子どもとうさぎとねこと音楽のある風景

息子いっちゃん(2006年3月生)と3匹のうさぎと3匹のねこのいる歌と琴が好きな主婦の記録

いよよ華やぐ

2006年11月30日 | 私の周辺

「年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり」
(岡本かの子 「老妓抄」より)

私の大学は山の中にあった。田舎育ちの私には下宿か大学かのどちらかは田舎がよかった。
いくつか大学の下見に行ったとき、入学した大学に着いたのは日も沈みかけた夕暮れ時、一面のうす桃色の空を見て、「ここだ!」と決心した。

その大学に入り、紅葉の季節になると、燃えるような山を見ていつもこの歌を思い出した。特に秋の歌というわけではなかったと思う。ただ、この歌は私の中では深まり行く秋そのものに感じられる。

ベビーカーでの散歩中、よくぞこれほどに赤く染まったことよ、とその紅の鮮やかさに目をうばわれて、はっと息がもれた。

秋、わびしさ、さびしさ、枯れる、散る、落ちる、肌寒さ・・・
どちらかというと、沈みがちな傾向の言葉が並ぶ。
そこを、かの子は「いよよ華やぐ」と表現した。
素晴らしい命の尊さを感じます。
私の晩年もそうありたいです。


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2 コメント

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Unknown (ウッシー)
2006-11-30 20:06:00
貴女の熱い思いが伝わって来ます。
静かに味わいたい記事です。
ありがとうございました。
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ウッシーさん (3うさの母)
2006-11-30 21:10:53
年を重ねても意欲的なウッシーさんも私にはこの歌のイメージですね。手芸品の錦、芸の錦、孫育ての錦、きれいに織り続けてくださいね。
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