うーん、ジャンル分けが難しい。
「和食」ってブログカテゴリを作っていなかった。2017年6月時点では。
レトロともちょっと違うしオシャレとも違う、お魚でもお肉メインでもない系の食事を、とりあえず「レトロ」カテゴリにしました。
かたちのない想いを人がなんとかかんとか名付けるみたいにとりあえずレトロ。
4月の話。
桜まみれだったころ。
自転車で五日市方面まで。
一年以上住んでいるのに、ちゃんと五日市十日市廿日市の距離感の違いを分かっていないのはよくない、と思う。
だから行ったんだ。だからではなかった。
ちゃんとした理由がある。
大きい理由で、『カドーロ』というお店に行ったときにおススメを受けたのがここ『炊山』。
『清耽』と同じくらいのおススメ具合だったので、清耽好きとしては気になって気になって。
清耽と双璧をなすおいしさがあるかも!そういうところでけなげ。
微妙な距離だったから何となく行けていなかったけれど、今日この日到着。
営業中だ。
- 『炊山(すいざん)』
- 住所:広島県広島市中区十日市町1-3-37 広電・十日市電停より徒歩1分
- 営業時間:火~日、祝日、祝前日: 11:30~14:00 (料理L.O. 13:30 ドリンクL.O. 13:30)17:30~翌0:00
- 定休日:月 第2火曜日
扉は締まっている、中はうかがえない。
緊張するのである、こういうとき。
あら今来ても満席よ、とか予約なしなのかしら、とかジーンズお断りよとか言われたらどうしよう、ショックで枕が濡れる洗濯しないとってなる。
杞憂でした。
丁寧な感じで案内していただく。
ひとりです、って言ったけれど案内されたのはなんと個室。
カウンターはないお店なんだろうか。
靴を脱いで和室。
上座に座る。座ってしまう。
きょどきょど。一人で個室を使っているやましさ、ちょっとある。
給仕さんがお茶を持ってきてくれる。
お昼のメニューは予約なしだと『日替わり御膳』950円か『豆腐御膳』1500円だ。
前日以前に予約していたら、コース料理っぽいものがいただける様子。
うーん、なかなかここに来れない気がする(歩くと遠くて、電車だと近く感じるなんとなく思い切りにくい距離)。
だから、1,500円のいい方!「豆腐御膳で」
かしこまりました。と去っていく給仕さん。
掘りごたつ式。
さらに、なんか中央に仕掛けがある。焼肉屋さんみたいな感じ。
ここで焼いたり鍋をしたりするのだろうか。
ステーキやしゃぶしゃぶといったメニューが、夜はある。
コンコン。はい。
狐かなと思っているとそれは給仕さんで、豆腐鍋を持ってきてくれていた。
旅館に来た感が、いま凄い。
あの青い固形燃料にチャッカマンで火を点けてくださったところで今夜はここで寝るのかなという錯覚まで来る。
出汁は入っておりますので、取っていただいてそのままでお召し上がりください。
この部屋に一人しかいなかったけれど、お鍋という新しい家族ができた。成長するまでよろしくねと思っていると。
御膳、襲来。時刻は午後1時10分。
けっこう待つかと思っていたのに、それほど待たなかった。
いい感じの和食処は待ち時間も長いかな、って勝手に思ってて。でもさすが21世紀。ドラえもん誕生まであとXX年。
厨房では小鉢をたくさん作って保管していて、お刺身やら揚げ物くらいだけ注文時に処理しているのかなー?
そしてこの華やかさ、12色のパレットよりも多種多様。
食材のるつぼかな?
こうなると、迷ってしまうぜ。
ぱく。
一番最初にサラダ(ポテトサラダにひじきが入ったみたいなやつ)
※ムシマルはカメラのあまり使っていない機能にチャレンジ中です。今は明るいところでも光量少なく映る機能。
おいしい。
しゅっとしちゅう味やね。
炊き込みご飯はあっさりしていて、でも香りがブランド物の香水みたいに粒子で漂う。
メインはお魚フライ、がじ。
あ、トマト風味のソース。
グリンピ-スもあって、和食といえど完全な鎖国政策ではない感じ。
関係ないけれど教科書問題で『元寇』とか『鎖国』を「モンゴルの襲来」とか「江戸時代の外交政策」とか言い換えをする検討されていたみたいですが、あれは元に戻ってよかったです。なんか言葉がふわっとするじゃない。ひょっとしたら新しい言葉の方が誤解のない無難なタームかもしれませんが、もう鎖国!とか元寇!とか言いきっちゃった方が個人的に気持ちいいです。
閑話休題。
これ、このイカと山芋和えみたいなのおいしい。
海のものと山のものがあっさりそして分かちがたく結びつく相性の良さ。
しかしこれ、なんか食べるほどにお腹減るおいしさだな。
三角食べどころやない、八角食べくらいある。八艘跳びレベル、牛若丸レベル。
お刺身。
お刺身が歯ごたえを求めるものにとっては聖地。
弾力は噛みしめられ待ちに作られたみたく精緻。
何言っているかわからないと思いますが。
おいしいお刺身さんたちやで。
うん、ここのお刺身はステキ。
身はそんなに大きくないんですが、ひとつひとつが一騎当千ですね。
そしてお鍋。
ぱか。豆腐と野菜のシンプルな味付け。
ああ、個人的には凍えそうな季節にこれに出会っていたらパトラッシュと天使とルーベンスの絵とを一斉にビジョンしていたかもしれない。
逆に今が春の温かさでよかった。
なめらかで、弱い部分を撃つ豆腐。
※上の写真は色が派手になる機能を使っています。
いや、これは豆腐はもちろんうまいけれど、刷かなさを感じるふわふよだけど。
おしるのおいしさが随分な比率。
だしつゆに白米入れてしまいたい個室で行われる完全犯罪をこころみたい。
でもあれだなあ、お鍋屋さんなら気兼ねないけれどこういう和食処で店側の意図しない雑炊を極秘で作るのはよくない。
汁。透明に入っていく。
完食。
コーヒーを持ってきてくれる。
聞いてみる。
「日替わり御膳と豆腐御膳の違いって、この豆腐鍋とコーヒーの有無ですか?」
「はい、それとこちらのお刺身が日替わりだと小鉢になっています」
なるほど。
日替わり御膳(950円)=炊き込みご飯+味噌汁+小鉢6つくらい
豆腐御膳(1500円) =日替わり御膳+お刺身パワーアップ+豆腐鍋+食後のコーヒー
よって550円差分 =お刺身パワーアップ+豆腐鍋+食後のコーヒー
か。
個人的には日替り御膳で十分満足できる。
ただ、お刺身おいしかったなー。もっとお刺身特化したお刺身御膳とかあればいいのに。
豆腐鍋は、おいしい。けれど一日で一番活発な昼食としては大食いブロガーにとっては必須ではなかった。
というかあれはあれですね、日本酒とかいただきたくなってしまう類のおいしさ。
超個人的にはコーヒー用にちょっと甘いものがついていればとてもうれしかったけれど贅沢だと我ながら思う言い草である。
夜に行ってみたい。
記念日くらいに。なんの記念日かは未定。
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