秋も深まり、しのぎやすくなってきた今日この頃…冷たい風に身震いする日もあったりする。
まだ暑さの残る9月末ごろから、夫は納屋や古い板小屋を片付け始めた。
読書好きと言うか活字中毒と言うか、暇さえあれば何か読んでいる人。
1週間に何度かアマゾンから宅急便が届く。
結婚して幾度かの引っ越しでも、本がひと荷物だった。
6畳一間のアパートの一室には天井近くまで本が積んであって、
息苦しさに具合が悪くなった時もある。
秋田にUターン、持ち帰った本がそのまま板小屋にしまいこんであった。
あれから30数年、年月とともに本はまた増えた。
家を建て替えた時に新しく納屋も建てた。
物のない時代に育った義父母は、使わなくなったものも処分するには忍びず納屋にしまいこんだ。
けれど、私たちが使うわけでもなく、まして息子たちの代にはほこりまみれの残骸になる。
夫は退職を機に、もろもろのものを片付ける決心をしたようだ。
思い切って処分に踏み切って、焼却施設に何度も足を運んだ。
昨日は、思い入れの深い本をようやく3分の2?ほど処分した。
800kgあった。それでも納屋の一室が残した3分の1?で書庫に変身した。
一ヶ月立ち、ようやく目途がついてきた。
物であふれかえっていた納屋と板小屋に風が通り、夫の顔がどこかすっきりして見える。
来た道よりも行く道は短く、体力だって衰えてくる。
心の整理をしながら、身の回りを軽くしていくにはいい時期なのかもしれない。
根をつめて、毎夜遅くまでがさごそ片付けて疲れないだろうかと心配をよそに、意外と楽しそうな夫。
夕飯を食べると本が並んだ納屋にまたでかけていった。