
「 看護師の日々にさよなら編むセーター 」
家のことは祖母に任せっきりだった母が退職してからセーターを編み始めた。
母は学生時代は弁論部に所属し、学生運動では弁舌を振るい、気性が激しく職場の改革にかけ、秋の叙勲も受けた。
夫婦仲はずっと悪く、仕事は夜勤もあったし、戦いの場でもあり、毎日必死だったろう。
そんな家庭で長女の私が受けた諸々のしわ寄せから、三十代ぐらいまで影響が残ったということもある。
母の人生に似つかわしくない、セーターを編むというゆったりした時間。
それがあることが少し救いに感じられた。
退職から何年か経ち、母は手指に痛みが出て指を回す動作ができなくなり、編んでいないらしい。
しかし、七十代で10キロの道を走っているというから、すごい!
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