子どもとうさぎとねこと音楽のある風景

息子いっちゃん(2006年3月生)と3匹のうさぎと3匹のねこのいる歌と琴が好きな主婦の記録

「老妓抄」より~「鮨」~岡本かの子

2015年11月04日 | みじかうた
「 年々に わが悲しみは深くして 
  いよよ華やぐいのちなりけり 」  岡本かの子

私の歌ではありません。
岡本かの子の短歌です。

木々の葉が色づく季節になると、毎年、この歌を思い出します。
人生の秋に燃え盛るいのち・・・。

本のタイトルでもある「老妓抄」の最後にある短歌です。

かの子の作品は、相当古い装丁の岡本かの子全集というのを古書店で見つけ、大学時代にたくさん読みました。
何か、大正ロマン風な本人の風貌から来る雰囲気といい、どれだけの美を鍛錬し尽くしたかと思う文章といい、大好きな作家です。

この新潮文庫の作品群の中で言えば、「鮨」が大好きです。母の愛というものが愛おしく、切なく心に沁みる作品です。

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大学時代、古書店に足しげく通っていました。
昔からずっと生きてその時代を残してくれている古書が大好きでした。
時代はバブル期。田舎の親元を離れ、いろいろなものが派手に氾濫していて落ち着かない雰囲気でしたが、古書を開くと、一時の流行には風化しない時間がそこにありました。

また昨日、一つの文明の利器から遠のきました。
大げさですね(笑)。
いろいろあって、カメラで息子を撮っておきたいとスマホに変え、仕事のGメールを携帯で受け取れるように設定していましたが、いつでも仕事のメールが開けてしまうことでいつも仕事に頭を支配されていることに気がつきました。

3日間ほど、疲れが取れずに寝込んでいました。
なんでこんなに疲労したのか考えたら、仕事と自分の時間のメリハリができていなかったのも大きいとわかったのです。

さあ、今日は自分のもの思いに耽るぞと決めて、こうしてのんびりブログを書いております。


岡本かの子全集、とても素敵だったのですが、どなたかの女性の遺品だったようで、何かメッセージが巻頭に書いてあり、思いの念が残っていて、何か重さがあり、手放しました。

あの遺品でなくてよいので、古書の全集をいつかまた手にしたいです。

短編をこんなに完璧なほどに素晴らしく思いが極まった形で表現できるかの子。
尊敬します。

のんびり自分の時間を持つこと、大事ですね。
いろいろなSNSに振り回されなければならない若者たちが気の毒だと感じてしまう私は古いのでしょうか。

でも、時々はのんびり、時代に左右されない時間を持ってくださいね。
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