぎて逆にボロボロになってしまった。
もぐもぐ。
ふたつめ、みっつめ。
「食べれるかね?お相撲さんやったら食べられるかもしれんね」
大将さんの言葉。
「お腹減らしてきてるんで、いってみます」ムシマルの言葉だ。
いろんな味がメリーゴランドのように駆け回っているので、意外に飽きない。
お茶をすするズズズ。
よっつ、いつつ。
補足。
具も、少し変化が付いている気がする。
あとひとつ。
お腹もいっぱいだけど、行けるか?
いけました。
「よく食べたねえ、ほかに1人くらいだけだよ一人で完食したのは」
おなかいっぱいです。
食休みにお茶をくださる。
「手巻きが得意だからねうちは」大将さんが完食したご褒美か語ってくれる。
「にぎりはほかのお寿司屋さんも多なったからね、得意なところで勝負したい」
だからジャンボ手巻きとか「うら巻き(400円)」といった変わったやつもあるみたい。
魚もいいやつがあるからね、と自身が船を持たれているらしい大将さんの話を聞いた。
お会計は1,500円に税込1,620円。
安い、寿司屋さんで回らないお寿司屋さんでお腹たるばあ食べて1,620円。
次はチャリでなくてお酒呑めるようにしていきたいです。
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